異 郷<o:p></o:p>
古木 怜
異郷に住みなれて幾年
消し忘れたかのように
心の片隅に息づく古里
茅葺き屋根の大きな古家
囲炉裏にかかる鉄瓶、土かまど
うら庭の一角に掘られたつるべ井戸
近くに桜の古木があった
うす紅色の花びらを庭一面に散りばめては
訪れた春を教えてくれた
人は長途の旅すがら
望郷の念閉じがたく異郷に老いる
異 郷<o:p></o:p>
古木 怜
異郷に住みなれて幾年
消し忘れたかのように
心の片隅に息づく古里
茅葺き屋根の大きな古家
囲炉裏にかかる鉄瓶、土かまど
うら庭の一角に掘られたつるべ井戸
近くに桜の古木があった
うす紅色の花びらを庭一面に散りばめては
訪れた春を教えてくれた
人は長途の旅すがら
望郷の念閉じがたく異郷に老いる