蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

傘を売る   (bon)

2015-01-08 | 日々雑感、散策、旅行

 一昨日(1/6)は、二十四節気の “小寒” で、寒に入りました。 
 太平洋側では、それこそ晴れの日が多く、これから立春までが一年でも最も寒い “” となります。 こんな
雨の少ない時期の話題として、相応しいのかどうかわかりませんが、いつものH氏から配信されるメールに面白い
記事がありましたのでご紹介したいと思いました。

 何かしら、昔、子供の頃(終戦直後)傘が無くて、学校にも行きづらかった記憶がありますが、最近では、どこの
家庭にも何本も傘があって、それも大きな傘の他、携帯用の傘なども何本もあって、我が家でも、ついぞ傘のこと
などに目が行かなかったのですが、そういえば、デパートやスーパーなどでもカラフルな傘がたくさん売られて
いるのには気が付いていました。 しかし、気が付いているだけ・・でしたが、この記事を見て、“なるほど” 
最近の流れみたいなことの一面が分かったような気がしました。

 このメーカーは、㈱シューズセレクションで、ブランド名を “ウオーターフロント” といって、そこのHPを開いてみると、
さらに驚きがいっぱいありました。
製品の一部の紹介欄には、「薄い、細い、短い、軽い、和柄、16・24本骨、オートマチック、1枚張り、機能、
トウィーティー、バラエティ、ご当地傘、UV PROTECT、キッズ、ビニール傘
」などの項目があり、それぞれに
何点かの傘が紹介されています。 価格も500円程度から3000円位で、大変お手軽。 
何やら、宣伝しているような感じですが、HPからの印象です。
ちなみに、シューズセレクションのシューズは、靴ではなく、SHU’Sと書かれています。

 機能 (バッグに優しい)                 ご当地傘例(鹿児島:桜島ファイアー) ¥2,000 
        ウオーターフロントHPより)

 

      いつも前置きが長くなりご迷惑をおかけしています。以下に、記事をコピペします。

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 『晴れの日に、傘を売る。』‐支持率ナンバーワンの傘を生んだ「良品薄利」の経営  
         林 秀信 著   阪急コミュニケーションズ  2014/04 208p 1,500円(税別)

   1.晴れの日でも売れる傘

  2.傘の黒澤プロダクション

   3.唯一の才能、それが「傘づくり」

   4.傘のことだけ考えて生きる

 【要旨】近年、500円の傘といえば、コンビニで売っている使い捨て感覚のビニール傘が思い浮かぶ。ところが
同じ500円でも、品質は数千円級、使い捨て
どころかファッション性にも富んで2本でも3本でも揃えたくなる傘がある。
ブランド名は《waterfront(ウォーターフロント)》。国内洋傘市場の17%を占め、年間1870万本を売り上げる。
本書は、《ウォーターフロント》を世
に送り出している(株)シューズセレクションの社長である著者が、顧客に感動を
与える革命的な傘「スーパーバリュー500」シリーズの開発と販売に至っ
たエピソード、品質へのこだわり、
低価格を維持するためのコスト削減の努
力、経営理念、さらには、そもそも傘づくりに魅せられた少年時代の思い出
から、人生観、そして究極の傘づくりの夢までを綴っている。

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 ●「人類を傘から解放する」という大いなる野望を抱いて

  傘にとりつかれ、ああでもない、こうでもないと、夢中になって傘づくりをしているうちに、わが社の傘は、
おかげさまで日本国内の洋傘市場で17%
のシェアを占めるまでになりました。
 新聞や雑誌などでは、このように「シェア」と表現されますが、僕は、これはお客様の「支持率」だと思っています。
《ウォーターフロント》を「い
いね」と思って買ってくださるということは、その傘を支持してくださるということだからです。
それに「シェアが増えた」ではなく、「支持率が上がっ
た」と言ったほうが、ずっと気持ちがいい。「たくさんのお客様からの
支持」 
ととらえるほうが、断然気分がいいのです。

  傘の年間販売数は、約1億1100万本(2013年)。日本の人口に近い本数が、「毎年」買われていることになります。
僕の傘はその17%ですから、だいた
い1870万本。これは日本一だそうですが、100人いたら83人は
《ウォーターフ
ロント》のことを知らない、ということでもあります。 だから、欲張りかもしれませんが、「もっともっと
支持されたい」 というのが、僕の願いです。

  「いずれ人類を傘から解放する」という大きな野望もあります。朝出かけるとき、ほとんどの人が天気予報を見て、
「今日は雨が降らないか」をチェッ
クしているのではないでしょうか。僕は、その必要がなくなるような傘をめざして
いるのです。雨が降るかどうかをいちいち気にしない、「万年筆くら
いの大きさ」で、しまうときは手で畳まなくても
自然に元の形になる「折り
畳まない折り畳み傘」が、僕の目標です。

  ●「タクシーのワンメーターより安くしたい」で決まった500円

 「より品質の良いものを、できるだけ安く」――そのような信念のもとに研究開発を始め、改良を重ねて誕生したのが、
「スーパーバリュー500」シリー
ズです。何十色もあるカラフルな500円の折り畳み傘で、《ウォーターフロント》を
支える大黒柱に成長しました。
 薄さ2.5cmの「ポケフラット」、直径3.5cmという超スリムな「ぺん細」、5段折でスマートフォンくらいにまで
小さくなった「スーパーポケミニ」な
どのラインナップがあります。

  この「スーパーバリュー500」を世に出したのは、いまから10年以上前の2000年。おかげさまで、なかには
1アイテムで月間売上30万本という大ヒッ
ト商品も生まれました(ポケフラット)。できるだけ手ごろな値段でいい傘
買えるようにしたい、という僕の夢が、傘づくりを始めてから14年後に、
ようやく実現したのです。
 どうして500円なのかというと、当時のタクシーのワンメーターが600円くらいだったので、それより安くしたいと
いう思いからです。つまり、値段が
先に決まっていたのです。

  初めて発売されたときは、「価格破壊だ」と言う人もいました。それまでの折り畳み傘は、だいたい3000円くらい
のものが多かったので、500円という
価格はたしかに衝撃的だったでしょう。でも僕は、これは「破壊」ではなく、
「新たな価値の創造」だと思っています。「500円で、ここまでいいものができますよ」ということを、たくさんの人に
見てもらいたかった。
 たとえばメッキ加工なども、定価1万円の傘と同じ工程でやっていますので、剥げたり、錆びたりしにくい。
そういう傘をつくっていけば、「安くたっ
て、いいものはいい」ということが、お客様にもわかっていただけるでしょう。
 ですから、僕がいちばんうれしいのは、500円の《ウォーターフロント》を5年も6年も使っていただいている、
というお話をうかがったときです。

 ●カラフルさで顧客を引きつけ、店全体の売上アップに貢献
 シューズセレクションの傘は、値段だけでなく、カラフルな品ぞろえも大きな特徴です。店頭にずらりと並んだ
色とりどりの傘を見て、雨の日でもな
いのに、つい買ってしまった、というお客様のお話を聞くと、とてもうれしくなります。
 こうしたお客様の行動パターンを生み出すために、小売店に対するアプローチとして、他のメーカーとは違った
納入方式をとっています。それが「アソー
ト方式(多種類セット納入)」で、これは「スーパーバリュー500」を売り出すに
あたって、いちばん効果的だと考えたやり方です。

  たとえば、12色セットで計36本のユニットでも、単純に1色3本ずつ、ということはありません。ユニットとしての
色のバランスを考えて組み合わせ
ているのです。通常、傘は紺か黒、あるいはビニールというのが定番ですから、
売場は地味になりがちです。しかし、パステルカラーをベースにした
《ウォーターフロント》の売場はとてもカラフルで、
それによってお客様を
引きつけることができ、「選ぶ楽しさ」を提供することにもつながります。
 そのため、ひとつのアイテムに何十色・柄というバリエーションを用意しています。「ポケフラット」で言うと、
全部で192色・柄あります(2014年
2月現在)。だから、「何色も持っています」と言ってくださるお客様も多い。

  色の組み合わせは、当初から当社で決めさせていただいています。というのも、小売店が色を決めると、
どうしても売れる色ばかり選んでしまいがち
だからです。
 たとえば、都心の駅前のお店はサラリーマンのお客様が多いので、黒や紺など沈んだ色がよく出ます。
だからといって、売場も暗い色ばかりだと、購買
意欲がそそられません。それでは、急に雨が降ってきたときなど、
必要に迫
られたときしか売れなくなってしまいます。
 僕の考えたアソート販売の特徴は、カラフルさにあります。カラフルな傘がたくさん並んでいると、見ているだけで
楽しくなる。そうすると、あまり
売れなかった色も売れるようになって、全体の売上がアップします。

 ●思いもよらない用途をお客様自身が考えてくれる
 僕の心の中には、5、6歳の子供のころに見た、ひとつの懐かしい情景があります。当時の僕は、時間さえあれば、
番傘をつくっている近所の職人さ
んの家に勝手にあがり込んで、傘がつくられていく様子を見ていました。水をはじくよう
油が塗られた紙を、職人さんが骨組みだけの番傘に1枚1枚貼っ
ていくさまを、飽きることなく、いつまでも眺めて
いたものです。   
「傘ってきれいだな」
 初めはものめずらしさからだったと思いますが、幼かった僕は、だんだん傘に惹かれていきました。長じてのち、
上京してさまざまな仕事をやってい
た僕が、最終的に40歳で傘をつくるようになったのは、幼いころのこんな原風景が
あったからだと思います。
 気がつけば、傘づくりを始めて30年近く経ってしまいました。ほかのことはまるでいけませんが、傘に関する
アイデアだけは次々とあふれてくるのです。

  傘をつくり始めたときから、僕は「雨が降らなくても傘は売れる」と思ってきました。だから、「晴れの日だって
売れる」 というのがわが社の傘のキャッチ
コピーです。多くの企業が「いまは不景気だからものが売れない」と
言いま
すが、不景気だからこそ、安くていいものを探している人は多いでしょう。傘だって新しい価値を生み出せる
はずです。
 たとえば、正月のお年賀として。また、バレンタインデーに、500円のチョコと500円の傘をセットで。ほかにも
結婚式の引き出物として名前入りの傘を
用意されたお客様もいますし、モデルハウスの内覧に訪れたお客様への
ノベ
ルティグッズとして注文してくださったハウスメーカーもありました。
 豊富なカラーとデザイン、低価格で高品質だからこそ、さまざまな使い方ができるのが、シューズセレクションの傘
なのです。だから、僕たちが思い
もよらなかった用途を、お客様自身が考えてくださる。本当に勉強になります。

  このように、生活のなかでも可能性はどんどん広がっていくわけですから、天気は関係ありません。晴れていても
傘は売れるのです。

 

コメント: 500円のビニール傘は、どう考えてもプレゼント商品にはならないが、同じ500円の傘でも「ポケフラット」や
「スーパーポケミニ」なら結婚
式の引き出物にしても恥ずかしくない。品質やデザインの違いだけの問題ではない。
仮に、「ポケフラット」と全く同じ傘を、売れ筋だからという理由
で黒と紺しか作っていなかったとしたら、誰も
結婚式の引き出物にしようと
は思わないだろう。《ウォーターフロント》の傘の価値は、売場まで含めたトータルな
マーケティング戦略が生み出しているのだと思う。まさに「新し
い価値の創造」である。
※文中の小見出しは書籍からの引用ではなく、情報工場が独自に作成しております。
  

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