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【ららヨコハマ映画祭2012】『歓待』 (2010) / 日本

2012-03-25 | 邦画(か行・さ行)


監督: 深田晃司
出演: 山内健司 、杉野希妃 、古舘寛治

2010年東京国際映画祭日本映画・ある視点部門作品賞受賞

映画『歓待』公式サイトはこちら。

「ららヨコハマ映画祭2012」お知らせ(CINEMA TOPICS ONLINEより)


ずーっとずーっと見たかった本作なんですが、昨年公開時には時間が合わなくてついに鑑賞を逃してしまっていたのでした。 (レイトショーばかりだったので)
今回、「ららヨコハマ映画祭2012」で「ヨコハマ映画祭ベストセレクション2012」としてスクリーンでかかることがわかり、これを逃したらいかん!という気持ちで行ってきました。



「歓待」というからには何かを歓迎するのか? とか思う訳なんですけどこれは全く逆。
「日常生活に少しずつ少しずつ歓迎されざる者たちが侵入してきて、いつの間にか自分たちの生活が乗っ取られていた」という話です。
加川が小林家に入り込んできた目的はあったのか、なかったのか? と映画を観終わって考えたのですが、最初に昔の知己だと説明をしていたけど、もしかしたら彼は偶然ではなく狙いを定めて小林家に来たのかもしれません。


誰にだって、どこの家にだってある「弱み」。 そこだけは絶対に他人に知られたくないとひた隠しにしていても、ふとした拍子に自分の知らないところでそれが露見し、また広がっていったとしたらかなり恐ろしい話でもあります。
本作はその心理状態をうまく利用しています。 秘密を知られたくない代償として受け入れざるを得なくさせる。 一種の脅迫めいた行動だけど傍目にはそれを脅迫と思わせないトリック。 
「いい人」の顔をして、裏腹に人を貶めているのは全ての人の中にある欲望なのかもしれません。 加川も小林も、そして近所のおばちゃんたちでさえも、一歩間違ったら心の裏側をさらけだす存在になってしまうのでしょう。 
そういう意味での恐ろしさを感じさせつつも、雲散霧消させることによってそれは思わぬきっかけで解消されることもあるかもしれないし、あるいはまたそこから新たな侵入が始まっていくのかもしれないし・・・と予測させることができるのも非常に面白い。



終映後、主演の杉野希妃さんにおるトークショーがありました。
ご両親がともに韓国の方という背景を持って育った杉野さん。 「型にはまるのが苦手」と仰せで、それは彼女が単に女優としてだけではなく、プロデューサーを兼ねているということにも繋がってきます。
例えばこの『歓待』でもプロデューサーとして役者同士で場面場面での効果などを話し合ったり、お互いに演技指導していったり、などしていたそうです。
日本の映画だとプロデューサー兼務する女優さんは少ないだけに、杉野さんがその慣例を踏まずにどんどん積極的に映画の本質や内面から関わり合い、究めたいという姿勢が伝わってくるのは、日本の映画界にもいい影響をもたらすのではないかと思います。
「ボーダーを超えたいんです。固定観念も。 そして戦争や差別もなくなってほしい」 という彼女の言葉にはとても重みを感じました。

「イ・チャンドン監督、キム・ギドク監督作品のように普遍的なもの、痛みを感じてこそ人は生きたいという実感を持つような、そんな映画が好きです」と仰せの杉野さん。
他にも「ヤスミン・アフマド監督作品のように、生と死が共存しているものも好き。 生きている自分の側には常に死があるということを実感させられる」と。 
そういえば『歓待』もどことなく相反するものが同居しているような作風でした。 そのambivalentな部分を、彼女はこれからも映画の中に追求し、取り入れていく作業をしていくのでしょう。
昨年の東京国際映画祭でも杉野さんの特集があり、こちらは残念ながら見逃しているのですけど、彼女の他の作品も観てみたくなりました。
ちょっと今後注目の女優さんですね。


★★★★☆ 4.5/5点



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2 Comments

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 (とらねこ)
2012-04-07 16:16:21
こんにちは、roseさん
これ、変わった物語で目が離せなかったです。不思議な物語のようなのですが、その実不法移民問題なんかも取り扱っていて、一癖も二癖もある物語でしたね。
これ、私は去年のベストに入れた作品でした。他に誰もそんな人はいなかったんですがw
とらねこさん (rose_chocolat)
2012-04-15 10:19:50
うんうん、これ去年鑑賞してたら邦画の1位にしたかもね。
すごいそれわかります。
こんなに怪しいけど目が離せない話ってそうそうできませんよね。 よかったです。

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