言葉の泉

本と徒然

父の言葉

2009-02-08 | 日記
父がかつて世の中に出たら嫌でも働かなければならないのだから、アルバイトをするな。その時間を読書にあてろ!生涯の友をつくれ!と言った。
しかし、親掛かりで、ひも付きのお金では息がつまるし、自主的な活動ができないなどと生意気なことを思ったものだ。
それがいざアルバイトしてみると労働量に比べるとなんと時給額が少ないことかと驚いた。
こんなに足腰へたるほど働いてこれっぽっち?と涙がでそうに腹が立った。
その雀の涙の初給料で身内の者たちに少しばかりのものを買ったら、残りはほとんどなくなった。
そのわずかのお金で自分へのご褒美としてスカーフを買い、いざ使おうと思ったら、姉が黙ってそれを首に巻いてデートにでかけたあとだった。

生まれてはじめて男友達から誕生日プレゼントとしてフランス製の香水をもらった時も、姉は惜しげもなくその香水を浴びるほどつけて出かけていってしまった。
「どうして黙って私の香水使うの?」と抗議すると、「変なにおいだからもう使わない!」と憎まれ口をきいてしらんぷり。
まったく横暴なヤツメ!
末っ子はいつもしいたげられて、小間使いとしてひきまわされるだけ。
などと今頃愚痴ってもしようのないこと。
いまや笑い話にもなりはしない。なぜって当の本人はいつだって忘れているのだから。

学生時代のあの頃。読書にせよ、遊びにせよ、勉学にせよ、たっぷりと時間があった日々を何と無為に過ごしたことか。
しかし、あのようにぼんやりと無為に過ごせる贅沢な時間など人生の中では本当にあのときだけだったかもしれない。
時間も、お金も潤沢にない頃になって、人ははじめて真に勉強をしたくなるものかもしれない。

父の言葉が今頃になって分かるとはあまりにも遅きに失する話だ。
AX




ジャンル:
ウェブログ
コメント (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 一輪の花と路傍の人 | トップ | 「サハラ砂漠とモ... »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

現在、トラックバックを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む