四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

108寺歩き遍路の総括(2) 「ザヘンロサーベイ」

2007年07月17日 | Weblog
「第二部 108寺歩き遍路の総括(2)」

■ 各寺間の実際の時間と道のりについて

『推定方法』

前にも書いたが、「下調べ、事前調査」は私にとって、一番重要であった。

ひとえに、私の「心配性」な性格によるものだが、初めてのゴルフ場に出掛け
る時、事前に明日のコースは「アップダウンのきついコースか、距離の長いコ
ースか」等ある程度、最低限のレベルでも事前にコースの下調べをする人は多
いと思う。

また、最近ではコースの評価等をインターネットで調べたりする人も多いだろ
うし。「敵を知り己を知ればまた百戦危うからず」という諺もあるように、あ
る程度事前の調査は必要であろうと思う。

企業に訪問し、相手に何かをセールスする時に、「相手の求めている本質」は
何か?とか、相手の欲してるものは何か、あるいは、担当者の決定するキーポ
イントは何かなど、考えるのは「普通」であると思うし「出たとこ勝負!」的
仕事もあると思うが、ある意味、人生(仕事)も、遍路旅も同じであると思う。

まず、私は事前に取り寄せた「へんろみち保存協会編」「空海の史跡を訪ねて
四国遍路ひとり歩き同行二人」(解説編(第7版))(1,000円)の39p、
「四国遍路道基本コース歩行距離表」を参考に、各寺間のおおよその距離と時
間を把握し、計画を立てることになった。

ここ(へんろみち保存協会の解説編)にある「距離」はそのまま受け入れる。

しかし、ここに書いてある「平均所要時間」はどのように判断するのか?
注釈には、このように書いてあった。

「平均所要時間は、平地歩行毎時3.5km、山間登坂路は、平均体験記録を
基準に算出している。霊場での所要時間は含まれていない。(2日)(3日)
は、2日がかり、3日がかりになることが多い事を示す」と記載されていた。

その他の手持ちの資料は、計画立案時は保有して(購入して)無かったので、
この「平均所要時間」を基準に、先人の方々のHPなどを参考に、また、同じ
く「へんろみち保存協会編」「空海の史跡を訪ねて 四国遍路ひとり歩き同行
二人」(地図編(第8版))(2,500円)を見ながら、「標高」などを参
考に推定していくしか方法はなかった。

ただ、事前のハイキング(山歩きの練習)の経験から、「平均」とは普通の人
つまり「並足」の「所要時間」をさす事は「明白」であり、自分が歩行練習で
行ってきた平均速度(7~8キロの荷物を背負ってアスファルト道での歩行)
などの実績なども考慮し、さらに、先人の方のHPなどから、各寺への到着時
間を書いてあるHPなどもあるので、これ等から自分の所要時間の推定を行う
ことになった。

ただ、ほとんどのHPは、各寺での参拝時間、納経時間など、実際にその寺に
何時に到着し、参拝と納経を済ませ、何時に出発したのかまで公開している事
はまず無かった。

また、どの程度昼食時間を取ったのか?歩いている途中での、休憩時間は取っ
たのか?それとも歩き続けたのか?など、不明な点が多い。

それ程神経質になる必要もないであるが、それでも、単に「寺」に時刻が書い
てあっても、その方の「実際の所要時間」はほとんど不明ないのだ。HPを丹
念に読めば、この人が「健脚」なのか「並足」なのかという程度は推定できる。

しかし、納経時間の長さや、その他アクシデント(お接待があったりしたり、
様々なふれ合いがあったりしたり)等により実行時間は未だ不明である。

自分が、一日の行程計画において、どの程度の「バッファー(余裕)」を取る
のかは別(私個人の問題)として、一番知りたいのは「本当の所要時間」の推
定に必要な情報であった。

「らいた」さんからのご指摘の通り、私は、出発前、インターネットの情報を
読み漁ったのだが、当然に5年以上前に歩きの四国遍路をされた方の情報は、
「少し古い」と言う事で除外した。できれば3年以内の情報が望ましい。

と言う事で、自分も、後に続く「お四国さん(歩き遍路)」の方に、少しでも
お役に立てればと(お節介・・・お接待)というつもりもあって、パソコンを
担いでの遍路旅を実行する事になったのが本心かも知れない。

ほんの少しでも役に立てれば良いのだ。自己満足の範疇は超えないが・・・

『1番から11番までの推定』

1番から10番までの道のりは、基本的には平地の各寺間の距離の短い比較的
歩き易い道だと推定した。以前、小学生の頃、この近くに住んでいた事がある
私は、おおよその西東程度や地名などに全く馴染みが無いわけでもない。

小さな頃の「ほんの少しの」記憶を頼りに(笑)多少個人的な強弱も付け加え
て、計画時は、比較的「保守的」に所要時間を推定することにした。

地図で気になる事は・・・
(1)(そんなに高くないが)若干山間部(山)にも近い。
(2)高速道路に近いところは、また超えるところは標高が高くなるはず?

88箇所巡りの先人のHP等を見ると、一気に10番、あるいは高速で11番
まで打っている人もいる。単純に、1番~11番までの距離を合計すると合計
「37.2キロ」である。

一日40キロ以上歩ける自信のある人には、歩いて歩けない距離ではないが、
しかしまあぁ~参拝・納経時間を含めると、初日に11番まで行くのは、あま
りにも無謀であろう。では、どこまで行けるのか?

また、自分は「別格」回りも含めている。別格1番を(1)どの寺の間に入れ
るのか、(2)その所要時間は?、(3)道のりの困難さは?等(体力の消耗
度)などはどうだろう?

更に、自分の居住地域から、初日の徳島入りの交通機関の選択にもよるが、飛
行機なら「徳島空港(松茂)」、新幹線等を利用するなら到着駅、夜行バス利
用なら。路線・バス会社選択によって、1番霊山寺への到着時間の違い等も大
きく変わるのだ。

それらから、1番霊山寺への交通手段(徒歩も含む)によって、1番への到着
時間が、その日(初日)の限界を決定する最大要因になる。

更に・・・

(3)初日はあまり無理するべきでもないだろう・・・とか
(4)宿への入りは遅くとも5時前には入りたい・・・とか
(5)一番泊まりたい宿は、どこか?・・・とか

いろいろな個人的な事情に左右される。

そこで、まず1番から吉野川を渡る手前まで(10番まで)の距離と所要時間
をまず確認した。

1番~2番   1.4K 24分(標準所要時間)
2番~3番   2.6K 45分
3番~4番   5.0K 1時間26分
4番~5番   2.0K 32分
5版~別1   6.5K (不明)
別1~6番   6.8K (不明)
6番~7番   1.2K 21分
7番~8番   4.2K 1時間10分
8番~9番   2.4K 38分
9番~10番  3.8K 1時間10分
10番~11番 9.3K 2時間40分

例えば、1番霊山寺に朝8時に到着したと仮定すると、参拝・納経時間を30
分と仮定すると、霊山寺出発は8時半となる。ここで、遍路用品を購入する人
は更に30分~1時間程度の余裕も必要だろう。私の場合は、白衣、経本、納
経帳など最低限のものは事前にインターネットで購入してあったので、1番で
の遍路用品購入時間は除いた。

1番~2番への標準所要時間24分を30分と保守的に推定。よって9時には
2番極楽寺への到着となる。30分の参拝・納経時間を取り、9時半に出発す
ると仮定。2番~3番への標準時間は45分だが、2.6キロなのに45分も
掛かるのか?など考え35分と推定。よって、10時05分に3番に到着と推
定。更に3番で30分の参拝・納経時間だとすると、10:35に3番を出発。

3番~4番は5キロ。標準時間は1時間26分。標高75mまで若干登る故に
5キロなのに1時間半近い標準所要時間なのだろうが、(健脚の方の)先人の
HPなど見ても1時間程度で到着しているので、ここは1時間と仮定すると、
11:35に4番に到着と推定。同じく参拝・納経して12:05出発と仮定。

ここから別格1番への道のりとなる。

別格1番は標高450mへの「山登り」道のようだ。へんろみち保存協会の資
料には標準所要時間などの推定資料は全く無い。

私が参考にしたのは、「名古屋のスーパー爺H氏」である。彼のHPによると
5番地蔵寺(12:15)~別格1番(14:20)という記載があった。
単純に計算すると2時間5分である。

ただし、5番に12:15に到着したのか、それとも出発したのか、また、別
格1番には14:20に到着したのか出発したのか不明でった。また彼のHP
によると、その後H氏は、初日は15:25に民宿寿食堂に宿泊しているので、
6番までの時間は推定が困難となった。

ここで地図を見ると(10-1、90-1)大山寺へは、高速道路をくぐり、
ここから450mまで登っていく。遍路道は高速道路を越えて700m程度で
あるが、果たしてこの道は通過できるのか?不明である。そうでないと車道歩
きとなり、8.8キロと距離が伸びてしまう。

と、頭の中はグルグル回るのだが・・・実際は行った事もないし、それ程神経
質に考えても仕方が無いので(笑)「だいたい」で想像する事にする。(爆笑)

誰でもそうだと思うが、私は実際には、最初は結構緻密に考えるのだが、それ
以上考えても仕方ない(推定資料が無い)場合は、大雑把に考えるしかない。
ある意味、ここで「出たところ勝負」が発揮される!

唯一の救いは・・・「77歳スーパー健脚爺」が登りで2時間程度、多分参拝
時間を入れると1時間半~1時間45分だろうと推定した。この程度では登れ
るだろう。私は47歳なのだ!30歳も若いのだ!と・・・(笑)

であるから、13:35に大山寺到着と推定した。納経し14時過ぎには出発。
彼は寿食堂に1時間5分後に到着している。納経まで20分掛かっているなら、
45分で到着している計算になる。おおよそ6番までの半分の距離だから、多
分、別格1番大山寺から6番安楽寺までは1時間半と推定。とすると、3時半
過ぎには安楽寺に到着可能。と言う事は、6番を4時には出発可能である。

本来はここで終了だが・・・
(6)6番安楽寺と7番十楽寺は1.2Kと距離が近い。標準時間でも21分
(7)しかし6番まで、想定するよりも時間が掛からなかった場合は?

等と考えると、6番も7番共に宿坊があり、ここ(例えば7番の宿坊)に初日
の宿を予約するか。それとも、7番と8番の間の、越久田屋に予約し、6番、
7番が最悪打てなくても、別格1番の後、山を下り、越久田屋に泊まり、翌日、
朝一番空身で6番と7番を打てば良いのでは?と推定した。

で・・・ここまで考えて、私の頭の中では、越久田屋(おくだや)って、どん
な宿って事になるのだ(笑)!

Googleで「越久田屋(おくだや)」と入れ検索すると・・・
http://www.shikoku88-okudaya.com/
なんと!HPがあるではないか!珍しい!遍路宿でHPがあるなんて!

私は、このHPを見て、安心した!初日はここにしよう!と。様々な理由があ
ったのですが、その詳細は、私の6月2日(出発前日)のBlogにも書いて
ある。
http://blog.goo.ne.jp/run3_2006/d/20070602

そんな事をいろいろ考えた。

大雑把にまとめると・・・
(8)スーパー爺が5番の後別格1番を打って、15:25に民宿寿食堂に到
着しているのだらか、私だって!6番までは夕方5時までに打てるだろう!
(9)6番と7番は1.2キロしか離れていない。だから20分程度。
(10)最悪は6番7番を翌日の朝にしても良いので、越久田屋に泊まろう!

と言う事になり、直ぐに電話で予約した!

後は、必死に頑張るしかない!と考えた。

結果は、
===================================
困難度(【1~5】【5】が最難関)を個人的主観にて採点した
===================================
1番~2番 1.4K 25分
ほぼ県道歩き。距離も短く緊張の中で歩くためあっという間だろう。大きな
支障はない。【1】

2番~3番 2.6K 30分
ほぼ県道歩き。同じく寺を見る余裕も無い時期なので、地図を見て歩くだけ
になるだろうか。【1】

3番~4番 5.0K 55分
県道歩きから一部だけ落ち着いた遍路道、最後は緩やかな県道の登り歩き。
標高75mまで登るだけだが、重たい荷物を背負って歩いた経験の無い人は、
意外にこの上り坂に苦労する。実際はこの後続く困難な道に比べれば全く
大した事など無い!ただ、少し距離が長くなるだけだと自覚せよ!【2】

4番~5番 2.0K 25分
緩やかな県道下りから一部遍路道。足が疲れていれば、アスファルトの下り
に少し悩むか?。下りは靴紐を少しキツ目に結ぶように心がけるべし!【2】

5番~別1 6.5K 1時間20分
県道登り、一部遍路(山)道。初めて距離が少しだけ長くなる。疲れを感じ
るならその前の寺で長めの休憩を!遍路道の上りは夏場は「藪掻き」になる
恐れあり。最後のアスファルト道登り2Kで結構な大汗をかかされ、山門に
到達するも長い階段に圧倒される!【3】

別1~6番 6.8K 1時間25分
県道を下り、一部遍路(山)道。遍路道の山道が通れない場合は、8.8Kと
2K程度長くなっての車道歩きとなる。途中に休憩ポイントは無く、下りで
足を消耗すると、残りの集落抜けの田舎道が意外にキツイかも知れない程
長く感じる!【3】

6番~7番 1.2K 25分(県道歩き。距離は短いが、夕方足が疲れて
いると2K以上に感じる長さか!?)【1】
===================================

となった。5分程度の誤差(計測記録は5分単位にしてある)はあると思う
が、おおよそこの程度で私の実績と大きな違いはないと思う。

初日は、松茂のバスターミナルから1番霊山寺まで約10キロ歩いたので、
実際は、最後、結構バテバテとなった。初日から44キロの強行スケジュール
であったが、恐らく無我夢中で気が張っていた事であっという間だった。

某国立大大学院生のS君との出会いもありましたが、初めての歩き遍路とし
て「初日」にしては、とても充実した一日となった。

■2日目宿「ザヘンロ・サーベイ」
===================================
植村旅館  T15 F13 D14 S19 C¥7,000
名西郡神山町阿野字本名12-1(12番後10K) 088-678-0859
最初の難所、遍路転がし焼山寺を抜けた後、標高700mの焼山寺から一気に
250m程度まで下り、その後更に「玉ヶ峠」(標高450mまでの急な登り)
を這い上がるように登らねば着かない。並足なら焼山寺からたっぷり3時間半
は掛かる。設備は古いし、食事はまあまあだが、サービスも良いし人柄は良い。
別格打ちは、2番童学寺を打つためには、通常、この植村旅館方面にルートを
取るしかないが、途中にはこの宿1軒しかない。なのか、少し料金が高いのが
難。洗濯機は200円だが、乾燥機が無いので、部屋で干す以外ないのも梅雨
時や天候が悪い時は朝までには生乾きか?ただ、後に控える有名遍路宿に比べ
れば比較的清潔だが、トイレは和式のみ。最後に待ち受ける、2階の部屋への
ザックを担いでの「とても急で狭い階段」登りが最大の難所か!?
===================================
全ては、私の個人的判断です。

総合(Total)は、「T」
料理(Food)は、「F」
内装(Decor)は、「D」
サービス(Service)は、「S」
料金(Cost)は、平均的コストの「C」

評価は、
0~9 お粗末~可
10~15 可~良
16~19 良~優
20~25 優~秀
26~30 秀~完璧
===================================

今日はこの辺で。

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2 コメント

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いよいよ、貴兄の遍路の (KOYAMA)
2007-07-17 15:15:10
”総括”が始まりましたネ。

今後のパターンとしては以下の
ようなフォームでの展開ですか?

Ⅰ.『m番からn番までの推定』
Ⅱ.困難度(【1】から【5】までの
  5段階評価、【5】が最難関)
Ⅲ.x日目宿 「yyy(宿名称)」
  Tkk Fkk Dkk Skk C¥p,ppp
 (TFDSはレベル0から30までの
  5段階評価、Cは宿泊料金)

Ⅱ.とⅢ.は、まあ”実績”であり、感想
ですからいいとしても、Ⅱ.を再照合する
ために、Ⅰ.から書くのはなかなか大変だ
と思います。しかし、何方かが仰っていた
とおり、後に続く者への素晴らしい
”お接待”になると思います。
リアルタイムでの実況と事後総括の両方を
報告しているドキュメントは意外に少ない
と思います。引き続き、読ませていただき
たく、宜しくお願い致します。

出たとこ勝負 (歩かない遍路 らいた)
2007-07-17 22:11:59
健脚さんは、遍路をデータ化して誰にでも分かりやすいもの、理解しやすい形にしようとなさっているのでしょう。
遍路の入り口を広げる良い行為と思います。
誰しも分からないものには不安を感じますから、少しでも、ここはこうですよ、あそこはああですよ、と教えてもらい、理解できれば、無用の心配をせずに済みます。
区切り歩きを考えている人にも良いデータになると思います。

篆刻は般若心経のいくつかの語句を撰字。
「無眼界」を布字。

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