言葉の泉

一粒の種から言の葉が茂ることを願って。

一まいだけ残った薔薇の花びらのよう

2017年05月19日 | 新・随想

汗ばむ陽気になって紫外線がつよくなってきた。
 今日はなんと気温29度の夏日になった。
 暑いわけだ。

英国にいた頃、友人たちとお茶を飲みに行った帰り、Body Shopに立ち寄ることが多かった。香りの良い石鹸やボディー・ローション、オイルなどが美しく陳列されていてオイルなどは好きな香りのオイルを調合してくれたりして楽しかったものだ。
今日はスーパーの大型店にあるBody Shop売り場で爽やかな香りのソープと、香りがおそろいのボディーローションを買った。

これから暑くなるにつれ、きつい匂いの香水は敬遠したくなる。
爽やかな石鹸の香りやシャンプーのにおいがすると思わずふりかえってみたくなる。

英国で病人のお見舞いに行くのに何が良いかしらとステイ先のママに聞くと
 「石鹸をあげるといいわよ」と言われた。
 日本ではお祝いのお返しなどに石鹸の詰め合わせをあげたりするけれど、お見舞いに「石鹸」とは良い考えだと思った。

香りといえば驚いたことがあった。
 お世話になった先生にクラス全員で何かをプレゼントしようと云うことになって
 「ボディーローション」になったときはさすがの私も驚いた。
 しかも男の先生に。
 ネクタイとかマグカップとか考えていた私は面食らった。
日本の高校で卒業のとき生徒にボディーローションをもらったら、きっとその男性教師は「俺って加齢臭かな?」と気にしそうである。
そういえばスイスから来た留学生の友人から最後に手渡されたものも石鹸だった。それはそれは綺麗な色の石鹸だった。
石鹸をあげることに特別な意味があるのだろうか?さすがにそれを尋ねることはできなかった。お互い目に一杯涙がたまってハグして別れたのだった。

石鹸といえば、野山に行くと夫は「お~い、ろこちゃんの木があるよ。綺麗だよ」と叫ぶ。
 「綺麗」の言葉に反応してみんなが振り返ってどんな木か見るとそれは「エゴ」の木だ。
 まるで私が「エゴイスト」だと言わんばかりのしわざだ。

私は赤の他人のような顔をしてさっさとそこを去る。
この「エゴの木」はまたの名を「石鹸の木」とも呼ばれる。
エゴの木の実は小さな白い実だ。これを手にとってつぶすようにゴシゴシ両手でこするとあ~~ら不思議、ぶくぶく泡がたって石鹸のようになる。実際綺麗に洗浄される。
最後に私の好きな詩人まど・みちおさんのせっけんの詩を紹介しよう。

  せっけん

 こんなに
 ちいさく なった
 おふろばの
 せっけん
 うちじゅうの
 みんなの こころに
 やさしく
 ちりしいて

 一まいだけ
 のこった
 バラの
 はなびらのようだ



 
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2 コメント

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香り (kei)
2017-05-19 18:23:05
ふわっと立ち上がる石鹸の香り。一つの香りを家族みんなが分けもって、
うすく、なめらか~に、花びらのような形で残るんですね。
オーストラリアに娘家族を訪ねました時は、
やはり、ろこさんおっしゃるように様々なもので香りを楽しんでいるのを感じました。
石鹸もいろいろお土産にしました。
今は日本でもそうしたお店も豊富にありますね。
線香臭くならないように!? ではないでしょうが(笑)、息子が砂時計型のディフュ―ザーを贈ってくれました。
清涼感ある素敵な香りに包まれています(笑)

keiさんへ(花びらのようになって) (ろこ)
2017-05-19 18:39:30
keiさんへ
 こんにちは。
 まどみちおさんの詩はやさしさに満ちていますね。おっしゃるように、家族みんなで使った石鹸も、最後は薄い花びらのようになってしまった。
 「ばらのはなびらのよう」という美しい形容が、やはり詩人ですね。
 keiさんのお嬢様ご一家は、豪州で香りの世界にたゆたっていらっしゃるようで、石鹸や香油の文化は日本とは格段に違うのを感じます。
 あはは。抹香くさいという表現は日本独特で面白いですね。
 京都の雅やかな香りと言ってほしいです(笑)。
 アロマディフューザーは、今人気です。親孝行な息子さんです。
 もしかして「京都の雅やかな香り」に気が付いたのかしら?

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