からだの内なる統合を求めて…

ロルフィング施術者日記
by『ロルフィング岡山』
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脊柱の安定(トニック・ファンクション)

2009-02-08 | ロルフィング
今回は、「背中を固くせずに、どうやって背骨を安定させるか」についてのお話です。

関節の動きを筋電計で測定してみると、2種類の異なる役目を持つ筋肉が作用していることが分かります。ある筋肉は、運動の最中ずっと緊張し続けていて(ずっとonになっている)、別の筋肉は、動きによって緊張したり弛緩したり(on-offを繰り返す)しています。

前者は「緊張筋」(tonic muscles)と呼ばれ(またはスタビライザー:安定筋と呼ぶこともあります)、後者は「相性筋」(phasic muscles:一過性に収縮する筋)と呼ばれます。

緊張筋は、関節の周囲などの深層にある小さな筋肉で、運動の最中、主に関節を安定させる働きをしています。これに対して相性筋は、より表層にある、もっと大きな筋肉で、関節の動きそのものを生み出しています。(実際には、場合に応じてどちらの作用も持つ筋肉があったり、はっきりと分類できない場合もあります。)

関節をいくつもまたいでいる大きな相性筋が作動すると、関節に動きが生まれますが、関節の近くに位置する小さい緊張筋だけが働いても、表面上の動きはあまり見られません(動きそのものにはあまり関与していません)。つまり、緊張筋は動きにブレーキをかけることなく、関節を安定させることができます。これがとても重要です。

関節が円滑に動くためには、この緊張筋が、相性筋に先立って収縮し、関節を安定させなければなりません。このような機能を「トニック・ファンクション」と呼んでいます。

近年の研究では、慢性的な腰痛を持つ人では、関節周囲の緊張筋があまり発達していなかったり、作動する(onになる)のが遅れて関節をうまく安定させていないことが分かってきました。

腰部を安定させるトニック・ファンクションについては、特に「腹横筋」と「腰部多裂筋」が注目されています。これらが協働して作用すると、「脊柱は安定しながら、しなやかに動ける」のです。





しかし、腰痛のある人では、背骨の両側に沿って帯状に走る脊柱起立筋群が緊張している傾向があります。また腹部を縦方向に走る腹直筋も固くなっている場合があるかもしれません。これらの起立筋群は、関節をいくつもまたいでいる表層の長い筋肉なので、動きを生み出す相性筋に分類されます。(緊張筋に相当する筋肉群は、これよりも深層にあります。)

これらの相性筋が、緊張筋に代わって脊柱の安定化のために作動すると、脊柱が必要以上に圧縮、固定されて、しなやかな動きができなくなってしまいます。また慢性的な緊張は、脊柱をある方向に引っ張り続けるので、姿勢の歪みにもつながる可能性があります。実際に、腰痛持ちの人には、よろいが動くようなドタバタとした動きが見受けられるでしょう。

では、トニック・ファンクションを活性化するにはどうしたらよいでしょうか。実は、その方法についてはこれまでの日記ですでに紹介していました。大腰筋の活性化の前提として、トニック・ファンクションの活性化がすでに含まれていたのです。

「大腰筋でウォーキング」には、大腰筋を使うには腹部~股関節~足が伸びることが重要であり、骨盤も脚の一部になるように動かなければならない、と書きました。

「縮まずに、遠くに伸びるように動くこと」
「関節が静止して固定されずに、全身を通り抜けるような動きが見られること」
このような動きの方向性やイメージは、相性筋が過度に働くことを抑制し、トニック・ファンクションを引き出すカギでもあり、しなやかな全身の動きが連鎖反応のように起こります。

トニック・ファンクションは、肩関節のしなやかな動きなどにも必須です。(骨盤も背骨も胸郭も肩甲骨も、安定しながら動く必要があります。)

このように、ロルフィングの掲げる「身体構造の統合」のためには、動きを制限している筋膜組織の緊張を手技によって緩めることだけでなく、その緊張の背景にある、非効率な動きに対する再教育が必要とされます。

次回は、大腰筋システムのさらに上にある、「頚長筋」について取り上げます。
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