さてさて桜も そろそろ散り急ぐ中
かくも懲りない アンポンタン亭主の顛末をば・・・ひと節～
時は弥生の終わる頃 なりわい人の集まりし
主は教えを垂れ流し 心地よくして 帰りなば
鬼女の問いかけ 雨あられ 袖より包みを 投げやれば
あとは知らぬと 駆け上がり 身を震わせて 沙汰を待つ～～
いい加減な言葉遊びで ちょっ脚色してみたが
相変わらずの亭主である
亭主が 業界の講習会に出かける前に ひと言言い置いたのだ
「お手当 頂いたら 封筒ごと出してな」
封筒はないだの 中身を抜くだのと ガキめいたことで
ワタシを出し抜けると思うんじゃないよ
「・・・・
」今日は出ないよと言いたげだが お見通しさ
「今日は会計氏も来るんでしょう？
」
「・・・」観念したか そのまま黙って出かけた
そして帰ってきたら 偉そうに カバンから出すなり
テーブルに投げるように置いた
しかし いつもの茶封筒じゃなく 白封筒に 大きく印字で
『役職手当』とある
いつものように 他の手当てと同封してない
どうやら 会計氏はワタシが『帳簿記載』という口実を
マジにとって キチンとせねばと三役と話し合ったらしい
もちろん亭主も副会長とあらば 三役だからそれに
便乗して画策したと思われる
封筒さえ別にすれば ええんやとな・・・チッ！！
「え？これだけ？」つい口に出た
「これだけですよ」と亭主は憎々しげに言うと
逃げるように 自室に上がって行ったのだった
うん？ おかしいな？？
と講習会の年間スケジュール（転送メールで取得）を確認したら
フンフン・・やっぱりな
今回は 亭主も講義してるハズなんだな
じゃ その分をナゼ出さん？
程なくして 下りてきた亭主に問いかけた
「講師代は？」
下りてきたのに 慌てたのか また上がりながら吐き捨てた
「その分は ほかの会の借金に充ててます
」
観念しての言い訳じゃなく 態勢が出来てなくて出た本音やな
「おや？借金って？」
追い打ちかけて 退路を塞がねば またも堂々巡りやさかいにな
「趣味の会・・」
「あらぁ それじゃ いくら借金してるのか明細出してよ
借金って言ったって 信用ないから信じられんしな
大体やね 手当ては全部出してから 言うのが順序ってもんやろ？」
「順序なんか関係ない！！ 関係ないっ！」
オヤオヤ またまた 始まった支離滅裂な放言
失態を認めたのも 同じやん・・・芸のないこっちゃな 
今度は逃がさないよ
なんせ 今月は年会費やらいろいろ仕事の出費が重なるんだからさ
後で ムスメが言うには「なんか上がってきた時ブツブツ言うてた」
二階のムスメの部屋は いつもドアは開け放しである
ネコがトイレで出入りするから。。。
「なんて？」
「『パソコンで調べりゃ すぐ出るんじゃ』って・・なん？」
「フフン いつもの病気やがな」
「・・・ったく 哀しいヒトやねぇ」
ったくだよ 子供の前でもそこまで 自分を貶められるもんかね
その後 湯屋に行くようで クルマで出かけて行った
見れば 仕事場のカギはそのまま置いてあるし 前もって
仕事場に寄ってなければパクった分は自室にあるってことやな
今が探索しどきである
チャンスは生かすべし
久々に亭主の部屋に入ってみる 相変わらず片付いてない
もう夫婦は辞めてるから 自室は自分で掃除してもらってるが
フマン フマンの亭主は しないことが信条だと思っている
なに もうすぐ春になれば ムシの類も活動開始だから
大慌てで 掃除することになる
いい加減 そっちも学習せんとねぇ
あ、探索中だった
フムフム いつものところは フェイクだから見ない
しかし アンポンタンだから 滅多と見ない以前のところが
怪しいな
以前 ヘソクリがバレた時 『いったいどこに？
』と 見ていたら
ヤケクソか虚勢なのか 意気揚々として趣味の会の 全国名簿の
分厚い本の間から出してみせたことがあったな
それが役に立った
いつものところに置いてあった本を パラパラとめくれば
ビンゴ～～～
明細のメモと封筒までもご一緒の 諭吉っつぁんがいた
いやいや ご苦労さんです～～ こっちに来なはれ～～～
ムスメに報告したら
「お父さん出かけたから 絶対上がってくると思ったら
案の定で。。。
しかし オヤジっていったい なんなん？
で、それ どうすんの？ 戻しとかんでいいのん？
」
「なんでさ？ 4月は 各会の年会費 払うんやもん
それに回しまんがな」
以後 借金の明細も持ってこないし 紛失した分を
返せとも言うてこない・・・たぶんまだ気づいてないのか？
しかし深く静かに キゲンは悪化していったのである
フン 学習せんから また臍を噛むんじゃ
けど キゲン悪いと 静かでええわぁ～～～
芝桜 
山椒 
レンギョウ
