蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

長谷川等伯と雪舟  (bon)

2017-07-08 | 日々雑感、散策、旅行

 友人のお誘いを受けて、昨日(7/7)掲題の水墨画展『水墨の風』を堪能してきました。
お堀端に面した帝国劇場9階の出光美術館でした。

 “出光”といえば、昨年6月の 出光興産定時株主総会で 会社合併議案に創業者側
(役員はいない)から反対が出て、翌日の株価が急落するなど話題があり、合併は延期中
でしたが、この議案は、創業者側の株数算定に、公益事業とされるこの「出光美術館」
所有の株式等の算入可否の判断により 結論が左右されるとみられていました。 それが、
1年経過して 
ここに来て、突如 先頃(7/3) 公募増資が発表され、創業者側の持ち株
比率を減じる工作とみられ、いよいよ合併に向けて動き出す・・? そんなホットな事案
がある渦中の美術館を訪れることとなったのです。
 金曜日の午後でしたが、大勢の人が入り盛況でした。

             ポスター
          


 前座が長くなりましたが、そのような生臭い話題とはもとより無関係な、東洋美術
“水墨画”の世界が ビルの9階のワンフロアと思えない空間に広がっていました。

 展示は、時代の流れ的に、第一章『雪舟を創り上げたもの』、第二章『等伯誕生』、
第三章『室町水墨の広がり』、第四章『近世水墨』 と4部に分かれて配置され、雪舟が
中国に渡り、水墨画の研究に打ち込み、特に、黒い墨を飛沫を立てるほどに力強い筆使い
によるコントラストを見事に用いた「破墨山水図」の「玉澗」(中国の水墨画師)に魅せ
られ、研究を積み その才能を著す雪舟は、その後の日本の画師に大きな影響を与えるの
でした。
  雪舟が中国に渡るのは、応仁元年(1467年)のことでしたが、日本でそれが花開くのは、
室町時代も後期になってからのことでした。そして、日本人の感性にかなった表現にまで
高めた画家が、桃山時代に活躍する長谷川等伯であるとし、『等伯誕生』がフィーチャー
されているのでした。 残念に思ったのは、等伯作のそれが 3点であったことでした。
 しかし、「四季柳図屏風」や「松に鴉・柳に白鷺図屏風」はさすがに引きつけられるも
のがありました。そして、第4章の狩野派、文人画へと展開されていました。

         美術館入り口 
 

            

 雪舟(1420~1506)は、室町時代に活躍した水墨画家・禅僧で、京都相国寺で修行した
後、遣明船に同乗して中国(明)に渡り、その画法を学んだのでした。 現存する作品の
大部分は中国風の水墨山水画であるそうですが、花鳥画も画いており、日本独自の水墨画
風を確立したとあります。 そのうち、6点が国宝に指定されているなど日本の絵画史に
おいて別格の評価を受けているという。

  長谷川等伯(1539~1610)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて狩野永徳らと
並ぶ代表的な画人とあります。1571年頃に上洛して狩野派など諸派の画風を学び、千利休
や豊臣秀吉らに重用され、当時画壇のトップにいた狩野派を脅かすほどの絵師となり、
等伯を始祖とする長谷川派も狩野派と対抗する存在となったと言われています。
  晩年には、自ら「雪舟五代」と称していたそうです。


 これら、水墨画を見ていますと、墨の濃淡でこうも表現できるものか・・と感心させら
れ通しでしたが、しかし、その一つ一つの筆のタッチとしっかりとしたデッサン、それに
軸や屏風全体を使った構図そのものがやはり大きな要素であることに気付くのでした。
 画紙のどこにどのようなタッチで何を描くか、やり直しが出来ない世界で、次々と描い
て行くのは やはり離れ業だけでは言い尽くせない魂が吹きこまれているのですね。

 美術館休憩所から、お堀を通して緑豊かな皇居の森、さらにその向こうのビル影を一望
して、今しがた引き込まれていた水墨画の世界から現実に引き戻された感じがするのでした。

         お堀から皇居の森  
          


 ビルの外は、真夏日の太陽が照りつける東京のお昼すぎ、すぐさまビル内に舞い戻り、
地下3階でお茶し、長話に興じた後、地下鉄へとお別れしました。

 

 

 

 

 

 

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