Yuhiの読書日記+α

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永遠の途中

2007年12月05日 00時31分17秒 | 小説
唯川恵著「永遠の途中」を読了しました。唯川さんの小説は何冊か読んだことがあるのですが、どれもとても読みやすかった記憶があります。

本書の主人公の薫と乃梨子は、大手の会社の同期で、同じ部署に配属され総合職として働く友人同士でしたが、27歳の時、2人の道は大きく分かれます。薫は職場の男性と結婚し専業主婦の道を選択。それに対して乃梨子は、結婚せずにキャリアウーマンとして仕事にまい進する。
この対照的な2人の女性の生き方を、この後3~4年ピッチで60歳になるまで2人を交互に(時には交差しますが)描いている作品です。

特にドラマチックな展開ではなく、2人の女性の生活がつづられているだけなのですが、話のそこここに、「ああ、分かる!」「こんな話よく聞くなぁ」と思うところがいっぱいあり、読みだしたら止まらず一気にラストまで読んでしまいました。どちらの生き方にもすごく共感できたし、唯川さんは女性の気持ちがとてもよく分かっておられるなーとしみじみ思いました。

女には人生の節目がたくさんありますよね。結婚・出産・育児・介護などなど。その都度、会社を辞めるか続けるか、あるいはいつどんな形で復帰するか、専業主婦になるのか等を選択しないといけません。もちろん男性にもあるでしょうけど、女性の方が圧倒的に多いですよね。
人生の選択肢が多いほど、色々と迷うことも多いわけです。女性が常に不安・不満に思っていることを上手いている作品だからこそ、一気に読ませてしまう力があるんだと思います。

この物語の2人も、今の自分の生活に基本的には満足はしているものの、たまに目にする友人の姿を見て比較し、ついつい羨望したり、優越感を抱いてしまったりしています。この辺はすごくリアルだなーと思います。

この物語の2人は、60歳になる頃には、自分の生き方を肯定できるようになりましたが、私だったら死ぬまで「これで良かったんだろうか?」と自問し続けることになるような気がします。
頭ではこの道を選んだ以上、後悔したり羨望したりしても仕方ないって分かっていますが、達観するのって難しいですね。


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