あいおらいと

主に、お友達への連絡用でたまに、日々を綴ったり…していたはずが、いつのまにやら作品置き場になりつつあります。

ちょっとしたもうそう

2016-01-31 22:17:29 | もうそうはきだし中
あいさいの日、なので。
あんまりそれっぽくはなりませんでしたが、とりあえず、どうぞ。


たどたどしいながらも自力で歩けるようになったから、外出時は子供の手を引いて、なるべく歩かせるようにしている。
そうは言って、不慮の事故で子供が怪我をしてしまうかもしれないし、あからさまに眉をひそめる輩もいるから、人の多い所だと必然的に子供を抱き抱えることになる。夫婦で外出している時は、それは主に僕の役目だ。
散歩がてら街を歩いていたら、商店街開催のイベントに出くわしてしまい、いつものようにひょいと子供を抱っこする。
とにかくこの流れから抜け出そうと彼女を見れば、何か言いたげな表情でこちらを見ている。
この子にとっては「母親」だけど、僕にとっては「子の母」であると同時に「妻」でもあるのだ。
初めての子育てに奮闘するうちに、いつの間にかお父さん、お母さんの役割がお互い身についてしまっていた。それはきっといいことなのだけど、いいことが常に最良とは限らない。
いつの間にか彼女を「子供のお母さん」という肩書きでしか見ていなかったことに、深く反省をする。
反省をしたら行動に移すべき。抱っこから肩車に切り替えれば、視界の良さに子供が喜んでくれたから、空いた手を心おきなく彼女へと差し出す。
久しく手を繋いでいないから、意味が通じなかったのだろう。差し出した手を不思議そうに眺めるばかりだ。
いつまでもこうしているのがじれったくなって、ほんの少し意地悪を言ってみる。
「お母さんがはぐれたら大変だろ?」
「ひどーい!」
口を尖らせながらも彼女は僕の手を取った。
歩きながら横目で彼女を見れば、どことなく嬉しそうな様子が垣間見えたから、きっとこの選択は正しかったのだろう。
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