<CHANGE・GOV と題されたオバマ次期大統領のウエブサイト>
("Today we begin in earanest the work of making sure that the the world wel eave our children is just a little better than the one we inhabit today"
(私たちは、わたしたちの子供たちに、今住んでいるところよりもすこしでもより良い世界を遺すことができるよう真剣に取り組むことを今始める)
バラク・オバマ次期大統領は、最近(大統領選の直後に)ウエブサイトを立ち上げた。これは政権移行期間(トランジション・ピリオド)を対象としたものである。その内容の充実振りには驚かされる。単なる”ご挨拶や当選御礼”というようなものではまったくない。ニュース・レリースの紹介から、陣営の人々に関連するブログ、トランジションまでの活動の説明、それには様々な政策にかんする考え方も含まれる。その中でもひときわ目をひくのが、"American Moment" とのタイトルのついたセクションである。ここでは、あなたのビジョン、あなたが政権にもとめること、あなたの考え方などみんなの意見を求めている。付随的に書かれているのではなく、むしろサイトの重要な位置をしめている印象をもった。
このような政治的な意味合いをもったもので、しかも最大最強のアメリカの政治家が、大統領の座に座ろうとする人間を中心にもったチームが、このようなウエブサイトを今まで持ったことがあったであろうか。内容の濃さというよりも、ネットを通じてこのように考え方を発信し、草の根の力を結集しようという、言い方をかえればこれまでのホワイトハウス中心の政治の仕組みを一新しようととの意気込みを感じるのである。
ジャーナリスとのバイブルとも言える『世論』(W・リップマン Public Opinion 1922 岩波文庫)という名著がある。リップマンは、第一次大戦の混乱の背景を究明し、大衆心理が如何に形成されるかについて深い考察を行った。それはきわめて優れた考察ではあるが、民主主義の基本的な統治原理ーひとびとの意見の合理的形成という前提に強く疑問を呈したものであった。分りやすく言えば、世論は絶対ではない、世論を形成する大きな要因は、個人の固定観念だとの主張である。その上にたってのリベラル・デモクラシーのあり方を論議する。一種の知的エリートの意義を説くようにも見えるところがある。・・・(だからと言って、この本の価値をおとしめるものではないので、念のため)
ところで『「みんの意見」は案外正しい』(ジェームズ・スロウィッキー 角川書店 2006年1月) という興味深い本がある。このブログの開始当初の2006年12月にもかんたんにこの著を紹介した。この本の面白いところは、は、集団の知恵(集合知)が優れていることを、いくつもの具体的なケースから実証していることである。上述の『世論』のいうところとは、違っている。むしろ反対方向である。
”正しい状況下では、集団はきわめて優れた知力を発揮するし、それは往々にして集団の中でいちばん優秀な個人の知力よりも優れている。優れた集団であるためには特別に優秀な個人がリーダーである必要はない。・・・・!
”集団の知恵と呼ぶこの知力は、いろいろの装いでこの世に現われる。それはインターネットの検索エンジンであるグーグルが何十億というウエブページをスキャンして探している情報が載っているページをピンポイントで発見できる理由でもある”
”もっとも重要なのは意志決定の人数を少なくすればするほど、最終的に正しい可能性に達する可能性が減るということだ。しかも政治的な意志決定はあらかじめ決まっていることをどうやって実行するかという方法を決めるだけの話ではない。だいたいはまず何をすべきかという目標をきめなければならず、自分たちが住んでいる社会のあるべき姿や価値観の問題などが絡んでくる。こうして問題に関して、一般人よりも専門家の方が優れた判断を下せると考える理由はない。・・・”
ただし、この集団の知恵を活用するためには、集団を構成するメンバーの多様性、独立性、それに分散化が備わった集団に加えて、集団のメンバーを一つに集約する仕組みもなければならない。
訳者の小高尚子さんという人が書いた後書きの言葉が印象に残っている。
”私たちが現実の政治でみる民主主義は完璧とは程遠い仕組みではあるけれど、多様な考えが見られる集団に意志決定を託すことによって、一義的に決められる独善的な“正義”を排除しようとするのは、やはり集団の知恵、叡智なんだと思う”
オバマ自身が言っているように、今後の道筋は容易ではないだろう。しかしが彼の取り組もうとしている新しい政治のあり方には注目してゆきたい。日本のジャーナリズムも、オバマ政権に知日派がいるのかどうかといったことではなく、むしろこのような新らしいリベラルデモクラシーの動きに注目し、報道して欲しい。
("Today we begin in earanest the work of making sure that the the world wel eave our children is just a little better than the one we inhabit today"
(私たちは、わたしたちの子供たちに、今住んでいるところよりもすこしでもより良い世界を遺すことができるよう真剣に取り組むことを今始める)
バラク・オバマ次期大統領は、最近(大統領選の直後に)ウエブサイトを立ち上げた。これは政権移行期間(トランジション・ピリオド)を対象としたものである。その内容の充実振りには驚かされる。単なる”ご挨拶や当選御礼”というようなものではまったくない。ニュース・レリースの紹介から、陣営の人々に関連するブログ、トランジションまでの活動の説明、それには様々な政策にかんする考え方も含まれる。その中でもひときわ目をひくのが、"American Moment" とのタイトルのついたセクションである。ここでは、あなたのビジョン、あなたが政権にもとめること、あなたの考え方などみんなの意見を求めている。付随的に書かれているのではなく、むしろサイトの重要な位置をしめている印象をもった。
このような政治的な意味合いをもったもので、しかも最大最強のアメリカの政治家が、大統領の座に座ろうとする人間を中心にもったチームが、このようなウエブサイトを今まで持ったことがあったであろうか。内容の濃さというよりも、ネットを通じてこのように考え方を発信し、草の根の力を結集しようという、言い方をかえればこれまでのホワイトハウス中心の政治の仕組みを一新しようととの意気込みを感じるのである。
ジャーナリスとのバイブルとも言える『世論』(W・リップマン Public Opinion 1922 岩波文庫)という名著がある。リップマンは、第一次大戦の混乱の背景を究明し、大衆心理が如何に形成されるかについて深い考察を行った。それはきわめて優れた考察ではあるが、民主主義の基本的な統治原理ーひとびとの意見の合理的形成という前提に強く疑問を呈したものであった。分りやすく言えば、世論は絶対ではない、世論を形成する大きな要因は、個人の固定観念だとの主張である。その上にたってのリベラル・デモクラシーのあり方を論議する。一種の知的エリートの意義を説くようにも見えるところがある。・・・(だからと言って、この本の価値をおとしめるものではないので、念のため)
ところで『「みんの意見」は案外正しい』(ジェームズ・スロウィッキー 角川書店 2006年1月) という興味深い本がある。このブログの開始当初の2006年12月にもかんたんにこの著を紹介した。この本の面白いところは、は、集団の知恵(集合知)が優れていることを、いくつもの具体的なケースから実証していることである。上述の『世論』のいうところとは、違っている。むしろ反対方向である。
”正しい状況下では、集団はきわめて優れた知力を発揮するし、それは往々にして集団の中でいちばん優秀な個人の知力よりも優れている。優れた集団であるためには特別に優秀な個人がリーダーである必要はない。・・・・!
”集団の知恵と呼ぶこの知力は、いろいろの装いでこの世に現われる。それはインターネットの検索エンジンであるグーグルが何十億というウエブページをスキャンして探している情報が載っているページをピンポイントで発見できる理由でもある”
”もっとも重要なのは意志決定の人数を少なくすればするほど、最終的に正しい可能性に達する可能性が減るということだ。しかも政治的な意志決定はあらかじめ決まっていることをどうやって実行するかという方法を決めるだけの話ではない。だいたいはまず何をすべきかという目標をきめなければならず、自分たちが住んでいる社会のあるべき姿や価値観の問題などが絡んでくる。こうして問題に関して、一般人よりも専門家の方が優れた判断を下せると考える理由はない。・・・”
ただし、この集団の知恵を活用するためには、集団を構成するメンバーの多様性、独立性、それに分散化が備わった集団に加えて、集団のメンバーを一つに集約する仕組みもなければならない。
訳者の小高尚子さんという人が書いた後書きの言葉が印象に残っている。
”私たちが現実の政治でみる民主主義は完璧とは程遠い仕組みではあるけれど、多様な考えが見られる集団に意志決定を託すことによって、一義的に決められる独善的な“正義”を排除しようとするのは、やはり集団の知恵、叡智なんだと思う”
オバマ自身が言っているように、今後の道筋は容易ではないだろう。しかしが彼の取り組もうとしている新しい政治のあり方には注目してゆきたい。日本のジャーナリズムも、オバマ政権に知日派がいるのかどうかといったことではなく、むしろこのような新らしいリベラルデモクラシーの動きに注目し、報道して欲しい。










アメリカ新大統領にバラク・オバマ氏が選ばれたことは、今の時代を象徴した出来事だと思います。それだけにアメリカというものの大きさも感じます。もちろん、すぐに世界の難題が解決されるとは思いませんが、確かなる変革(change)を求めて一歩一歩進む政治を行って欲しいと思います。彼を"watch" していくのが我々の義務だと思います。親日派かどうかばかりに拘る日本人がいるとすれば、それは狭いと思います。時間が出来たらもう少し書き込みをさせていただこうと思います。まずは、ブログを拝見した最初の印象まで。
早速お読み頂きありがとうございます。ネットの力で社会を変えてゆく、そんな動きが日本でも起こることを期待しています。個人的には、オバマ新大統領によるアメリカ金融危機への取り組みを期待しております。
金融、経済のことは、とんと分らないハミングバードですが、オバマ氏は早速、アメリカ経済建て直しのための委員会を作られ、財務大臣などの人選も実力派を指名するなど、行動が前向きで速いですね。どこかの国の首相の失言ばかりが問題になるのとは大違いだと思います。やはり、日本は文化は洗練された高いものを持ち、工業の世界でも技術立国の名に恥じないものがありますが、何故か国際的に太刀打ち出来る政治家が現代に出ないのは何故でしよう?
”何故か国際的に太刀打ち出来る政治家が現代に出ないのは何故でしよう?”
ーうちも知りまへんえ! 昭和の時代でも戦後の吉田茂、石橋湛山などいました。滾る時代には、滾る(たぎる)人物が輩出する、とも言われています。辛抱強く待ちましょう!