239．懐かしの'80年代（「ツッパリ」と「なめねこ」）

【「猫井かおり」さんの免許証】

　「ツッパリ」と「なめねこ」のハナシである。「なめねこって何？」
というかたは、こちら。それでは本題に入る前に、時代背景を手短に。

　1970年代の半ば、新左翼が内ゲバ状態になった頃、いわゆる「暴走
族集団」が台頭してきた。「ブラック・エンペラー」、「スペクター」
等ネーミングされた集団が、ヘアスタイルをパンチ，アイパーにし、
「ドクロ」「サソリ」マーク入りの愛車、族旗で土曜日の夜に「集会」
した。しかし1979年の新道路交通法の施行により、「族」は姿を消す
ことになる。そして主役は「ツッパリ」へと移行する。

　1980年代に台頭した「ツッパリ」は、そのヘアスタイルをリーゼン
トやオールバック（例外的にスポーツ刈りもいた）にバッチリきめて
いた。彼らは決して正面を向かない。写真では必ず斜めを向いている。
そんな彼らと視線が合うと、「なんか文句あんのかよ」または「なに
見てんだよ」と因縁をつけられることになる。そして彼らは常に集団
行動で「つるんでいた」のである。

　「族」にも「ツッパリ」にも共通的に崇拝されていたのが、「矢沢
永吉」である。ギター１本で上京し「ビッグ」になってしまったのだ。
やはり「永ちゃん」は偉大である。

　永ちゃんの後、ツッパリブームを支えた芸能人は横浜銀蠅、嶋大輔
杉本哲太、そして岩井さゆりであった。そしてお待ちどうさま。その
流れでキャラクター・グッズとして登場したのが、「なめねこ」なの
である。（って長いよ！）

　なめねこは、「なめんなよ！」をキャッチ・フレーズで大ブレイク
した。グッズのひとつに冒頭の写真に掲載した「免許証」があった。
「猫井かおり」さんは三輪車、原付、自転車の３つも取得しているの
だから、すごいものである。「又吉」をリーダーにした、なめねこの
ＬＰや写真集も発売され、それがまた売れに売れた。

　当時、「ツッパリ＝ロックン・ロール」というイメージがあったが
実は「追っかけ」が多かったなあ。彼らはアイドル好きだったのだ。
いかにも「それらしい」三原順子はもちろん、小泉今日子や中森明菜
に対する関心がひじょうに高かったかと思う。共通点は何だろうか。
これ以上は言えないので、このへんでおひらき。