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ドイツvsイタリア 『超えられなかったイタリアの壁』

2006年07月05日 | ワールドカップ (ドイツ大会)

■ ドイツ 対 イタリア


■ クリンスマン監督に疑問・・・

この試合、一言で言うなれば、「ドイツがイタリアの中盤、守備陣に徹底的に封じ込まれた」

今大会ドイツは、攻撃の形に幅がないような気がする。
例えば、スウェーデン戦で得点を挙げた時は、FWクローゼに縦のボールを入れて、ポドルスキーが狙うような形があった。しかし、それは一過性のものに過ぎなかった。
また、昔のドイツ代表が得意としていた両サイドからの攻撃も今回の代表メンバーでは、最後のクロスの精度を欠いていたような気がする。実際、この試合でもそうだった。

基本的に攻撃の形は、大きく分けて2つある。(どっちに比重が大きいかと考える)

1.前線の個々の選手の能力で勝負するチーム
2.組織的なサッカーで勝負するチーム

しかし、ドイツは、この両方が中途半端な感じが否めない。最多得点を挙げているクローゼのFWとしての得点力は個の力であるが、あくまでもチームの中のFWという一選手に過ぎない。
ロッペン(オランダ)やリケルメ(アルゼンチン)のようにチームの心臓となって牽引しているという訳ではない。また、FWクローゼの得点力を最大限に生かすようなサッカーをチームとしてしているとは、あまり感じない。
例えば、ウクライナ、メキシコ、スイスの方がドイツよりチームのFWを生かす為に“組織的なサッカーで勝負するチーム”という感じがする。

勿論、この試合では、イタリアの中盤でのプレスがかなり厳しかったのは分かる。しかし、それならそれで、クリンスマン監督は、別な方法論を打ち出すべきだったと思う。このようなことから私は、ずっとドイツの強さ(クリンスマン監督)に対して懐疑的だった。ここに、この試合での面白いデータがある。

【CK数】
イタリア:12本
ドイツ :4本


チーム全体として高さのある選手が多いドイツであるが、高さという武器を生かすチャンス(CK)を作れなかった。また、イタリアの方が3倍のCKを奪っている。つまり、ドイツは、サイドを切り込んで、結果CKを奪ったりというアクションが少なかったというわけである。また、シュート数でも違いが出ている。

【シュート数】
イタリア:15本
ドイツ :13本


守備的に見えたイタリアの方がシュート数でも、ドイツを上回っていたのである。

今大会、試合の流れを捉え、ノイビルなどの交代による采配に冴えていたクリンスマン監督。しかし、根本的なチーム作りという面では、いささか疑問を感じぜずにはいられない。また、この1年でチームが得たもの失ったものがあった・・・

■ 守備力と引き換えに失った攻撃力

今大会、開幕ゲームでドイツは、格下と思われたコスタリカに2失点を喫している(4-2で勝利)
その後、さまざまな所で言われていることだが、グループリーグ第2戦のポーランドとの試合以降ドイツのDFラインは、コスタリカ戦のようにDFラインの裏を取られないように低いDFラインを意識する、守備体型に変更した。
結果、準々決勝のアルゼンチン戦に1失点するまで、4試合無失点をキープした。実は、この守備の安定は、1年前のコンフェデレーションズカップの成績と比較すると一目瞭然である。

ドイツ代表/得点・失点

コンフェデ '05ドイツW杯 '06
試合数
得点1411
失点11
(コンフェデレーションズカップ'05では、3位決定戦までの5試合のデータ)

このように失点は、半分以下となっている。そういう意味では、付け焼刃の感がしたDFラインの修正は、正解と言える。しかし、ドイツは、この守備の安定と引き換えに攻撃力(得点力)を失った。

今大会ドイツは、イタリア戦を含めると6試合をこなしている。
例えば、コンフェデでも対オーストラリア(4-3)、対チュニジア(3-0)のように、格下相手には、今大会グループリーグでの 対コスタリカ(4-2)、対エクアドル(3-0)と似たような結果を出している。
そして、「得点」という数字上では、大きな違いのないように見えるデータだが、試合数が異なる。さらに、一試合平均得点として換算すると・・・

コンフェデ:2.8点
ドイツW杯:1.8点

3点近い一試合平均得点が2点を切るような結果となっている。

守備の安定を得たドイツだったが、結局、攻撃力(得点力)を失ったとデータでは言える。勿論、大会の位置付け、対戦相手のコンディションなど単純な比較にはならないが、チームの攻撃力という側面では、確実に何かを失ってしまったと言える。

■ イタリアの守備力

イタリアの守備力は、圧巻だった。守備には、大きく分けて2種類あるのだが・・・

1.対人守備力、2.組織的守備力

この試合でも、上記の能力の高さが見れたシーンが多々あった。
“対人守備力”ということであれば、1対1の場面では、ほとんどドイツの選手がイタリア選手を抜く事が出来なかった。個人名を挙げると、ザンブロッタ、カンナバーロは、素晴らしい守備をしていた。
“組織的守備力”ということであれば、ドイツにカウンターをさせない(遅攻)守備である。
他の方も書いているのですが、イタリアの攻撃のポイントは、左サイドのペロッタ、グロッソの上がりですね。あとは、ピルロ、トッティからの長短のパス。
ところが、ドイツの攻撃は、中央に集中していたような気がした。また、サイドチェンジが少なかった為イタリアの守備を崩す事が出来ず・・・時折、ドイツの左SBラームや後半から入ったシュバインシュタイガーもザンブロッタ、カンナバーロに押さえ込まれていた。

実は、この試合、延長までもつれ込むかな?とか考えていなかった。しかし、全体としては、ベスト4展望 - W杯 で書いたような結果となったと思われる。
一方イタリアは、これまで“1点取って逃げ切り”を得意としてきた。しかし、今大会は、単純に逃げ切るというよりは、“留めを刺して逃げ切る”そういう試合の方がいいパフォーマンスを見せてきた。特にウクライナ、チェコ戦では顕著だった。

ベスト4の戦い、ドイツが“カテナチオ”をして、イタリアが“留めを刺して逃げ切る”そんな試合が観られるかもしれない。だが、カテナチオをドイツがしたとしても、カテナチオ(かんぬき)を開ける方法を知っている本家イタリアが相手である。やはり、ドイツが“留めを刺して逃げ切る”方がいいのかもしれない・・・

ドイツがカテナチオを狙っていたとは思えないし、上記にも書いたように、結果的に試合を決められなかった。“攻撃力を失っていた”と言える。
しかし、イタリアは、予想したように、“留めを刺した!”
決勝戦、イタリアと当たるポルトガルorフランスは、先制点を取れなければ、PK戦まで持ち込むしか勝機がないと思う。イタリアが先制したら、逆転は不可能に近い。「6試合で得点11、失点1」という結果は、数字以上に今のイタリアの本当の強さを現していると思う。

≪追記≫
この試合NHKで予約録画していたのですが、延長戦観れませんでした。
例のミサイルニュースにより、ドイツ対イタリアの延長戦が高校野球のように教育テレビにシフトした為です(苦笑)
再放送をBSで録画して延長戦を観たので、UP遅くなりました。
…死ね!!北朝鮮!! 平壌を爆撃すればいいのに・・・



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