そっけない魚と、まるい葉っぱ。

おしゃべりが、とても下手なのです。

④ 白衣の天使。

2017年03月06日 23時15分58秒 | 日記
幸か不幸か、たぶん不幸。

にぎやか過ぎる相部屋の正面に、
看護師たちの休憩室があったのだ。

緊張を強いられるナースステーションは遥か彼方にあり、
そこから勤務を終えたナースや、休憩を入れるナースたちが
廊下のはじっこにある その休憩室に入る寸前、

心は解き放たれてしまう。
素の言葉や、嘆きや、なんやらが
入室を果たす前に、聞こえてくる。

大人数を擁するステーションゆえ、
扉の向こうのざわめきも
聞き取れはしないが、「群れ」ている。

ああ、ナースの世界は大変だな。

女子の群れがとにかく苦手な私は
息子たちの学校生活時代、
保護者会や学校行事が嫌で仕方なかった。

女って、どうして群れるのか。不思議だった。
パパたちは、群れない。
孤独につっ立っている。私もそうしていたかった。
けれど、そう出来ない女は、あからさまに
はみでた印を捺される気がして仕方なかった。


ある日の午後だったと思う。

ナースステーションの横を通り過ぎた時
どこから聞こえたのか、確実に私の耳に残った
あるナースの苗字と、

「 5人しか担当していないのよ 」 と

悪意のある、その言葉。


その言われてしまった苗字のナースさんは
私のところにやってくる人だった。

よく話しかけてくれる、可憐な方で
隣のおばあちゃんとも気さくな会話をされていた。

患者が安心できるナースは、
一方で 同僚から妬まれていたのだ。

もちろん、あの輪の中で
自分に向けられた白い視線を
感じていないはずが無い。


クールなナースもいる。
聡明なナースもいる。
可愛らしいナースもいれば、
話しかけにくい、ナースもいる。

小さなステーションなのに、
いろんなナースさんがいた。
男性も数人いらした。

小さな社会がそこにあれば、
でこぼこした関係が存在するのも
仕方がない。

それを無視するくらいのバリアを
持てなければ、看護師の仕事って
出来ないのかもしれない。

以前、私が学校の職員室で息をしていた頃、
そういえば陰口をたたかれていた。
あからさまに、だった。
でも、あからさまにそれをやる先生というのは
女性であり、経験の浅い人でもあった。
ベテランは、聞こえないところで物申すのである。

そいつが明らかに意地の悪いアホだったので
相手にしなかった。

あのナースさんも、そんなふうに
ステーションで息をしているのだろうか。

個人病院のナースなら、もっと酸素が濃いだろうに。
なぜあの大きな病院で、彼女は頑張るのだろう。

そんなことを、考えたりもした日があった。

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