YUNTAKU NOTE

『ゆんたく』とはウチナーグチで「おしゃべり」と言う意味。

御嶽(うたき)

2005年10月10日 | Weblog
沖縄には神道の原型を見ることが出来る。その良い例が御嶽(うたき)だ。
御嶽は神が降り立つ聖域で男子禁制である。聖域と言っても鳥居があるわけでもなく祭壇があるわけでもない。自然の石や岩や木々に神が降り立つとされている。
御嶽はグスク(城)の中にもある。というよりグスクそのものが御嶽という聖域を守る為に存在すると言ってよい。有名な首里グスク(首里城)内にも御嶽はある。ちなみに最も有名な斎場御嶽(せいふぁうたき)は世界遺産にも登録されている。

元々、日本にとって一神教の思想は存在しない。仏教のような外来宗教がそれをもたらしたのだ。日本における古来からの宗教観とは森羅万象あらゆる物に神が宿ると言う原始宗教だ。いわゆる八百万の神である。その後、シャーマニズムや神道へと発展し鳥居や祭壇が具現化された。

したがって日本人にはキリスト教やイスラム教などの唯一神を信仰する宗教観は今でも根付いていない。だから宗教戦争なんてわれわれには到底理解できない。
日本人には神様はたくさんいて当たり前だからである。

クリスマスを祝って、大晦日に寺の除夜の鐘を聴いて、年が明ければ神社で初詣をする・・・・何だか一貫性がないが、ほとんどの日本人は一つの神様をえこ贔屓しないのだから、それはそれで仕方がないのである。

このような日本人の精神的原点を見ることができるのが沖縄だ。
いまでも御嶽が多く存在し、そこにあるものは例え石一つ、枝一本も持ち帰ってはいけないとされているし、ちゃんと警告看板が立っている御嶽も多い。

沖縄の歴史文献など読んでいると、沖縄こそが日本の原点なのでは?と思うことが多々あるのが面白い。