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『永遠の0』

2013-12-31 | 邦画(あ行)
寄りによって昨年最後の鑑賞がこれだったとはねえ・・・。


思いっきりネタばれします。観賞予定の方あしからず。自己責任でお読みください。

あと、この作品のファンはここでお帰り下さい。不愉快になられても当方関知しません。










映画の内容云々、演技云々ということ以前に疑問が浮かぶ。
問題は、「大衆が何も考えずに無条件で受け入れる映画」ができ上がってしまったこと、そのこと自体だからだ。

観た人ほぼ大多数が、程度の差はあれど「絶賛」「許容」している映画って一体何だろう?

このテーマなら、人として従うのが当たり前
この俳優なら好感持って当たり前
この主題歌なら心に沁みて当たり前
この映像なら感動して当たり前

これらを全て集めれば、恐らくですが「無条件に大衆がいいという作品」ができ上がってくる。
それが本作で体現されたのです。
結局これが興行的に大成功を収めているということは、その試みが成功してしまったということになる。
これに美談だの真心だのを見出して感動して涙する、それはそれで個人の自由。
しかしながらそんなあなたは気がついていない。あなたは彼らの術中に無事落ちたということを。




そもそも作品中に完全におかしな部分があるのは(あるいは原作が変なのかもしれないが。読む予定なし)、多少映画を本数観ている人なら簡単にわかるはずだと思うのだが。
それよりも「感動」の方が上回ってしまっているため、プライドもあってか減点部分に触れられないじゃなかろうかとでも思うくらい、気味悪いくらい絶賛の嵐なのには正直驚いた。

宮部が何故特攻に志願してしまったのか。その部分が全く議論として欠けている。これは本作の根幹部分な為にどこで登場するかと思っていたのだけどついぞ語られないままに映画は終わる。
主人公・宮部久蔵は大戦に関しては冷静に見つめ、無駄に精神論に従い無駄死にするよりも、生きて後世の役に立て、家族の元に帰れと部下に説く。
そんな彼の姿勢は軍部の中ではもってのほかで(よくどさくさにまぎれて銃殺されなかったと思うレベル)、冷遇される(のに何故か出世はしている)。

「家族のために生きたい」が為に必死に死ぬことを回避してきた宮部。しかしながら本当に持論を貫きたかったらあくまでも特攻に志願しなければいいだけの話なのに、家族持ちの彼が志願した理由は「無力感」だけなのだろうか。特攻は基本独身者対象なので家族がいれば避けられる。しかも宮部は管理職なので志願する必要もない。強制もされないはず。
それがわざわざ志願した理由が、「自分では最早この闘いで将来のある若者たちを死なせないことはできない。これ以上周囲が死んでいくのを見たくないから、それなら自分が死のう」ということ? 正直、家族のために死にたくないのなら、極論だけど部下の死よりも家族の方が重いんじゃなかったっけ?とかなりのツッコミを入れざるを得ない。
宿舎?で死にそうな顔をして、まともに歩けなさそうな状態だったのに何故か志願、当日の朝は実にすっきりとした表情で憑きものが落ちたような顔というのも何か不自然じゃないですか?
そしてそこからいきなり他者に自分の家族を委ねるというアイデアが出たのは行き当たりばったりなのだろうか。そこもかなり矛盾している。

本作の最も嫌らしく感じる部分は、特にこれというテーマの位置づけをしていないにも関わらず、言外に内容に共感せしめたいという意図が透けて見えることだ。
「祖先の勇気」を隠れ蓑にしながら、巧妙に特攻を美談にすり替えること。観終わった後に感動にシフトさせること。この内容に逆らうこと、異を唱えることは許されない空気を作り出す。その要素に一役買っているのは映像であり音楽でもある。美男美女、見識のある俳優を起用し、すごいと言わせる映像効果を繰り出し、誰にでも郷愁を誘うテーマ曲を選べば、あとはもう何もすることはない。何故なら日本人は完全に「考えない」ことが日常化しているからだ。

かくして「大衆を操れる映画」というものが完成した。実験だったとしても大成功だろう。
もし今後このような傾向の作品しか許可されない時代が来てしまったとしても、映画を見る時に「自分の感性で選ぶこと」をせず、映画鑑賞とは「マスコミに先導された劇場版映画をシネコンで見ること」としか認識してないのならば、何の疑問もなくきっと無条件で従うんでしょう。








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