言葉の泉

一粒の種から言の葉が茂ることを願って。

「~ちゃん」

2017年03月07日 | 日記その1


 夫とは大学時代からの付き合いだ。
 いまだに大学時代と変わらない関係で、夫というよりも気心の知れた親友といったところだろう。
 「~ちゃん」と呼び合っているから、外出時や友人の前では呼ぶあうのが、はばかられる。
 それが緊急を要する時、人ごみの中から呼ぶときはためらっている暇がない。
 「~ちゃ~ん」と大声で呼ぶと、子供を呼んでいるのだろうと他人は誤解する。
 誤解のままならよいのだけれど、
 「何?」
 と、野太い声で夫が現れるとみんなギクッとされる。
 その逆も同じだ。

 「呼んだ?」
 と答えた主が子供でなく、絶世の美女の私なのだから。(な~んちゃって、自分だけええかっこしい)

 父親が同じような体験をして困った話をしたことがある。
 子供のころ、父は家族に
 「みっちゃん」と呼ばれていた。
 初老になった頃、電車の中でばったりあった妹に大勢の中で
 「みっちゃ~ん」
 と呼びかけられてとなりの車両に逃げた話をしたことがあった。
 白髪の紳士が「みっちゃん」ではかっこうがつかないのも道理である。

 しかし、変なもので、ふるさとに帰り、子供時代の呼び名で呼び合うのは、ほのぼのとするから不思議だ。
 腰の曲がった親が白髪頭の息子を「ちゃん」付で呼ぶ。
 返事をする息子も、もうすでに子供の顔になっている。

 私は実家へ帰るたびに、
 「ああ、やっぱり我が家はいいわ」と畳の上に大の字になった時、母は目に涙を浮かべていた。
 婚家で苦労しているのだろうと心配したのだろう。
 「お母さ~ん、おんぶして!」
 と母におぶさる真似をすると、母は
 「ろこちゃん、やめなさい、大きななりして何ですか」
 と言いながら、嬉しそうだった。

 「ちゃん」づけで呼び合う仲というのは人と人との距離をぐっと近づける魔法の言葉。
 
 「○○ちゃん、ご飯まだ?」
 と夫が呼びに来たので今日はここまでにしておこう。
 
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6 コメント

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「ちゃん」と呼ばれていたい (一炊の夢)
2017-03-07 19:46:15
カメラマンの仲間は、趣味が同じと云う事も有り、気さくなお付き合いが出来る。そこでは年齢に関係なく「さん」付けで呼び合うが「ちゃん」に代わることは無いように思う。処が、自宅周辺では、子供の頃から、今でも変わらず「ちゃん」付けで呼ばれる。もう**歳で遠に「ちゃん」には違和感もあったが・・・「ちゃん」が「さん」に変わらない生き方を続けなければ・・・改めて思いました。
一炊の夢さんへ(ちゃん) (ろこ)
2017-03-07 20:17:02
一炊の夢さんへ
 一炊の夢さんは、とても「~ちゃん」とは呼べません。立派過ぎて!!
 でも、幼馴染なら呼べるかもしれませんね。
 幼馴染っていいものですね。
 
Unknown (藍)
2017-03-08 09:26:01
 いいですねぇ~~~~
「おんぶしてぇ!」、、、、ですか。(微笑)

日本に留学した人が、国会中継を見て
「ナニナニくん」、、、と
「くん」呼わばりのやり取りしていたのには、
かなりビックリしたそうです。
可愛い! (みいやん)
2017-03-08 10:13:34
可愛くって和むお話ですね。
チャン付で呼び合うご夫婦~なんだか可愛らしくって微笑ましいですね。

我が家はみいやんと呼んでもらっています。

パパさんもそうですが
孫から姪や甥たち兄弟全員からです。(笑)

呼びなって色々とあって楽しいですね。
藍さんへ(君と先生) (ろこ)
2017-03-08 10:59:24
藍さんへ
 政治家はなぜか「先生」と呼ばれ、「~クン」と呼びおあうのは不可思議ですね。
 きっとあがめてほしいので先生と呼ぶことにして、幼稚な同士だとわかっているので「~君」と呼び合うのでしょう。
 わかっていらっしゃる、先生方。
みいやんさんへ(全員から) (ろこ)
2017-03-08 11:01:48
みいやんさんへ
 わぁ~素敵!
 家族全員から「みいやん」と呼ばれているなんて、愛されているのですね。
 家族全員が等しく近しい感じがにじんでいます。
 なごやかなご家族の風景がみえるようです。
 よかったね、みいやん!

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