地酒屋のロックンロール日記

酒好き・音楽好きの仕事がらみと個人事をつらづらと・・・

平成23年3月2日(水)  曇   「ちんぐ」、「確蔵」 重家酒造  

2011-03-02 19:33:56 | ちんぐ


こんにちは!「重家酒造」横山です!!



※読み応え有り!!! 熱い語りです!!


壱岐焼酎について

壱岐焼酎の話の前に、少し重家酒造の紹介をさせて頂きますね。重家酒造は、
大正13年(1924年)に初代 横山確蔵が、日本酒蔵と焼酎蔵2蔵を創業しました。
今年で87年を迎えさせて頂き、
現在は、父の横山省三(3代目)、兄の横山雄三(4代目杜氏)
太三(全国に壱岐島の魅力を伝える男:私)に受け継がれ、総勢7名の家業蔵です。

味ノマチダヤさんとは、10年以上のお付き合いになります。                             

蔵は、500石の小さな蔵ですが、大きな夢があります。                    

経営理念である

「伝統」(日本の國酒として、醸す:本物であり続ける)

「伝承」(伝統、文化を伝える:誇りを持つ)

「幸福」(携わった皆が喜び、感動を分かち合う:共存幸福である。)

を掲げ、重家酒造は、情熱・感謝の魂を入れて造った日本の國酒を通して、
日本(壱岐島)の文化、伝統に誇りを持ち、全国、全世界の後世に伝え、

飲む人、売る人、造る我々、農家の方、携わった皆が共に 喜び、感動を分かち合い幸せになることを目指しています。            

ちっちゃな家業蔵ですが、世界に誇れる蒸留酒蔵を目指しています。

 

壱岐焼酎は、皆様ご存知かと思いますが、平成7年に世界貿易機構のトリプス協定において、
「壱岐焼酎」・「球磨焼酎」・「琉球泡盛」・「薩摩焼酎」の4つの産地は、地理的表示の産地指定を受け、
世界のブランドの仲間入りしました。

ウイスキーでは、スコッチ・バーボン、ブランデーのコニャック・アルマニャック、ワインのボルドー・シャブリ・シャンパーニュも産地指定を受けています。

壱岐焼酎は、400年以上前から麦焼酎を造っており、麦焼酎発祥の地です。

壱岐独自の製法で、米麹に大麦をかけて仕込む麦焼酎は、
魚料理はもちろんどんな料理にも合わせやすい究極の食中酒です。

お湯割りにすると、壱岐焼酎の良さがすごく伝わると思いますが、
米麹のふくらみある甘みと麦の香ばしさが、最高ですよ。

ぜひ皆様、壱岐島、壱岐焼酎を応援してくださいね。

 

「ちんぐ」について

ちんぐは、壱岐島の方言でもあり、小さい頃から良い事も悪い事も一緒にやってきた親友(仲間)を意味します。

このちんぐを飲んで、真を語り、夢を描き、未来の子供達の世界が幸せで皆仲間(平和)になる事を願って2001年に発売いたしました。      

 「ちんぐ・白麹仕込み」  スッキリ 魚料理にピッタリ!

壱岐島で育った米(コシヒカリ)と二条大麦(ニシノホシ)の原料を100%で仕込んだ麦焼酎です。
麹は、昔ながらの室(むろ)で手麹造りし、かめで仕込んでいます。麦のほのかな香ばしさと、
口に含むと米麹の甘みが広がります。

おすすめの飲み方:

ロック・水割り・お湯割り   夏は、炭酸水でファーストドリンクとして(シュワッちんぐ)

合う料理:旬の魚ブリカマや鯛の荒炊きにちんぐ白のお湯割りか水割りで。                                                                                   今が旬で最高に合いますよ。

 

「ちんぐ・黒麹仕込み」  香ばしい 肉料理にピッタリ!

壱岐島で育った米(コシヒカリ)と二条大麦(ニシノホシ)と長崎県産六条大麦の原料を100%で仕込んだ麦焼酎です。
麹は、昔ながらの室(むろ)で手麹造りし、かめで仕込んでいます。
大麦の香ばしさと、口に含むと米麹の甘みが広がります。

おすすめの飲み方: 

ロック・水割り・お湯割り   冬は、前割り熱燗で(黒ちん熱燗)

合う料理:壱岐牛のタタキ・焼き鳥タレ味と黒ちん熱燗で。最高に合いますよ。

 

「確蔵」について

初代確蔵の名を取り、昭和初期確蔵の時代の焼酎を再現しました。

壱岐島で育った米(コシヒカリ)と二条大麦(ニシノホシ)の原料を100%で仕込んだ麦焼酎です。
昔ながらの常圧蒸留で、3年以上熟成させビンテージで毎年出荷しています。
ほんのり麦の香ばしさに米の甘みが広がり、熟成感がたまらなく旨いですよ。

おすすめの飲み方:

ストレートとチェイサーを添えて・常温の水割りがおすすめ                                                

合う料理:食後酒として、ちびちびと感動する映画を観ながら。

 

今後のビジョン:

幣蔵は、日本酒も平成2年まで造っていました。
残念ながら、杜氏がいなくなり、やむなく造りを止めなくてはならなくなりました。
壱岐島には、明治35に焼酎蔵38蔵、日本酒蔵17蔵ありましたが、
現在は、焼酎蔵7蔵、日本酒蔵2蔵になってしまいました。
残念ながら日本酒蔵2蔵共に製造をしておりません。

話が変わりますが先日、わたくし(太三)の4年生の長男元蔵の授業参観に行きました。
授業の内容が、『将来の夢』というタイトルで発表があり、
「将来、全国の人に愛される日本酒を造るのが夢です!」と発表した時、

焼酎ではなくて日本酒。

小学4年生ながら焼酎はもちろん日本酒に対する私の想いを気づいていたのかもしれません。

私が目の黒い間に、実現できるように頑張っていきたいと思います。 


はりきり企画部は熊本出身  小学校の時、家族旅行で「壱岐」へ夏行きました。



とても砂浜と海がきれいで、そこで食べた「うにめし」の旨さは未だに忘れられません。



猿岩  見えるでしょ

横山さんが造る「復活 日本酒!」 是非チャレンジしてほしいな~ 

 


平成18年1月30日(月) 晴れ 重家酒造 最終回

2006-01-30 08:26:37 | ちんぐ

壱岐焼酎 ちんぐの出来るまで  最終回

4回にわたりお届けしたレポートもいよいよ最終話です。
新婚ホヤホヤの横山 太三レポーターよりお願い致します。

24日目

蒸留

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二次もろみを、重家式蒸留機に入れ、蒸留します。
蒸留の仕方により、幅広い味、香りの焼酎になります。

重家式と呼ばれる特徴は蒸留機のわたりの部分に断熱材を巻いて
温度が下がらない様に工夫がしてあるそうです。
これによって味のしっかりした旨味のある焼酎が蒸留出来るそうです。

貯蔵

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蒸留した焼酎を検定し、ホーロータンクに数年貯蔵熟成させます。
この熟成がまろみとコクを生みます。

瓶詰め

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数年熟成させて焼酎を、和水し、現社長がもの心ついた時からあった
何十年も昔の瓶積め機で一本一本丁寧に瓶詰めします。

この瓶詰め機は歴史を感じさせます。推定50年以上
良い酒造りはいい道具も必要です。
でもものすごく手間がかかりそうです。 ご苦労様です。
そう思うと手元の「ちんぐ」一本が、
蔵人の思いまで詰められている気がしてきます。

ラベル貼り

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瓶詰めした焼酎を手で一本一本丁寧に気持ちを込めて貼ります。
右は黒麹で仕込んだ「黒・ちんぐ」です。

特約店様へ出荷

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壱岐の島から全国の特約店様に出荷します。

 

壱岐焼酎 ちんぐ出来上がり!!

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ちんぐ 呑まずして 人生を謳うなかれ
ふる里を想うなかれ 夢も描くなかれ
共に酒を喰いて 真を語るは
これ即ち ちんぐ 也  ちんぐ完成!!


平成18年1月23日(月)晴れ 重家酒造

2006-01-23 16:06:06 | ちんぐ
壱岐焼酎 ちんぐの出来るまで 第3回

今回は2日目よりの作業です。
レポートは引き続き横山 太三レポーターです


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一日目に盛った米を箱に移動し、三日目の朝まで温度管理をします。
適温で一定に保ち、二日目の夕方から温度を下げていきます。
温度を下げていく事により酸度が増します。

ちんぐは白麹を使います。

箱と言っても清酒でも使う箱より大分大きいです。

3日目 

出麹

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三日目の朝に米麹を室から出します。米麹の完成です。
少し食べてみると、しょっぱいです。これは、酸が出ている証拠です。

一次カメ仕込み

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約600Lのかめに米麹150Kgを仕込みます。
この時に、酵母を入れ、一次もろみを造っていきます。
なぜ、酸を出すのかというと、雑菌などを酸によって死滅させる
働きがあるからです。

清酒と違って乳酸菌は入れず行います。

一次仕込みは、あくまでも酵母の増殖期間です。
最終の仕込み温度は季節によって変わりますので、
結構神経を使います。(約1週間発酵)
壱岐焼酎は、米麹1/3・大麦2/3の製法となります。
3日目になるとボコボコ醗酵してきます。

ここで面白いのは40度ちょっとのお湯で酒母をたてるそうです。
土中に埋めたカメに仕込むと、もろみの温度が28度くらいになり
保温効果で温度はそれほど下がらずに醗酵までいくそうです。
よっぽど冷え込まない限り暖器は使わないそうです。

10日目 

二次仕込み

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一週間後、かめ2本分の一次もろみを
ホーロータンクに入れ、300Kg×2日=600Kgの大麦をこしきで蒸し、
木桶で仕込みます。(ここで約二週間発酵)
酵母が、麦をパクパク食べ、アルコールと炭酸ガスになります。

もろみの様子をみて酸の出方と度数が16~17度くらいで
蒸留に入るそうです。

ちなみに左記の写真は、私の結婚式前日の二次仕込みです。

他にはない記念撮影ですね
ご結婚おめでとうございます。

ちなみに結婚式の前日2人で仕込んだこの焼酎は
ウェディング仕込み焼酎として記念発売

の予定はないそうです・・・

                    つづく


平成18年1月20日(金) 晴れ  重家酒造

2006-01-20 20:16:53 | ちんぐ
壱岐焼酎 ちんぐの出来るまで 第2回

2回目「ちんぐレポート」をお送り致します。

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150kgの米を洗い、約3時間浸漬させます。
この時、浸漬が長すぎると、米の蒸し上がりが柔らかくなりすぎ、
麹が付きにくくなるので注意します。


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約1時間こしきで蒸します。蒸気の加減に注意し、
米の芯まで丁度よく蒸し上げるのがポイントです。
浸漬及び蒸しは、手麹造りの最のポイントです。

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蒸した米を木桶に入れて室(むろ)前へ移動します。
室が遠いと移動の作業も大変です。
大きな蔵はエアーシュターやベルトコンベアーで運んだりします。
横山専務も運んでいます。(画像・右)

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運んだ米をまずは適温まで冷やします。
その米に麹菌を振り、米を盛り、布で保温します。
この時の室(むろ)の温度は30度から35度位になります。
どの位乾燥させるかこの加減が難しいところです。

ここで一日目の作業は終了です。

                                  つづく 


平成18年1月6日(金) 曇 重家酒造

2006-01-06 18:37:39 | ちんぐ

新年度企画 壱岐焼酎 ちんぐができるまで!!」


今年より「重家酒造」の横山 太三さんの現場でのレポートにより
タイトルにもなっています「壱岐焼酎 ちんぐができるまで!!」
何回かに分けてこのブログでお伝えすることになりました。

まずはその第一回です。

「ちんぐ」重家酒造(長崎県・壱岐) 太三レポート 第一話 

風土を愛し、自然を愛し、壱岐の島を誇りに想う焼酎造り!!

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九州の北部の玄界灘に浮かぶ小さな島(壱岐)
三万二千人が住む壱岐の島の南東(印通寺浦)に壱岐の島の小さな蔵 重家酒造があります。
重家(おもや)の名前の由来はその昔、酒造元を「重家」と呼んでいたものをそのまま屋号にしたものです。
初代横山確蔵が大正13年(1924年)に創業し、
二代目横山梅子、三代目横山省三(現代表社員)そして四代目雄三、太三に受け継がれています。
初代確蔵からのいい伝えでもある「現代に左右されず、初心に返り原点にもどるべし」を受け継ぎ
現在もなお、木製こしきで米・麦を蒸し、かめで仕込んだ手造り焼酎を続けています。
製法だけでなく蔵人全員初心の気持ちで、風土を愛し、自然を愛し、壱岐の島を誇りに思い、焼酎造りを続けて参ります。

代表社員                横山省三    昭和13年生
専務(杜人)               横山雄三    昭和42年生
常務(商品開発販売責任者)     横山太三    昭和48年生
経理・事務                横山晃代    昭和42年生
蔵子                   野見山勝也  昭和58年生
 
計5名で、ちんぐを造っています。

麦焼酎発祥の地「壱岐の島」初代確蔵、二代目梅子、三代目省三、
そして今、四代目雄三、太三に壱岐の手造り焼酎が受け継がれています。
壱岐の島は麦焼酎発祥の地と知られ、壱岐焼酎は壱岐の文化の一つであります。
その文化の一つである壱岐焼酎を日本はもちろん世界にも発信し、
壱岐の風土、自然、そして島民の人がらをもっと多くの方に知っていただき
島民の子供たちに、もっと、壱岐の島を誇りに思ってほしい。
そう願って体を駆使してやれば必ず気持ちは通じると信じて。。。 


以上第一回レポートでした。

私も3年前の正月、家族旅行にて壱岐へ行きました。
ホテルの近くの酒屋さんに「確蔵」が3本だけ有り思わず買い占めてしまいました・・・・
泊まったホテルにも1990年の「確蔵」があり、夕食の炭火焼きの地元の魚介類と合わせて堪能致しました!! 
至福のひとときです。

では続きをお楽しみに