老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

拉致問題解決のネックは何か

2014-10-27 09:47:03 | 北朝鮮問題
年当初は北朝鮮の出方から今年こそ拉致問題が解決するのではとの期待を持たせられたが、次第に雲行きが怪しくなり、直近の日本政府の訪朝団も成果が見通せない状況が報じられている。

いつも最初は期待させられ、最後は失望で終わるパターンである。なぜ同じパターンが繰り返されるのであろうか。この根本問題について日米政府は分かっているはずなのに、解決には消極的なように見える。一方北朝鮮は日米の対応が意に添わず、拉致問題を解決するように見せかけては、解決を引き延ばしているように見えてならない。

それでは日・米・北朝鮮間に横たわる、北朝鮮から見た根本問題とは何なのか、これまでの6者協議や個別会談を見れば自ずと明らかであろう。先ず米国との朝鮮戦争の休戦協定を講和条約に変更することである。次に、拉致解放と引き替えの日本の植民地政策に対する戦後賠償金の支払いではないかと思われる。この北朝鮮側の要望に対して、米国は核開発の中止を、日本は拉致被害者の解放を要求するのみで、日米と北朝鮮の要望が全く噛み合っていない。

それなら日本は独自に拉致被害者の解放と賠償金の支払いを北朝鮮と直接交渉すればよさそうであるが、賠償金の支払いは北朝鮮の核開発促進に繋がり米国が許さないのではないかと見て取れる。これが拉致問題が解決しない最大のネックではなだろうか。要は三国間の要求の内容がそれぞれ違い、さらに日米対北朝鮮間の不信感がその交渉を妨げている。

よって日本が北朝鮮に拉致被害者の解放をさせるには、急がば回れで、日朝の二国間交渉で拉致解放と戦後賠償金の支払いを米国に認めさせるか、それが認められないのであれば、先ず米国に対して北朝鮮の核兵器開発中止を条件として北朝鮮との講和条約締結を説得することではないかと思われる。核開発中止で米朝講和条約が成立すれば、日本から拉致解放を条件として賠償金が支払われても問題は無いはずである。(しかし米国の産軍共同体が講和条約締結を許すかの疑問はのこる。)

ここで思い起こされるのは、小泉元首相が突如北朝鮮を訪問しての金正日主席との会談である。どうしてあの会談が実現したのか想像するに、小泉元首相とブッシュ米大統領との親密な関係に北朝鮮は着目して、北朝鮮と米国との講和条約締結の打診を小泉首相に要請したのではないかと思われる。おそらく小泉・ブッシュ会談でも内々で語られたと思うが、しかし北朝鮮を『悪の枢軸』と演説でののしったブッシュ大統領にはとても受け入れられなかったと思われる。

いずれにしろ北朝鮮に拉致カードを切らせるには日本が賠償金を支払うことを米国に説得するか、米朝間の平和条約成立を働きかけそれを待つしか方法はないのではなかろうか。仮に今回の日朝会談で拉致解決が不調に終わったならば、拉致被害家族会は今後日本政府に拉致解放と引き替えに戦後賠償金を支払うことを米国に認めるよう要請することと、米朝間の講和条約の早期締結を米国に要請することに戦術変更した方が良さそうである。

米国へ上記の要請をできない政府にいくら拉致問題解決を訴えても百年河清を待つが如しで、回答はいつも「対話と圧力」と「安倍内閣で拉致は必ず解決します」とのお題目だけで、逆に北朝鮮の脅威を利用して日本の軍備増強を進める姿を観せられるだけではないか危惧する次第です。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
厚顔

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