
■スタート前
朝5時過ぎに起床。すっきりした目覚め。不安になるような体の痛みはどこにも感じない。枕元に置いてあったミネラルウォーターをガブッと飲み、朝一番のトイレに入った。
ひとつだけ、不安なことが頭をよぎった。どちらかと言えば、普段から下痢気味のタイプだけど、せっかく断酒したにもかかわらず(と言っても2日間だけだが)、前日から特に腹が緩くなっている。
収穫は、下痢気味の原因が酒のせいではないとわかったこと。これから、「下痢気味なのは酒のせいか?」と要らぬ心配することはなくなるだろう。
が、そんなことよりも、今、心配なのはレース中のこと。実は前日、薬屋に行って下痢止めの薬を買おうとした。しかし、普段から薬はほとんど飲まない主義なので、たまに薬を飲むと効きが非常にいい。だから、薬の副作用には非常に敏感である。胃壁から薬が吸収されて、体内の血液中を薬が循環して腸の働きを止めることを想像すると、「約3時間の有酸素運動に悪影響を及ぼすのでは?」という不安が高まり、薬を買うことをやめてしまった。
会場へ向かう途中、一緒に大会に出場する薬剤師の友人にそのことを相談してみた。薬の影響については、とりあえずの同意が得られたので自分の判断が正しかったのかなと安心した。
渋谷と赤羽で電車を乗り換えた際に、ついでにトイレを済ました。赤羽では10分以上並んだが、荒川河川敷に1万人以上が集結する板橋Cityの会場は、トイレの混雑が酷いという印象が強い。過去、この大会の会場でトイレをまともに済ますことができた記憶があまりないので、会場入りする前にこの日3度目のトイレを済ますことができ、あとはスタート前に小の方だけ済ませばいいなと思った。
そんなことで、会場に到着したのはスタート1時間前を切っていた。受付けを済まし、クラブの陣地に入ったのは45分前くらいであっただろうか。S城ヘッドコーチから、「重役出勤だね」と皮肉を言われてしまった。
いつもは軽くアップしてから最後のトイレを済ますのだが、そんな時間的余裕もなく、アップ前に最後のトイレを済まそうと行ってみた。しかし、思ったとおりの長蛇の列。「ま、行かなくても大丈夫かな?」と最後のトイレを諦めた。
次にアップしようと思ったのだが、前日の雨の影響でそこらじゅうが水溜り。シューズを汚さないでアップできる場所が見当たらなかったので、というのは言い訳であり、やはり会場へ到着したのが遅すぎて時間的余裕がなかったということだろう。結果的に、今回レースの一番の反省が、「アップしてから最後のトイレを済ますこと」を怠ったことになるなどということは、その時は思いもよらなかった。
■スタート〜ハーフ地点
スタートロスは約15秒。スタート後は、最初の1kmはゆったりと入り、2〜3kmでペースにのることを意識した。
と言っても、タイムでのペース設定はなし。心拍数165以下であればフルをペースダウンせず走りきれるはずなので、最初の5kmまでは160前後と低めに設定し、10kmまでに165くらいまで上げていくという目安で走った。
その結果、5kmまでのラップは、20:34(159bpm)、10kmまでは、20:39(164bpm)というラップを刻んでいた。
ここまでは、至って順調。55分切り出来そうなペースで走れていると満足していた。
あとは、ハーフ地点までは、ちょうどいいペースの集団に入り、リラックスして省エネで走れればいいと思った。ところが、なかなかいい集団が見つからなかった。
女性の2位を走るランナーが集団を作っていたのでついてみたが、滅茶苦茶息が荒くそのうち遅れそうな感じだったのでつくのをやめた。(結果的に最後は抜かされた)
いいフォームで走るランナーを見つけ、ついてみたが若干速すぎたのでつくのを諦めた。(このランナーは30km過ぎにペースダウンしてたので抜かした)
なんて事を繰り返し、今から思えば、10km以降は集団を探すために微妙にペースを上げ下げしていたのかもしれない。
1km毎の距離表示でタイムを確認しながら走っていたが、4:05、8:09といい感じできたのに、次は12:32なんて感じのが何度かあり、自分は一定ペースで走っているはずだから、距離表示がおかしいのだろうと勝手に思っていたが、今から思えば、おかしかったのは自分のペースの方だったのかもしれない。
また、ペース一定で走っているはずなのに、心拍数をチェックすると167〜8まで上がっていて、それ程苦しくはないのだけど、意識して体をリラックスさせると163〜4に収まり、ということが何度かあった。その結果、10km以降35kmまでの平均心拍数は、5km毎にすべて166であったのだが、
体感的には余裕を感じていたし、何度も何度も30km以上のロング走をやってきたので、「脚はしっかりできてるはず」、「心拍計の誤差の範囲だろう」、「後半、ペースアップできるかもしれない」と自信を持って走っていた。だが、今思えばこの微妙な心拍数の上げ下げと若干の超過が、後半ボディブローのように効いてしまったのかもしれない。
さらに、今から思えば、序盤の給水はことごとく失敗していた。最初のエイドは水だけだったからスルーして、2つ目6km過ぎのエイドでスポーツドリンクを、と思ったけれど、集団から抜け出すタイミングが悪く、テーブルに近づいた時には既にエイドは終わっていた。「あれっ、エイドはこんなに短いのか」と思ったけど、3つ目のエイドも水だけでスルーして、12km過ぎのエイドで、ようやくスポドリを取って紙コップを潰したら、ほとんど中身は入っておらず。失敗した後、コップを取り直すだけのエイドの延長もなかった。って感じで、結局、前半ハーフ地点までは、ほとんどまともに給水できなかったことも、後半思うように走れなかった原因なのかもしれない。
ハーフ地点の通過は、1:27:30くらいだった。イーブンペースだと2時間55分と計算し、その時は後半にペースダウンするような感じではまったくなかったので、「ペースアップできれば53〜4分で走れるかも?」なんて思って走っていた。
■ハーフ〜32km地点
頻繁に糖質を摂り、メンタル面でペースダウンしないように集中力を高めて走ることを意識しようとしていた。が、この区間で集中力を削がれてしまったのは、前日から唯一の不安材料であったトイレ問題であった。
普段の練習の時でも走りだすと催してしまう。だから、スタート前にアップしてから最後のトイレを済ますのだが、それを怠ったツケはスタートしてから直ぐにやってきていた。それでもハーフ地点くらいまでは、そういう感覚は現れては消えるという蜃気楼のような存在であったのだが、その間隔が徐々に短くなり、ハーフ地点を通過してからは、そのうち緊急事態に発展するのは時間の問題だろうという感じになってきていた。
折り返してからは、往路を走るランナーとすれ違う。クラブのメンバーのN木さん、Sさんが声をかけてくれた。「ナイスラン、力まないで!」という声にハッとして、走りをリラックスさせることに集中しようとした。が、が、それを忘れ去るのに十分な緊張感が直ぐに催してきた。脚にも心肺的にも不安材料は特に見当たらないのに、この問題をどのように解決すればいいのか悩みながら走ることになっていた。
25kmのラップは、21:03とはじめて21分台に落ちたが、エイドでしっかり糖質を補給するため、スピードを若干落としてでもパンやオレンジなど食べたりしていたので、その影響だろうと思った。
25km過ぎのエイドの直ぐ先に仮設トイレが3基並んでいるのを発見。何時まで悩んでいても解決しないなと意を決してコースアウトしてトイレへ向かった。ところが、1基目先客あり。そして2基目も、そして3基目も。
先客は小?
だったら3人のうち誰か直ぐに出てくるはず?
と考え、暫く待ってみたが、まったく出てくる気配なし。諦めて次の仮設トイレを目指すことにしたが、30秒くらいタイムロスしただけで何も問題は解決されなかったので、悔しい気持ちになった。
必要ない時はよく目にするけれど、必要に迫られて探すとなかなか見つからないのは世の常である。「どうやら仮設トイレは30kmのエイドまではないのだな。あと5km我慢できるかな?」と不安になった時、河川敷のグランドにある常設トイレを発見。
往路を切れ目なく連なって走るランナーに、「すいませ〜ん」と謝りながら、すき間を縫って通してもらってグランドへ2度目のコースアウト。
ところが、ところが、
個室のドアが閉鎖されているではないか。近くにエイドの係員がないから管理できないからか?なんと役人的な!いや、この大会の運営は役所だからか?河川敷の管理者も役所だからか?などと怒りと疑問を感じながら、雨でぬかるんだグランドで泥まみれになったシューズの不快感だけをもらって走りだすことになっていた。
30kmのラップは、22:08。2度のコースアウトで恐らく1分くらい全く無駄なロスをしてしまったが、走っているペースは維持できているなと安心した。
そして30km過ぎのエイド近くの仮設トイレ、先客がいなかったので、無事、ようやく目的を果たすことができた。トイレからコースに戻ると、心拍数も少し下がったからなのか、トイレに入る前よりも走りに楽さを感じた。
■32km地点以降
残り10kmを切り、ここからは力んでがんばってもいいだろう。もう、お尻に力を入れても大丈夫だし。。これまでの練習でやってきた全てを出し切ろうと考えた。
35kmのラップは、22:09。トイレロスがあった割には、思いのほかよかったので、「これでサブスリーは大丈夫だろう」と安心したのだが、同時に、「ギリギリ59分台でいいや」と考えてしまった。
35kmが1時間28分。残された時間は32分だから、キロ何分ペースでいいのかと計算する。残り約7.2kmだから、キロ5分だと36分。キロ4分なら29分?4分半なら??正確に計算できないが、キロ4分20くらいでいいなと思った。
「少し楽しようなんて考えるもんじゃない」と思った時には時すでに遅し。1km毎の距離表示が、4分25、4分38?
「えっ?おいおい落とし過ぎだぞ!」と、あわててペースを戻そうとするが一度落ちたペースはもがいてもあがらなかった。
沿道からは、何度も「3時間切れるぞ!」という声援が聞こえてきた。3時間切れるか切れないかという境界線上で、周りのランナーも必死にペースをあげていた。なかなか上がらないペース、それでも40kmから残り2kmだけなら頑張れそう。計算できないけど、「40kmから頑張れば間に合うだろう」と安易に考えていた。
そして40km通過が、2時間52分30。「残り2.195kmを7分半?無理だ。。」ここで身体を動かす意欲が完全に切れてしまった。
クラブの女性メンバー達から声援を受け、「いやいや、しっかり走らなきゃ」と気合を入れるが200メートルも続かない。残り2.195kmは、キロ5分を超える状態でのゴールとなってしまった。
S 0:16
5km 20:49/20:33(159)
10km 41:28/20:39(164)
15km 1:02:10/20:42(166)
20km 1:22:59/20:49(166)
25km 1:44:02/21:03(166)
30km 2:06:10/22:08(166) トイレロス
35km 2:28:19/22:09(166) トイレロス
40km 2:52:30/24:11(160)
42km 3:03:51/11:21(153)
グロス 3:03:35
■まとめ
直前のプチ故障の影響はほとんどなかったと思うし、それを言い訳にしたくはないのだが、レース10日前の最終段階にきて仕上げの順調さを欠いたのにいい結果が出るものではないとも思う。また、久々の(1年3カ月ぶり)フルだったので、フルの怖さや走り方を忘れてしまっていたのかもしれない。
だが一番の反省は、スタート前に何時も行っている「アップして最後のトイレ」を怠ったことだろう。鍼治療と休養十分の効果でいつもより足が軽すぎたから前半走り過ぎたということもあるのかもしれない。しかし、考えてみれば3時間3分台だから、8年前のPBから6分しか遅れていないわけであり、まあ最低限の結果は出せたのではないかと整理して、秋に向けて身体を再度作り直していきたい。
■(後日追記)
書くのを忘れていましたけど、ゴールする直前、ちょと気が緩んでしまったからなのか、腹筋が痙攣してしまってました。そして寒さで身体が冷えてしまった(スピードダウンしてたから?)からということもあってか、ゴール直後は少し気分が悪くなってしまい、給水テーブルに寄り掛かったらポールをボキッと折ってしまいました。ご迷惑をかけた係員の方、ちゃんとした謝罪もできませんでした。ごめんなさい。
また、陣地に戻ってからも、しばらく20分くらい、筋肉の痙攣が、腹筋、胸、背中、腿、ふくらはぎと次々と場所を変えて襲ってきました。シートで横になって収まるまで堪えてましたが、こんな経験ははじめてでした。最後まで力を出し切った影響だろうと思ってましたが、今思えばそれだけではなかったかもしれませんね。20分くらい続くなんて異常です。脱水症状でしょうか?やはり水分補給(エネルギー補給も?)に問題があったのかもしれません。
なお、何箇所かエイドのテーブルに白い塊のものが置いてありましたけど、塩だと思って取らなかったのですが、あれはブドウ糖だったのですね。糖質補給に有効なものを折角準備していただいたのに。。
また、エイドが短く、コップも小さめな場合は、2つコップを取ればよかったんだなと今頃になって気付いてます。
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