蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

ムサシノキスゲ  (bon)

2017-05-08 | 花鳥風月

 先週土曜日(5/6)は、「第24回キズゲフェスティバル」開催中の、都立浅間山公園に
行ってきました。 ここは、ブログ日記を見ますと、4年前の 2013.5.29 にムサシノキスゲ
をお目当てに一度訪れていました。 この時は、時期が遅すぎてわずかに1輪咲いているのを
発見したのでした。 
 で、今回はフェスティバル開催期間ということで、期待いっぱいに来ましたが、あちら
こちらに咲いてはいましたが、想像していた“群生”には程遠く、裏切られた格好でした。
それでも、キンラン、ギンランが共に咲いていましたので、これを見ることが出来たのは
大きな収穫でした。

ムサシノキスゲ               浅間山(せんげんやま)公園
 

 

 ムサシノキスゲは、ユリ科 ワスレグサ属の山野草で、よく知られるニッコウキスゲに似て
いますが、その変種だそうです。 ニッコウキスゲは、日光、尾瀬、霧ケ峰など広く分布して
その群生を楽しませていますが、このムサシノキスゲは、ここ、東京都府中界隈、特に浅間山
公園に自生している種なのだそうです。 

  浅間山公園は、標高80mの堂山を中心に中山、前山の3つの頂きを供えた古墳程度の大き
さの公園で、武蔵野の面影を残す雑木林で覆われ、アップダウンの小径もしっとりと好きな
雰囲気を醸していました。 このような低地に、なぜ、ニッコウキスゲ(ムサシノキスゲ)が
自生しているかの謎は、まだ解明されていないのだそうです。

公園内の小径2題
 

 

 ネットを見ますと、このキスゲの仲間は東南アジアに20種ほど生育しており、日本にも、
ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ハマカンゾウ、ニッコウキスゲ、ユウスゲ等、10種近くが見ら
れるそうです。
 もともとは、万葉の頃はひっくるめてワスレグサ(忘れ草)の名で登場し、この花を身に
付けると花の美しさでいやな事や悲しい事を忘れられるとされており・・、 万葉集巻三に、
大伴旅人 が大宰府に在って、故郷への慕情を断ち切りたいとの心情を詠んだ歌 
 「忘れ草 わが紐に付く 香具山の 古(ふ)りにし里を 忘れむが為」が
紹介されていました。
 その後、ユリ科ワスレグサ属がノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ユウスゲ等、細かく分類される
ようになり、ニッコウキスゲはゼンテイカと呼ばれていたが、次第に日光の地名の入ったニッ
コウキスゲが一般に浸透し、いつしかニッコウキスゲと呼ばれるようになったとありました。

 キスゲ(黄菅)は花の色が黄色く、葉が菅笠(すげがさ)を作るカサスゲに似ている事から
きているといいます。 園芸種のヘメロカリス(Hemerocallis)はキスゲが欧米で品種改良され
たもので、ギリシャ語で一日を意味し、欧米では一般的にデイリリー(Day Lily)と
呼ばれるように、ニッコウキスゲは朝咲いて翌日には枯れる花なんです。

 ムサシノキスゲは、東京都レッドブックでは、絶滅危惧Ⅱ類(絶滅危惧種3ランク目VU)に
指定されているそうです。

  今回の大収穫は、きんらん、ぎんらんを一度に見られたことです。
キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種で
す。和名は花の色が、黄色(黄金色)であるところからつけられているとか。山や丘陵の林の
中に生える地上性のランとありました。
 この、キンランの人工栽培はきわめて難しいといわれていますが、その理由の一つにキンラン
の菌根への依存性が高いことが挙げられています。キンラン属は菌類との共生関係が乱された
場合、ただちに枯死することは無いが長期的に生育することはできないそうです。そのため、
自生地からキンランのみを掘って移植しても5年程度で枯死してしまうのです。

  写真をパチパチ撮りましたが、あまりに接近しすぎて、ピントがうまくなく、ボケてしまい
ましたので、一部、友人の写真を拝借して掲載しました。

 キンラン                     (友人撮影)
 

 元々、日本ではありふれた和ランの一種であったそうですが、1990年代頃から急激に減少し、
1997年に絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)として指定されています。

 また、ギンランは、キンランと同属で、花が白いところから、そう呼ばれています。
こちらも、同じような場所で同時期に開花しますが、近年はやはり減少しているので、並んで
咲いているのを見る機会は少なくなっているとありました。

ギンラン                      (友人撮影)
  

 お昼前にJR武蔵小金井駅に待ち合わせ、4年前に来た同じ場所でお昼を済ませ、東府中行き
バスで15分ほどのところが、浅間山公園です。キスゲやキンランなどを楽しみながら、ひっそり
とした武蔵野雑木林の中を歩き、木漏れ日を浴びながらの時間は何事も忘れ ただ、さわやかな
思いが流れるのでした。

 全国的に雨模様などと予報されていましたが、関東は良く晴れた暑いくらいの日となりました。 
浅間山から、徒歩10分ほどのところに、府中の森公園があり、広い園内の府中の森美術館に向
かいました。歌川国芳展(後期)を見る予定でしたが、会期も近く、土曜日ということからか、
長い行列が出来ていて、入場制限されているようなので入場をあきらめました。
 水場では、子供たちが水遊びに夢中になっていて あたりは、懐かしい昔の光景が繰り広げら
れていました。 公園を出て、バスで武蔵小金井駅に戻り、お茶しながらひととき、今日の
感想などを振り返りサヨナラとなりました。

 

 

 

 

 

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