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伊勢神宮という名のタイムカプセル

2007年05月06日 23時46分10秒 | 旅行・外出
  連休中に伊勢神宮に行って参りました。

  「伊勢神宮」というのは俗称で、本来は、単に「神宮」と呼ばれています。皇大神宮(こうたいじんぐう)豊受大神宮(とようけだいじんぐう)という二つの建物と、多数の別宮から構成されています。二つの大きな建物のうち、前者を「内宮(ないくう)」、後者を「外宮(げくう)」と呼ぶのが通例です。
  正直に申し上げて、神道には今まであまり興味がなかったのですが、後で述べるように、この神宮こそが日本文明の生き証人だという気がして、見に行ってみようということになりました。
  
  一応、外宮から回るのが本筋らしいので、JR伊勢市駅前にあるそちらの建物にまず赴きました。
  
  多賀宮、土宮といった別宮にいくつかお参りした後、いよいよ本丸(笑)である本宮へ。



  白い簾(すだれ)みたいなものがあって、奥はよく見えません。風が吹いてちょっと覗けたのですが、ちょうど山門のような建造物があり、全容はまったくつかめませんでした。

  どうやら、「中は秘密」ということのようです。

  面白いのは、こちらの神様=大豊受大御神(おおとようけおおみかみ)は、内宮に祀られている天照大神(あまてらすおおみかみ)の食事の世話をするために丹波地方から呼ばれた神様だということです。今風にいえば、専属コックとでも言うのでしょうか。神様とはいえ、食事には気を遣うのだと思うと、何か親しみが湧いてきます。

  では、いよいよ内宮へ向かいます。

  伊勢市中心部から、ものすごい渋滞を我慢してたどり着きました。門前には仲見世のような市街が広がっており、えらい賑わいようです。松坂牛の串焼きや、名物「赤福」の店、三重県の物産を扱う店がずらりと並んでいます。



  銀行も、門前町モード(笑)ですね。

  江戸時代には「お伊勢参り」というのが、江戸の庶民の最大のレジャーだったといいます。昔の人も、ここで買い物や食べ歩きを楽しんだのでしょう。

  内宮は、しばらく山を登るとたどり着きます。



  すごい人手です。貧血で一人がひっくり返ったら、大変なことになりそうですね。●『戦艦ポチョムキン』というソ連映画で出てきたオデッサ市内の階段を思い出したのは私だけで・・・すね(笑)。
  若い人も子供連れも、明らかに日本人ではない白人の方もいらっしゃいました。これから内宮の神様に何か祈ることがある人も、単に手を合わせてみようというだけの人もいるでしょう。しかし、そんなまちまちな人々を、神道の神様は、誰でも受け容れてくれるのです。

  画像を見ればおわかりでしょうが、内宮もやっぱり奥は秘密でした。

  悔しいので、塀によじ登れそうなところがないか探しましたが、要所要所に係りの人が張り付いているので、とてもできそうにありません。
  
  しかたなく、少しだけ内宮の建物が覗けているところを見つけて写真に収めておきました。



  なんか、歴史の授業で習う「高床式倉庫」みたいな感じですね(本当に、高床式倉庫から発展した形式らしい)。京都にあるような大きな神社とずいぶん違う感じがするのは私だけでしょうか。

  そこで、ふっと思ったことがあります。

  この伊勢神宮という場所は、おそらく日本で唯一のいつ作られたか分かっていない現存する宗教施設です。いちおう日本書紀によると内宮が垂仁天皇26年、外宮が雄略天皇22年だという記述がありますが、このお二方はいずれも実在性が立証されていません。
  しかし、間違いないことは、伊勢神宮は日本という国家が成立するはるか昔から存在し続けているということです。
  その伊勢神宮には、●式年遷宮という、他の神社にない独特の行事があります。20年ごとに、建物を建て替えるというものです。なぜ、そんなことをするのか、本当の理由はわかっていません。記録が残っていないからです。しかし、この行事自体は、持統天皇4年(690)から、ほとんど中断することなく行われています。
  つまり、伊勢神宮という「聖地」は、我が国の歴史が始まったときから、何度も脱皮を繰り返しつつ、はるか昔の日本の建築様式、文化のかたちを伝える存在だということです。

  よければ、もう一度内宮の画像をご覧になって下さい。  
  
  私の妄想なのかも知れませんが、このような内宮とその周囲の森の姿を見ていると、この国の始まりの頃の姿が目に浮かんでくるのです。

  厳しい自然環境にあっても、それと調和する方法を懸命に探り、アマキミと呼ばれるリーダーのもと、みんなで力を合わせて暮らしていた私たちの祖先たち・・・。

  私は、残念ながら神道について詳しいことはわかりません。しかし、伊勢神宮が皇室の氏神であり、日本人の総氏神であるとされている本当の理由は、この神宮こそが、日本文明の黎明期を物語るタイムカプセルの役割を果たしているからなのではないかと思うのです。
  地球環境が悪化の一途を辿っているということで、環境保護につながるような運動をしている方も沢山います。しかし、どうもその中身を見てみると、ゴミを化学的な方法で無理矢理リサイクルしたり、二酸化炭素とかフロンだとか目に見えないものについて議論する観念的な作業だったりします。
  そんなことに目くじらを立てるより、この伊勢神宮という場所を訪れるべきです。そして、この神宮が今まで続いてきたことの意味、祖先達が私たちに訴えたかった何かに耳を傾けてみてほしいと思います。
  それが、混迷する社会の中で、日本人として、一人の人間として生きていく道しるべになるかもしれません。

  次回は、旅行中に考えた、もう少し俗っぽい話でも書こうと思います。
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2 コメント

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修学旅行の地に (さくらこ)
2007-05-13 15:27:29
伊勢神宮にそんなにたくさんの方がお参りされているのですね。
大阪では私が子供の頃は小学校の修学旅行といえば伊勢志摩方面でした。今はパルケエスパーニャという遊園地です。遊園地で遊ばせることはもう終わりにして、伊勢神宮にお参りし、日本の歴史に思いをはせる教育的な修学旅行に戻してほしいものだと思います。
>>さくらこさん (ろろ)
2007-05-13 17:28:29
そのとおりですね。

渡来人や西欧文明の影響を受ける前の、本当の日本文明のあり方を伝えるという神宮の意義は、いくら強調してもしすぎることはありませんね。

そもそも、スペインのことなんて学んでどうしようと言うんでしょうね。ペルーから来る外国人労働者のことをわかってやれとでも言いたいんでしょうか。

暴論かも知れませんが、私は国際化や異文化理解なんて懲り懲りですね。まず、自分が何者なのかを知らなくてどうしようというのか。

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