おコメの摩訶不思議

稲作農業の将来展望を考えます。
メールはroughriceの後に@mail.goo.ne.jpです。

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新潟コシヒカリIL

2005年02月17日 | なんでも
(注)以下について、事実と異なる場合は、
コメントに記載するか、roughrice@goo.jpまでメールをして、
ご指摘頂けるとありがたいです。
訂正すべきところは、訂正致します。

さて、本題に入ります。
コシヒカリIL、コシヒカリBLという品種は、遺伝的にはコシヒカリとは異なります。

しかしながら、
新潟では、コシヒカリILを県下全域で作付けし、
これを「コシヒカリ」として販売する取組みを行うとのことです。

これだけを端的に書くと、それって違法じゃないの?
という素朴な疑問が湧いてしまいます。

ところが、遺伝的にコシヒカリと異なっていても、
行政が、これをコシヒカリですよ、と認めてしまうと、
「こしひかり」と袋に表示して販売しても良いという制度になっています。

したがって、これは食品の表示を定めた法律の一つであるJAS法上、違法ではありません。


物事は、すべて、良い面と悪い面の両面を併せ持っています。
新潟のコシヒカリIL問題も、例外ではありません。

まず、良い面から考えてみましょう。
いもち病に強い、コシヒカリILという品種は、
田んぼで作る際に、農薬を減らすことができます。
病気に強いのですから、あえていもち病に効果のある農薬を散布しなくても良いからです。
使う農薬を減らすってことは、人間にも環境にも良いことですよね(^^)

もう一つ良い面があります。
「コシヒカリ」と「コシヒカリIL」は、遺伝的には異なります。
新潟では、これを「コシヒカリ」として販売するわけです。
(↑違法ではありませんからね)

言うまでもなく、新潟産は偽物が出るほど、人気の産地です。
しかし、残念なことに、偽物を判別するDNA鑑定という技術は、
品種の判別はできるのですが、産地までは特定できません。

そこで、コシヒカリILが、本格的に新潟で普及すれば、
新潟産と、それ以外の産地のコシヒカリが、DNA鑑定で区別できることになります。

一気に、偽の新潟コシヒカリを排除できるわけです。



でも、これって一種のパラドックスだと私は思います。

例えば、
ここに、「新潟産コシヒカリ」と「産地を偽装した新潟産コシヒカリ」があるとします。

「新潟産コシヒカリ」は、
確かに、新潟で獲れたお米ですが、品種は遺伝的にはコシヒカリILです。

一方、「産地を偽装した新潟産コシヒカリ」は、
産地は偽装されていますが、品種は確かにコシヒカリです。

前者は、適法で、
後者は、当然、違法です。

遺伝的な観点から、上記を言い換えると、
新潟という「産地」のブランドを偽物から守るため、
「品種」を遺伝的に、コシヒカリと異なるものにしたのです。

コシヒカリとコシヒカリILとが、食味的に同一なのか、あるいは異なるのかは、
私は食べたことがありませんので、わかりません。

このことの是非は、マーケットが決めるのでしょうね^^

もしかしたら、
コシヒカリILは、「コシヒカリIL」として表示した方が良いのでは、とも思います。
ILなら、農薬が少ない、というのが認知されれば、逆に付加価値が付いたりして。
そんなに甘くない??
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4 コメント

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新潟コシヒカリBL問題の摩訶不思議 (新潟県1コメ農家)
2005-02-24 00:55:30
記事中、新潟コシヒカリBLをコシヒカリとして販売することについて農水省が認めていることをもって、JAS法上違法ではないと書かれていますが、ちょっと待ってください。農水省の役人だってたまに間違いはするものです。役人の言うことをすぐ鵜呑みにするのは日本人の悪い癖です。



 新潟コシヒカリBL問題に対して私が抱いている摩訶不思議を箇条書きにすると

1 これだけ大きな問題にもかかわらずマスコミは不思議なほど取り上げていない。

2 新潟県以外のコシヒカリ産地から不思議なほど声が聞こえてこない。

3 日本には公的機関でコメ育種に関わる人達が大勢いるが、そういう人達から疑問の声が発せられた様子がない。

4 消費者はまだ大半の人が知らないからしかたないとしても、コメ流通業者は知っているはずなのに、不思議なほど反応が鈍い。

5 新潟県内のコメ農家は不思議なほど心配していない。

6 農水省や新潟県という巨大組織が何故こんな間違いを引き起こしてしまったのか。

7 そもそもこんな詐欺まがいの発想がどうして生まれたのか?



 不思議には必ずからくりがあるもので、そのからくりを追っていくと、「新潟コシヒカリBL物語」という本ができあがる?ほど奥が深い問題なのです。
こんばんは^^ (管理人taisa)
2005-02-24 19:46:57
新潟県1コメ農家さん、こんばんは(^^)

コメント頂きありがとうございます。



新潟県1コメ農家さんは、いろいろ事情をご存じのようですね^^

できれば、IL導入の経過など、差し支えない範囲で教えて頂ければありがたいです。



Unknown (新潟県1米屋)
2005-02-26 13:16:19
新潟コシヒカリBL1号~6号迄農林水産省に種苗登録されたということはそれぞれ品種名が違うということでは食品表示法から言えばブレンド米表示をしなければならないと考えられますが管理人さんはどう思いますか?赤信号なんなでわたれば怖くない主義ですか?
法律に関して (管理人taisa)
2005-02-27 00:43:59
新潟県1農家さん、こんばんは(^^)

あらかじめ、ご理解頂きたいのですが、

このHPは、できるだけ本音で書いています。

したがって、新潟県1農家さんが不快に感じられる答えかもしれませんし、また回答になってない、と感じられるかもしれません。

ただ、私は、嘘やおべんちゃらを書くことはできませんので、ご容赦願いたいと思います。



結論から申し上げますと、

BLに関しては、JAS法違反ではありません。



これは、JAS法の問題と一般的には思われていることの方が、逆に問題です。



JAS法の「玄米及び精米品質表示基準」では、

品種名を表示する場合、「証明」が必要です。

今のところは、農産物検査による産地品種銘柄の証明が、これに当たるとされています。



したがって、BLであっても、検査証明欄に「コシヒカリ」と証明があれば、JAS法上、コシヒカリと表示して良いことになります。



すでにお気づきのことと思いますが、

このようなことから、問題は「農産物検査」にあるわけです。



問題意識としては、

遺伝的にも種苗法的にも、

コシヒカリでないものを、

コシヒカリとして証明して良いのか?

ということになります。



これは、細かいことのようですが、

きわめて重要な問題です。

いったい誰に権限があり、決断を下したのか?

ということにつながるからです。



権限は、

JAS法を所管する消費安全局ではなく、

農産物検査を所管する総合食料局にあるわけです。



1回目の投稿の時に、新潟県1コメ農家さんは、

役人も間違うことがある、とご指摘されました。

間違うことがある、どころではなく、

間違いだらけなのが、お役人様です。

ただ、誤解して欲しくないのは、

役人だろうが、政治家だろうが、

人間であれば、誰もが、間違いをおかします。



私も、新潟県1コメ農家さんも、これをお読みの方々すべての人間に例外なく当てはまります。

間違いをおかさない人間は、この世には存在しません。



だから、私は間違いには寛容です。

やむを得ないと考えているからです。

大切なのは、間違いを修正することです。

残念ながら、行政という巨大な組織は、

一旦決定をしてしまうと、お役所は間違いをおかさないという、誤った前提の元、修正を加えることに抵抗を感じるようです。

これこそ修正すべき考え方でしょうね。



さて、前置きが長くなりましたが、



「コシヒカリ」と証明されたお米を仕入れた場合、

「コシヒカリ」と記載して、なんの問題もありません。

新潟県産の米を仕入れた善意の第三者が、

新潟県の取組みのケツを拭くようなマネをする必要はまったくありません。

BL1~6号がブレンドされていようが、「コシヒカリ」単品として取り扱えます。



繰り返しますが、

これは、新潟県の取組みです。

また、新潟県の農家の問題でもあります。



仕入れた米屋の問題ではありません。

(私は米屋ではありません。農家ですのでお間違いなく)



米屋は、検査の証明を信じて、

表示をするだけです。



むしろ、

ブレンドされた米を、

まるで単品であるかのように証明する検査官

単品であるかのように作付けし、出荷する農家

そして、これらを計画した新潟県



皆さんは、どのようにお感じでしょう?

農産物検査法の「農産物規格規定」では、品種の規定はされていませんので、遺伝的、種苗法的にコシヒカリではなくても、コシヒカリとして行政に認められれば、農産物検査法に違反するとは判断されないでしょうね。



仮に私が新潟県の農家だったとしたら、

おそらくBLは作付けしません。

理由は、決して倫理的なものではありません。

打算からです。



私は、収穫したコメのほとんどを自分で販売しています。

このような中で、来年からBLに切り替えるのは、非常にリスクが高いのです。

だから、そんな無茶なことはしません。



そう言う人は、決して少なくないのではないでしょうか?



赤信号はみんなで渡れば怖くないです。

日本人に限らず、人間心理に大差はありません。

しかし、赤信号で渡るのは、リスクが高いのです。

ムリにリスクを取る必要はありません。



もしかしたら、BLは市場で高い評価を勝ち取るかもしれません。

その時はじめて作付けします。



ジャンケンでも、後出しジャンケンの方が有利ですよね^^

ライブドアと楽天を見ていても、後出しの楽天が勝ちました。



BL問題は、法律の問題でもありますが、

最終的には、市場が決めます。

お客様が決めるんです。

これは新潟県にとっては、とってもリスクが高い取組みです。

しかし、成功すれば、新潟の価値は今まで以上に高くなるでしょうね。



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