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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

同人誌先達の墓参と当世お墓事情・墓標のいろいろ

2016-10-14 11:24:37 | ひとを弔う
 信仰心が薄い私は、自分の父母以外の墓参というものをあまりしたことがない。
 しかし、今回は特別だ。私たちの同人誌、『遊民』のそもそもの主宰者、M・I さんのお墓で、そろそろ同人揃って墓参をとの言い出しっぺが私だったからだ。
 ときあたかも三回忌、同人一同に故人のお連れ合いも同行してくださった。

            

 場所は名古屋の東南部。地下鉄桜通線の終点徳重(名古屋駅から35分強)からさらに2Kmほど南、もう豊明市や知立市、刈谷市にもそんなに遠くないところにあるみどりが丘公園の一画、緑ヶ丘霊園。
 とても開けた墓地で、生前、M・I さんは「俺の墓の前で10人ぐらいが車座になって宴会もできる」と言っていた。もちろんその折にはまだピンピンしていて、ほんとうに私たちがそこを総勢7人で訪れることになろうとは全く思ってもいなかった。

            

 到着して納得した。M・I さんの言うとおりだった。こうした墓標は単独では見たことがあるが、ここのようにかなり広い一画がそれで占められているのを見るのははじめてだ。ここに墓所をもつためには、その墓石の規格が定められていることによる。

            

 その墓石の前が広いのも、M・I さんが言っていたとおりだ。とりわけ、M・I さんの墓所は、列の外れにあって、前のみか、左方向にも充分の余地があり、これなら10人はおろか20人の宴会でもできそうだ。
 私の父母の墓所を思った。まちなかの寺の境内ということもあって、前後左右に墓が林立し、何人かで行った場合、一度に墓前に立てるのはせいぜい二人までなのだ。
 それに比べて、ここはなんと開放的で伸びやかなんだろう。M・I さんも、自分が選んだ墓所に充分満足しているに違いない。

                
                 

 数多くの墓石には、思い思いの言葉や、なかにはイラストが彫り込まれているが、M・I さんの墓石には、右隅に、しかも遠慮がちに、「ありがとう」の一言のみが。かえってそれが目立つ。

                
            
 
 そして、側面には「つらきとき 寄り添えば充ち 道ぬくし」の句が添えられている。
 職場でのおつきあい以来、半世紀にわたる仲のSさんが墓前でしばし瞑目していらっしゃった。何を語ってらしたのだろう。
 私は、同人誌の近況などを報告した。

            
            

 久々にのんびりできる空間に来たついでに、近くの墓石ウオッチングをしてみた。
 じつにさまざまな墓石がある。ここでは伝統的な仏教様式の「南無阿弥陀仏」などというのは少数派だ。「愛」「偲」「謝」などの一文字のものから、横文字のものも結構ある。

            
 まずは横文字のものから。
 これは「人生は長きをもって尊しとせず、深遠なるをもって諒とすべし」とでも訳すのだろうか。ここに眠っている人は、ひょっとして夭折したのだろうか。

            

 これは、「しばしの休息」ということだろう。ということは復活するのだろうか。失礼だが、ゾンビを連想してしまった。しかし、どこかユーモアを誘う墓碑銘ではある。

            

 ハングル文字のものもある。在日の何世の人だろう。死して自分の民族の文字を墓標としたのだろう。残念ながら、どう書いてあるのか私にはわからない。わかる人がいたらご教示願いたい。

            


 これはまた、スローガンを墓標にしたものだ。石に彫り込んだ以上、子々孫々「核廃絶」なのだろうか。
 ただし、安倍氏の秘蔵っ子、現稲田防衛相のような核武装論者が独裁政権についた場合にはこの墓は強制撤去されることになるかもしれない。

            

 周りの環境もいい。近くの水路には蒲の穂が立ち並び、水生昆虫などがいそうな池もある。
 そのハズレには、夏の花・カンナと秋の花・コスモスの協演が見られた。

            
            
            

 思わず、「M・I さん、良いところで眠ってますね、たとえ天国に行けなくとも、ここが天国のようなものでしょう」と言いたくなった。
 ただし、いろんなことに好奇心旺盛なM・I さんには多少退屈なのかもしれない。

 M・I さんが今わの際に私に残してくれた言葉が胸に響く。
 「君とはもう少し早く知り合いたかった」
 私もそうですよといいたい。
 晩年のほぼ10年、ただし、私にはとても中身の濃い10年だった。

 秋アカネが数匹、墓所のまわりをしきりに飛び交っていた。

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