北に向かって、R176

Bob Dylan のことや、そのほか、いろいろ

百合と迷迭香と杰克的心

2017-07-16 05:52:33 | Dylan

春節が終わって、青年団はこぞって堕落的な事を企んでいた

キャバレーは、壁のドリルの音以外は静かだった

門限は既に破られていて、賭場のルーレットも閉店していた

何らかの判断力を持った者達は、すでに帰ってしまっていた

彼は玄関のところで、ハートのジャックのようにつっ立っていた



彼は鏡ばりの部屋を横切って、「みんな、準備をしろ」と言った

すると、みんなは、彼が振り返るより先に、行動をとり始めた

すると、彼は一人の新入りの所に歩み寄り、ニヤつきながら尋ねた

「ちょっと詳しく教えて貰ってもいいかな、友よ、ショーは何時から始まるんだい?」

すると、彼は部屋の角まで行って、ハートのジャックのように俯いた



舞台裏、女の子たちが階段のところで "ファイブカード・スタッド" をして遊んでいた

リリーは2枚のクィーンを手にしていた、そして、彼女は三枚目のペアを望んでいた

表通りは混雑していて、窓が大きく開かれていた

優しい風が吹いてきた、君は部屋の中でもそれを感じただろう

リリーが別のもう一枚を要求したが、ハートのジャックを引いてしまった



大男のジムは馬鹿じゃなかった、その街で唯一のダイヤモンドは自分が持っているものだと彼は言った

彼は、ボディガードと銀のステッキと綺麗に整髪された頭でもって、

いつものご登場を、とてもお洒落で素敵なものに仕上げた

彼は、自分が望んだ物や儲けのすべてを浪費した

でも、彼のボディガードや銀のステッキは、ハートのジャックには似合わない



ローズマリーは、彼女の髪を櫛でとき、馬車を拾って町まで出かけた

彼女は、まるで道化のいないクィーンのように、横のドアから乗り込んだ

彼女はつけ睫毛をバタバタさせて、彼の耳元で囁いた

「ごめんなさい、あなた、おくれちゃったわ」でも、彼には聞こえなかったようだ

彼は、ハートのジャックがいる空間をジロジロと見ていた



「私は以前にあの顔を見た覚えがある」、大男のジムは自問自答していた

「たしか、メキシコに行った時か、誰かの本棚の写真で、だ」

でも結局、群衆は足を踏み鳴らしはじめ、屋敷の照明は暗転した

そして、部屋の暗闇の中、ジムと彼だけがいた

まさにハートのジャックが描いた蝶をじっと見つめながら



リリーは王女様で、彼女は色白で子供のように可愛かった

彼女は自分のやりたい事は何でもやったし、彼女が微笑んだ事はいつも現実となった

彼女は、壊された家から遠くやって来て、不思議なものをたくさん持っていた

どこにいても、彼女に人生のすべてを捧げた男たちと一緒に、

でも、彼女は結局、ハートのジャックにそっくりな者には出会えなかった



暗黙に絞首刑の判決が言い渡される時がやって来て、ワインを飲んで食事をした

壁の中のドリルの音は続いていたが、だれも全く気にしていなかった

それに気づいたのは、リリーがジムからの電話に出ていた時だけだった

そして、リリーとキングの間には何もやってこなかっただろう

いいや、たぶんハートのジャック以外には



ローズマリーは激しく酒をあおり始め、ナイフに映る彼女の姿が見えた

彼女は緊張のあまり疲れていた、大男のジムの奥さんのサイコロゲームに疲れていた

彼女はたくさんの悪事を働いてきた、時には虐殺さえも試そうとした

それは、彼女が死ぬ前には素晴らしい偉業のように見られていたが

彼女は未来の事を考えていた、ハートのジャックに跨りながら



リリーは顔を洗って、服を脱ぎ、それを葬り去った

「あなたの幸運は逃げてしまったの?」、彼女は彼を嘲笑った、「そうさ、

君はいつかその事に気づくべきだ、

壁に触れないよう注意しなさい、そこはペンキ塗りたてだって事を

君がまだ生きている事を知って僕は嬉しいよ。君は聖者のようだ」

廊下を行く足取りは、ハートのジャックの所へ向かっていた



舞台裏の管理人は、彼の椅子の周りをウロウロしていた

「ついにおかしな何かが始まりました」、彼が言った、「私には、ここにそれがあるのが分かります」

かれは、絞首刑の判決を受け取りに行った、でも、絞首刑の判事は酒を飲まされていた

ラマ僧のコスプレをした主演俳優を急がせている時にも、

ハートのジャック以上の俳優はどこにもいなかった



リリーの腕は、彼女が親しげに触れて愛した男たちの心をがっちり捕まえていた

彼女は、彼女を一生懸命追いかけたが、彼女に受け入れられなかった男について全部忘れてしまった

「あなたがとても恋しいわ」、彼女は彼に言った、そして彼は彼女を誠実に感じた

でも本当は、ドアの陰で、彼は嫉妬をと恐怖を感じていた

それはまさに、ハートのジャックの人生における別の闇でもあった



そいつはあっと言う間に起こった、と彼らが言った事以外は、誰も事件の内容を知らなかった

衣裳部屋のドアはけ破られていて、冷たいリボルバーがカチっと鳴った

大男のジムがそこに立っていた、お前は驚きの声すら上げられない

ローズマリーは彼の右隣にいたが、彼女の目は冷静だった

彼女は大男のジムと一緒だったが、ハートのジャックの事を頼りにしていた



青年団は結局、壁に2つのドアをこさえてしまった

そして無事に世界銀行を掃除した、その事は、静かなる江沢民の仕業だ、と噂された

河床のわきの暗闇の中、彼らは土のうえ、

もう一人、町まで一仕事しに戻った仲間を待っていた

でも、彼らは、ハートのジャック無しでは、それ以上進めなかった



次の日は絞首刑の日だ、空は曇り、真っ黒

大男のジムが床を覆っていた、背中をペンナイフで刺されて殺されていたのだ

そしてローズマリーは絞首台の上で、彼女は瞬きさえしていなかった

絞首刑は本当に酔いがさめる、だから彼は酒を飲んだりはしなかった

そのシーンで唯一ミスをした人物は、ハートのジャックだった



キャバレーは空っぽで、落書きがこう告げていた、「改装につき閉店」

リリーはすでに、彼女の髪の毛から染色を抜いていた

彼女は父親の事を考えていた、彼にはめったに会った事が無かった

ローズマリーの事を考え、そして法律の事を考えた

でも、彼女が一番考えていたのは、ハートのジャックの事だった











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