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『マイ・バック・ページ』 (2011) / 日本

2011-06-03 | 邦画(は行・ま行)



監督: 山下敦弘
出演: 妻夫木聡 、松山ケンイチ 、忽那汐里 、石橋杏奈 、韓英恵

公式サイトはこちら。


またまた鑑賞してから半月以上経過してしまいました。 原作未読。
これはジャーナリスト川本三郎氏の、ほぼ自伝なんですね。
読んでみたくなりました。

川本三郎 wiki




スクープが欲しい。
一人前になりたい、認められたい。
そのエゴがぶつかり合うとどうなるか、という映画でしたね。


自分が目の前の瑣末なこと、欲望、目的のために人を利用する。
しかしながら、踏み台にして利用したはずの人が着実に足元を固めて前に進んでいる。
それに引き換え、結局自分には何も残っていなかったとしたら。
自己利益のために人を利用した結末は実にほろ苦い。


沢田が梅山に対して行ったこと。 最初はもちろんスクープ目当てだった訳ですが、
次第に梅山に協力していきたいという気持ちが出てきてしまう。
それは、学生運動に遅れてやってきた梅山が成し遂げたいことが、
学生運動に先んじて生きてしまった沢田にとっては、眩しく感じられたに他ならない。
時代に先行したまま大人にならざるを得なかった自分にとって、梅山が画策していることは
もしかしたらこれから一つのヤマを見せてくれるんじゃないだろうか、そしてそれに自分も微力ながら
力添えできるんじゃないだろうかという、淡い期待。


ただしそこにはマスコミの厭らしさっていうのもあるわけで。
どうしてか。
いい記事が書きたいという想いが常にあるせいか、その裏返しで
手段を選ばなくなってしまう側面も大いにある。
雑誌の存続が常に目の前にぶら下がっている以上は、読者が食いつく記事を追わないといけない。
その意識も沢田の中には大いにあったように思う。
例えその計画が、倉田眞子が指摘するところの「嫌な感じがする」ものだったとしても、
これだけ自分の欲を満たしてくれる「ネタ」であれば、もう後に引き下がることなど考えられなかったはず。


そして梅山の中にあった「欺瞞」。
これに気が付かせずに進んだということでは、梅山の役者ぶりも大したものなんだなあと思わざるを得ない。
よくよく考えてみれば、学生運動の主張そのものが実に幼稚なものだけに、
その幻想だとかからくりの中に閉じ込められてしまった若者たちは気の毒としか思えないし、
その上に、実際は望んでもいなかった大罪を犯す羽目になろうとは。
全ては幻想から醒めた時に深く己を悔やむこととなるのでしょう。
そしてそれを煽動した梅山の罪は大きいけど、それはあたかも最初からなかったかのように
振る舞っていくのだろうか。



松ケンは、この「欺瞞」ということを踏まえて演技していました。
『ノルウェイの森』と同時代なだけに、違和感無かったですね。
あの時代の、まるで違う側面を演じているだけに、彼がつくづくはまってたなあと。


そして妻夫木くん、最後の長回し、
あんなに演技できるんですね。 ずいぶん役者として成長したと思いました。
それだけでもこの映画観る価値はあると思います。


あと補足ですが。
倉田眞子のモデルとなった保倉幸恵さんの生涯も壮絶なものでした。
繊細な方だったんでしょうか。 前途ある若者が死を選ぶことは胸が痛いです。




★★★★☆ 4.5/5点




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6 Comments

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Unknown (さいしょ)
2011-06-20 10:09:07
時代は違えど、今回の大震災でのマスコミのあり方含め考えさせられますね。報道と言えども経済活動であるということでの手かせ足かせと言えば良いのか・・・。
ブラックスワンも見てないし、少し映画から遠ざかってる日々(涙)こちらも非常に気になる作品です。
さいしょさん (rose_chocolat)
2011-06-20 10:17:21
今年はもう水曜日がアウトなんで、去年のように自由に映画に行けないのが玉に傷なんですよねー。
ブラック・スワンも、これもよかったのでぜひご覧いただきたいんですけどね~。

マスコミたるもの、大衆の興味を引かないといけないのは承知ですが、
その裏で、人を無視した報道があるのも事実。

本作では、肩入れしてはいけない人物に魅せられてしまうという、反対の事例があります。
マスコミ人である前に人間である以上、これもあり得る話なんで、難しいですね。
 (とらねこ)
2011-06-21 02:34:10
roseさん、こんばんは。
松ケンは梅山役、ハマっていましたね。ノルウェイと同時代でありながら、正反対の役柄。
見事だったと思います。

時間が経っちゃうと、ブログ記事を書くのが億劫になってしまいますよね。
でも、意外と書かないと忘れてしまったりして。
私も、twitterはほどほどにして、映画記事の方を出来るだけ書くようにしようかなあ、なんて思ったりしてます。
とらねこさん (rose_chocolat)
2011-06-22 06:01:52
松ケン、この時代がどんぴしゃなんですよね。
他の題材でもハマってそうな気がします。

そうそう。
blog放置なんですよね(苦笑)
ツイッターは移動中にも見れるけど、ブログは落ち着かないと書けないしね~
こんばんは (はらやん)
2012-04-10 20:39:31
rose_chocolatさん、こんばんは!

>梅山の中にあった「欺瞞」
この「欺瞞」は周りの人だけでなくて、本人自身も騙されていたのだと思うのですよね。
自分で自分を騙してしまっているというか。
梅山が捕まっても、自分は間違っていないというような感じでいるのは、それだからだと思いました。
自分の中ではあまり矛盾がないのでしょうね。
妻夫木くん、以前はそれほどうまい役者だとは思っていなかったのですけれど、「悪人」を観てから、いい演技をするなと思うようになりました。
本作もおっしゃるラストのカットとかは良くって。
なんか役者として一皮むけた感じがしますね、最近。
はらやんさん (rose_chocolat)
2012-04-15 10:03:33
梅山本人も、自分が繰り出す理想に酔っていたのかもしれませんね。
彼に出会ってしまった人にも悲劇をもたらしてしまったので、不運としか言いようがないのだけど。

ラストの妻夫木くんよかったですよね。 彼の成長を観ました。

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