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『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』 (2014) / 日本

2014-06-01 | 邦画(あ行)


監督: 行定勲
原作: 西加奈子
出演: 芦田愛菜 、伊藤秀優 、青山美郷 、丸山隆平 、八嶋智人 、羽野晶紀 、いしだあゆみ 、平幹二朗 、中村ゆり 、谷村美月
試写会場: スペースFS汐留

公式サイトはこちら。


狭い団地で、毎日大きな円卓を囲むにぎやかな8人家族で暮らす琴子は、好奇心旺盛な小学3年生。気になった言葉や初めて知ることを「じゃぽにか(ジャポニカ学習帳)」に書き留めるのが日課で、個性的な家族やクラスメイト、担任のジビキ先生らに囲まれ、学校と家とその周辺の小さな世界で元気いっぱいに駆け回っていた。ようやく訪れた夏休み、お隣に住む仲良しのぽっさんがおばあちゃんの家に行ってしまい、ひとりで自由研究にいそしんでいた琴子に、最大のピンチが訪れる。(映画.comより)





完成披露試写会に行ってきました。
定員160人の会場に、応募総数何と16,000人だったそうです・・・。

上映前にトークイベント。芦田愛菜ちゃん、青山美郷さん、行定勲監督が登壇。
愛菜ちゃんはピンクのドレスで登場。客席一同「かわいい〜〜〜」と声が上がる。舞台挨拶の詳細はこちらから。↓

芦田愛菜、出演者のアドリブに苦戦「ドキドキ」
芦田愛菜がダークなヒロイン役「男子に向かっていくところは似てる」

愛菜ちゃん「私はみんなが話していると『何話してるの? 私も入れて〜』と言うタイプなんだけど、こっこは孤独でも気にしない」とのこと。「こっこは人と違うって思われがちだけど実はそうじゃなくて、こっこのような考えはみんなの中にもあると思う」的なことをお話ししてくれてました。今は小4で、これは去年の夏休みに撮影したということでリアルタイムの小3の時に撮ったもの。でもしっかりしてますねー彼女は。考え方がいい意味で大人なんだと思います。だから彼女は自分の演技もきちんと自分で演出できているようなところがある。『パシフィック・リム』もそうだったし、本作もそうでした。


小学3年生くらいだと、聞いた言葉を頭の中ですぐには受け止めきれない低学年時代からは少し成長してとりあえずその意味を考えるけど、それでもよくわからないので自分流に解釈したりしてたな・・・ などと、こっこの言動を見ていて思い出すわけですね。
「ものもらい」? 「めばちこ」? 大人の会話の中に出てくる言葉たちは、子どもにとっては当然わからないけど、そこに好奇心を持ってとことん追求したくなる気持ちは思い出しますね。それがタイトルにもある「イマジン」なんでしょう。大人や友達に尋ねると、ちゃんと受け止めてくれなくて妙な反応が返って来たりとかして、そんな時はとても空しくなったものだけど、この作品ではそんなこっこを温かく見守ってくれる人たちがいることにとても価値があるような気がします。

クラスメートは当然こっこのパターンを知っていて、現実だったら「変わってる子」ってレッテルを」貼られてしまうのかもしれないけど、それでも彼女を陰湿にいじめたりはしないし、またこっこ自身も強い(笑)言われたら言い返す、言われる前にあらかじめ決め台詞(「うっさいボケ!」)をかぶせちゃうのは大阪が舞台だからなのかもしれないけど、とにかく子どもたちが強くてたくましい。
小学生が主人公となると、従来では教室の生徒がちょこちょこと全員出てくるパターンが多いんだけど、これはそうじゃなくて何人かのメインの子どもをピックアップしている。もちろんそれ以外の子役ちゃんたちも当然出番はあるけどメインとなるのは愛菜ちゃん含め5名。その子たちのキャラクターと、こっことの繋がりをしっかりと描くことによって話に深みを出している。特に「ぽっさん」役の伊藤秀優くんが秀逸。彼の演技には思わずこちらもじぃんとしてしまったり。とにかく愛菜ちゃんが上手いので、メインの子役ちゃんたちもそれと釣り合うレベルが求められるんだけど、みんな堂々たる演技なのでこちらも安心して観ていられる。

そしてこっこの家族の目線の温かさもポイント。
空気を読めなさそうなこっこの突拍子もない発言が出てきたとしても、それを否定したり揚げ足を取ったりしない家族がいるだけで、子どもは心強くなれる。どんなにわからない質問が出てもそれは成長の一環として、どんと構えてくれる人たち。祖父母、両親、三つ子の姉(青山美郷さんが好演。)、それぞれが違う角度からこっこのことを見つめて心配して、思いやってくれている。
そしてタイトルにもなっている「円卓」の存在ですね。今時一般家庭で円卓使っている家ってそうそうないと思うんだけど、そもそも円卓を使う時点で家族の数が多くないといけない。核家族が殆どの今、祖父母と一緒に住むこと自体あまり聞かないし、あったとしても二世帯住宅とか、どうしても家族の数が多い分ぎすぎすしがち。現実はそうなのかもしれないけど、せめて映画の中だけでもこんなにゆるやかに、しかしながら泰然とした祖父母や両親がいてくれたらなという想いにとらわれる。

映画の中の人々はとても優しくて、自分の少女時代と比べてしまって「こっこの家族はいいなあ」などと思わず考えてしまったりもするんだけど、それでも小3の頃の自分はどうだったか、その時代を、温かい眼差しの祖母が一緒に住んでいた時代を振り返る。同じような感覚が蘇ってくるんですね。大人ぶってわからないことをわかると言ってみたり、逆に知らないことを一生懸命調べようとしたり、精一杯大人たちとクラスメートとの世界の中で生きていたあの頃。自分にないものを持っている子は当然いる訳で、特異な環境を羨ましく思ってしまったりしたこともあった。
周りへの憧れや、無邪気さに浸れる瑞々しいひと時を、何時の間にか忘れてしまっているんですね。そして大人になるにつれて、「平凡が一番」などとついつい考えてしまう。現実としてはそれで生きていくんだろうけど、それでも素直な疑問を表現していたあの頃の自分も、紛れもなく自分自身だった。周りと合わせないといけないと思い込んで成長してしまったけど、でもあの頃の自分も好きなはずなのだ。

子どもの目線に入ってくる風景をそのまま言葉で紡いだとしたら、本当は素敵な世界のはずなのにそれができなくなってしまっている現実がある。言葉は、想いはそれだけで価値のあるものなんだよということを、今一度思い出させてくれる。殺伐とした言葉が子ども達の間でもやり取りされ、家族との関係も潤いのない場合が多い現在だからこそ、こっこの選ぶ言葉が胸を打つ。もちろんこっこたちと同じ年代の子が観ても、テンポのいい会話が面白かったりするんだろうけど、あの頃の自分を忘れてしまっている多くの大人たちが観ても十分に通用する作品である。


★★★★ 4/5点




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こんばんは (ノラネコ)
2014-06-10 22:18:17
楽しんでいただけた様で何よりです。
イマジンという言葉を理解しようとする事から葛藤が始まる。
あの年代だけにしか成立しない、でも大人にとってもその頃を振り返ってみると、今の自分が色々見えてくる。
そんな作品に仕上がっていると思います。
伊藤秀優くんはドラえもんを実写化する時には是非のび太役でw
ノラネコさん (rose_chocolat)
2014-06-15 20:31:01
いろいろとありがとうございました。
>あの年代だけにしか成立しない、でも大人にとってもその頃を振り返ってみると、今の自分が色々見えてくる。
そうなんですよね。
懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
愛菜ちゃんはじめ、子役ちゃんたちの丁寧な演技が生きています。
すごい倍率! (sakurai)
2014-08-10 20:27:03
そこを勝ち抜く強さ!!!素晴らしい。
詳細は読んでなかったのですが、roseさんが結構いい感じに言ってるのを見て、見に行った次第です。
行定、苦手なんですが、これはなかなか彼臭くなくてよかったと思います。
それだけマナちゃんがすごいってことでしょうかね。

我が家、三世代ですが、もう子供も高校生一人だけ。。。
これがいなくなったら、完全に年寄りの生活。。。
核家族の生活にあこがれますわ。
sakuraiさん (rose_chocolat)
2014-08-10 20:50:14
>roseさんが結構いい感じに言ってるのを見て、見に行った次第
うわ〜 それはそれは、ありがとうございます。
責任重大ですね(汗)

今って本当に拡大家族がいなくなりましたもんね。
核家族、子が巣立ったら結構さびしいと思いますよ。
なんだかんだで人がたくさんいるとにぎやかでいいもんです。

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