ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

モーツァルト コンサート用アリア「私はあなた様に明かしたい」K. 418

2006-10-25 | CDの試聴記
今日は会社の行事で、竹芝桟橋からヴァンテアン号で東京湾クルーズへ行ってきました。
奇しくも昨年12月に妻と行ったディナータイムクルーズと同じ船・コースになります。

普通は途中で宴会を入れたりするのですが、今夜に限っては「大人の素晴らしき夜を」というテーマで幹事が企画してくれたこともあり、ゲームとか芸は一切なし。
ワイングラスを片手にテーブルで同僚達と語り合うもよし、デッキに出て夜景を楽しむもまた良し。
昨日の大荒れの天候が嘘のような、絶好のナイトクルージング日和だったこともあり、素晴らしいひとときを過ごすことができました。

素敵なクルージングでワインを堪能したあとは、やはりいい音楽を聴きたい。
今聴いているのは、グルベローヴァが歌うモーツァルトのコンサートアリアK.418です。

先日、口もきけなくなるほど感動した、あのアバドのマーラー6番。
その伝説のマーラーの前に、ハルニッシュが聴かせてくれた曲です。

弦のピチカートに乗せて歌うオーボエの何という美しさ!
その後、透明感溢れるグルベローヴァの歌が始まった後も、弦の優しいピチカートとオーボエの柔らかな表情が、三位一体で絶妙の音楽を奏でます。
もともと、私の大好きなアリアだったわけですが、ほんとに素晴らしい。
モーツァルトの書いた最も魅力的な歌曲のひとつだと思います。
短い曲ではありますが、至福の時間を与えてくれました。

このディスク、選曲が大変魅力的であること、ライブでありながらグルベローヴァの完璧な歌唱が聴けること、アーノンクールの明確な意図を持った伴奏が聴けることで、発売当時から大変評価の高いディスクです。

その評価にいささかの異論もないのですが、正直に言うと、私にはグルベローヴァの特に高音が少しきつく感じるときがあります。
だからこの演奏の素晴らしさを認めながらも、できればもう少し柔らかい声の演奏も聴きたい。
できることなら、ナタリー・デッセイあたりが歌ってくれないかなぁ。
酔った勢いで、夢のようなことを書いてしまいました。

           

<曲目>
モーツァルト作曲
■レチタティーヴォとロンド「我がいとしの希望よ!・・・ああ,お前にはどんな苦しみか分るまい」K.416
■アリア「あなたは忠実な心をお持ちです」K.217
■アリア「いえ,いえ,あなたにはご無理です」K.419
■レチタティーヴォとアリア「だが何をしたのだ,運命の星よ・・・私は岸辺が近いと思い」K.368
■レチタティーヴォとアリア「哀れな私は,どこにいるの・・・ああ,口をきいているのは私でなく」K.369
■レチタティーヴォとロンド「この胸に,さあ,おいで下さい・・・天があなたを私にお返し下さった今」K.374
■アリア「私はあなた様に明かしたい」K.418
■アリア「ああ,情け深い星々よ,もし天に」K.538
<演奏>
■ソプラノ:エディタ・グルベローヴァ
■指 揮: ニコラウス・アーノンクール
■管弦楽: ヨーロッパ室内管弦楽団

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9 コメント

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デッセイ、あります (IANIS)
2006-10-28 00:19:16
デッセイのデビュー盤がモーツァルトのコンサート・アリアでした。指揮はグシュルバウアー、オケはリヨン・オペラです。

曲目はK.538、K.418、K.419、K.83、K.316、K.416、K.294、K.368(収録順)。

ただし、現役盤かどうか・・・。
アイテム情報追加 (IANIS)
2006-10-28 00:29:23
HMVのサイトで確認しました。

現在はEMIの「グレート・レコーディング」シリーズで出ています(廉価盤)。

4768562です。
見つかりました (calaf)
2006-10-28 06:47:17
こんにちは。どこかで見たような感じがしました。昨夜必死で探しましたら見つかりました。購入時に聴いただけでしたが、きっかけを与えてくださったromaniさんに感謝です。グルベーロヴァの追っかけ(といってもライブはまだ(泣))としましては、最高の1枚と申しあげておきます。アーノンクールは私は嫌いですが、サポートに回った時の彼の音楽はとても好きです。
>IANISさま ( romani)
2006-10-28 10:06:39
おはようございます。

貴重な情報、ほんとうにありがとうございます。

絶対探します。

今、デッセイは一番好きなソプラノのひとりなんです。

今から、ワクワクしています。

(今日、結婚式に出席するので、帰りにCDショップを覘いてみようかな・・・)

>calafさま ( romani)
2006-10-28 10:11:07
おはようございます。

グルベローヴァのこのアリアは、とてもライブとは思えないような完成度ですね。

これだけ、声と技術が高い次元でバランスしている歌手は、ちょっと例がないように思います。



ただ、本文にも書きましたが、曲によって少しだけ金属的な感じがするような気もして、是非デッセイを聴いてみたいと思います。



ありがとうございました。
グルベローヴァのコンサート・アリアは素晴らしいですね (mozart1889)
2006-10-29 08:25:47
グルベローヴァのモーツァルトは素晴らしいですね。「魔笛」の夜の女王はもちろんですが、コンサート・アリアも大変に聴きごたえがあります。この演奏もそうですし、DECCA盤のコンサート・アリア集も素敵な歌唱でした。

どこまでも伸びてゆく高音、それがまた透明で清々しくて、いつ聴いても陶然となります。
>mozart1889さま ( romani)
2006-10-29 21:42:08
こんばんは。

グルベローヴァは、既に不世出の歌手の域に入ったような気がします。

出来不出来がもともと少ないし。いい加減に歌うということが全くない人だと思います。それと、レパートリーが広いですよね。



久しぶりに聴いてみて、知的で完璧な歌唱に圧倒されました。

一度実演を聴いてみたいと思います。



嬉しいコメント、ありがとうございます。

グルべローバ (emi)
2006-10-30 18:29:29
こんにちは。



19年前、ルチアを聴いた時も完璧で、狂乱の場のあと、シュルツを彼女が立たせて、「あのシュルツ」が照れていたのが印象に残っています。

もう彼女の技術はゆるぎないです。

不調を聴いたためしがないです。

ナクソスも凄かった!です。



日本での東フィルの時は前プロで冴えないフルート奏者に狂乱の場直前に「ブー」が出て、ファンの異常な盛り上がりがちょっとこわかったです。



romaniさんのおっしゃる意味もよくわかります。

柔らかさとか人間味・・?

主人がファンでレコードは随分ありますが・・・。今はどうなんでしょう。リートの録音が多いのかしら。
>emiさま ( romani)
2006-10-31 00:02:32
こんばんは。



いつもありがとうございます。

emiさまは、実際に聴かれたのですね。

羨ましいなあ。

先日BSでウィーン国立歌劇場の復興記念のコンサートを観たのですが、名歌手達が多く出演している中、グルベローヴァに対する拍手はやはり別格でした。



ただ、齢のせいかもしれませんが、金属的な響きにもの凄く敏感になってきたようで、その意味からも最近はナタリー・デッセイが大のお気に入りなんです。

IANISさま に教えていただいたデッセイのコンサートアリアのCDを早速買って来て、先ほど聴いたのですが、こちらも絶品でした。また記事を書きたいと思います。

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