魯人の戯れ

詩嚢と謔笑 その他もろもろ
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ウシガエル 故郷へ帰る

2017-06-28 21:42:54 | 詩嚢
小さな 小さなどぶ川で遊んでいたウシガエル
モウモウと一人で鳴きながら仲間を呼んでたけれど
ここには牛はいないはず
そう思った人間が石をぶつけて排除しようとしたのです
なんだかそれでここが嫌になってぴょんと一足 飛んでみたのです

待ち受けるはジリジリするコンクリート
冷めない熱が手足を焼いてやっとどこかにダイブ
だけどもそれほど景色は変わらず
何日目かの日 何日目かの夜
大きな道にぶち当たり彼は立ちすくんでしまったのです

思いがけないスピードで走り去ってく塊は
ここから去っていくことをまるで許していないよう
だったらここに居た方が 
迷っている彼の背中を押す風が強く 強く吹いてきて
一跳び 二跳び 三跳びで何とか渡り切ったのです

大きな 大きな川に辿り着いたウシガエル
スイスイと泳ぎながら一緒に行く仲間を集って
どんどん下っていったのです
川下に近づいてく度に仲間は増えて
海が近づくころには水面を覆いつくしてしまうほど

人間はそれほど気付いていないけど
魚はちょっとびっくりしてて
悠々と海を泳いで行ったのです
そこで待ち受ける困難は数知れずそれを承知で前へと進み
ひとり またひとりと倒れながらも近付いていったのです

故郷へと辿り着いたウシガエル
そこで目にした光景はあまりにも残酷すぎるものでした
コンクリートに覆われていて水溜りはひとつもない
木々はたくさんあるけれど人に合わせたものばかり
そこでモウモウ鳴いてみても彼等は気付くこともなく

小さな 小さなあのどぶ川を思うことしか出来ないのです
その後彼等がどうなったのか
知る人々はいなくて

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