老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として

2017-04-25 16:41:12 | アメリカ
歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として、だ。

この言葉、マルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」の中で使われて人口に膾炙したが、ヘーゲルが「歴史哲学」の中で書いたのが最初である。ヘーゲルが、彼の「弁証法」理論に基づき、歴史が弁証法的な繰り返しを行うという指摘したのに追加して、マルクスが、フランス革命を例にとり、歴史が繰り返すとしたら「1度目は悲劇として、2度目は喜劇として」 だと書き、有名になった。

この言葉、ウクライナ・シリア・イラク・北朝鮮へと続く今回の危機をよくあらわしている。北朝鮮危機(トランプリスクの考え方)でも指摘したが、これらの危機は、戦後米国が繰り返し行ってきた「濡れ衣戦術」による危機創出の手口の繰り返しである。そして、その中心になっているのが、CIAや国防省、国務省などの軍産複合体による「歴史改竄」手法である。少し、検証してみよう。

●ウクライナ危機⇒ポロシェンコ大統領率いるキエフ政権は、2014年2月、選挙で民主的に選出された政府を違法暴力クーデターにより倒し、権力を握った。特に、その主力になったのが、ネオナチと呼ばれる勢力だった。
この背後に、公然の秘密だが、ワシントンと欧州連合のひそかな支援があった。(※特に、ジョージ・ソロスの資金援助があったとされている)
そして、現在も続いているウクライナ東部地域への戦争は、ウクライナ国軍によって行われている。(※一万人以上の死者と百万人の強制退去者が出ている)

実は、この問題は、きわめて単純だ。
(1)不法なクーデターによる権力交代を正当と認めるのか。
(2)あくまで、不法なクーデターによる政権交代は認めないのか。

ところが、西側メディアでは、この問題についてほとんど語られない。それどころか、ロシアの侵略を非難する。ロシアの侵略主義の脅威を強調する。たとえば、ポロシェンコ政権は、ウクライナは、ロシア侵略のヨーロッパに対する防壁の役割を果たしている。だから、欧米は、ウクライナ政府を支援すべきだ、という論理を主張している。

民主主義の本家本元を主張している欧米諸国が、「正当に選挙で選出された政府を違法なクーデターで倒すのが正しいのか」という、ウクライナ危機の本質を語らないのだから、いくらたっても問題の解決は図れない。ウクライナ民衆にとって、彼ら「歴史改竄」主義者の罪は重い。

●シリア問題⇒米国中東戦略の写し絵のような失敗の繰り返しは、あまりにも愚かだとしかいいようがない。「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」というマルクスの箴言そのままだと言わざるを得ない。

2003年、ブッシュ政権は、世界の大方の反対意見を無視、「大量破壊兵器」があると叫んでイラクに侵攻。サダム・フセイン政権を打倒した。たしかに、サダム・フセインは独裁者だったかも知れないが、人種のモザイク模様が複雑で統治が困難なイラクを何とか統治し、曲がりなりにも大統領選挙でイラク国民から選出された大統領。それを国連決議もなく、米国の安全を脅かしてもいないのに、戦争を仕掛け、フセイン政権を倒した。

その後、繰り返し行われた捜査でも「大量破壊兵器」は存在しなかった。米国ブッシュ政権の戦争の大義そのものがなかった事が明確になった。通常なら、米国ブッシュ大統領や英国のブレア首相などの戦争指導者は、国際法廷で「戦争犯罪」で裁かれてしかるべき。現在の、世界の力関係でそれは実行できないが、米国の完全な失敗だった。

2013年、今度は、オバマ政権は、シリア政府軍が化学兵器(サリン)を使って反政府軍や自国民を殺したとして、シリア上空に飛行禁止区域を設け、シリア反政府勢力に武器を支援する方針を打ち出した。

ところが、シリア軍が、「化学兵器」を使用した、という根拠は薄かった。しかし、米国は国際的にシリア非難を強めた。ロシアの反対で、国連決議は行われなかった。しかし、シリアの化学兵器使用の疑いはくすぶり続けた。

その結果、アサド大統領は、ロシアの説得に応じて、「化学兵器の破棄」に応じ、国際的監視(米国中心)の下で化学兵器は破棄された。ここで、国際的には、シリアの化学兵器は無い、という事になっている。

このような歴史的経緯がありながら、今回もまたアサド政権による「化学兵器使用」疑惑で、トランプ政権は、シリア空爆を行った。2013年の化学兵器破棄の時、シリアは化学兵器を隠していたのだ、と叫んでいる。自分たち(米国)が主導で、シリアの化学兵器破棄を行ったのにもかかわらず、である。自分たちは一体何をしたのか、が問われる。

まさに、茶番劇。「喜劇」としか言いようのない、米国の愚行である。普通の感性と知性を持っている人間から見れば、「米国の蛮行、愚行」は明白であり、長い目で見れば、米国にとって「百害あって一利なし」の行為である。

わたしは、以上の条件を踏まえて考えれば、北朝鮮危機(トランプリスクの考え方)で指摘したように、トランプのシリア攻撃は、軍産複合体に対するアリバイ証明に過ぎないと考えている。そうでなければ、トランプの頭がおかしいとしか言いようがない。

●北朝鮮危機
問題は、この北朝鮮危機。安倍晋三が、「つきが回ってきた」と大喜びして、大げさに危機を誇張している。・・・週刊現代(5月6・13日)号・・
北朝鮮危機(トランプリスクの考え方)でも指摘したが、安倍晋三にとって、日本国民の運命などは二の次。自らの政権の延命以上に重大なものはない。このような政府に米国と北朝鮮の歴史的経緯を踏まえた冷静な判断など望むべくもない。

朝鮮戦争から60有余年。北朝鮮の米国に対する警戒心は、尋常ではない。同時に、自国の「安全保障」は、米国との「話し合い」以外にない事も良く知っている。米朝関係の歴史をよく知らない人間から見れば、北朝鮮の米国に対する感情は、「愛憎」に引き裂かれ、解決困難な「男女関係」に似ている。

しかし、下の資料を読めば、北朝鮮の反米感情の一端は理解できる。

下記は“Americans have forgotten what we did to North Korea 我々が北朝鮮に一体何をしたのか忘れているアメリカ人”と題するVox World記事からの抜粋だ。

『1950年代初期、朝鮮戦争中、アメリカは、第二次世界大戦中に、太平洋戦域全体で投下したより多くの爆弾を北朝鮮に投下した。32,000トンのナパーム弾を含むこの絨毯爆撃は、軍事標的だけでなく、意図的に一般市民を標的にすることが多く、戦争をするのに必要な程度を遥かに超えて、北朝鮮を壊滅させた。都市丸ごと破壊され、何千人もの無辜の一般市民が殺害され、遥かに多くの人々が家を失い、飢餓になった。

アメリカ人ジャーナリストのブレイン・ハーデンによれば: “三年ほどの間に、我々は住民の20パーセントを絶滅した”と、朝鮮戦争中に戦略空軍最高司令官だったカーティス・ルメイ空軍大将が、1984年に、Office of Air Force Historyに語った。この戦争を支持し、後に国務長官になったディーン・ラスクは、アメリカ合州国は“北朝鮮国内で、動くあらゆるもの、あらゆる煉瓦”を爆撃したと述べた。戦争の後半、都会の標的が不足するようになると、アメリカ爆撃機は水力発電用や灌漑用ダムを破壊し、農地を氾濫させ、作物を破壊した……

1月3日午前10:30、82機の空飛ぶ要塞B-17の大編隊が、致死的な貨物を平壌に投下した …何百トンもの爆弾と焼夷弾が、平壌中で同時に投下され、壊滅的火事を起こし、太平洋横断の蛮族は、丸一日、間をおいて爆発する遅延作動型爆轟爆弾で平壌を爆撃し、おかげで人々は街頭に出るのが不可能になった。二日間、都市全体が燃え、火に包まれた。二日目には、7,812人の一般市民の家が焼かれた。アメリカ人は、平壌にはいかなる軍事標的も残っていないことを十分承知していた

爆弾の破片、炎や、煙による窒息で無くなった多数の平壌住民の数は計り知れない…戦争前は人口500,000人だった都市に残ったのは、約50,000の住民だった。』 (“我々が北朝鮮に一体何をしたのか忘れているアメリカ人”、Vox World)・・・・
「問題は、北朝鮮ではなく、ワシントンだ」Mike Whitney 2017年4月17日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-5755.html

日本でも東京大空襲はじめ、各地で行われた米軍の空襲の恐怖を記憶されている人々がまだ多数残っておられるが、北朝鮮でも、日本以上に、この空襲の記憶が鮮明に残っている。彼らの抵抗を見くびってはならない。彼らは戦争になればこの悲劇が増幅した形で繰り返される事をよく知っている。だから、必死の思いで「核兵器開発」を行っている。どんな手立てを尽くしても、自らの生存を図るだろう。力で持って彼らを恐れ入らせようなどと考えるのは間違いだ。まして、安倍晋三のように危機を煽るなどもってのほかだ。

ではどうすれば良いのか。上記の論文は、次のような指摘をしている。

『・・・北朝鮮は、アメリカが1994年米朝枠組み合意下での義務を履行することを望んでいるのだ。それだけのことだ。いまいましい取り引きでの、自分の責任をきちんとはたすことだ。それが一体どれほど困難なのだろう?

ジミー・カーターが、ワシントン・ポスト論説(2010年11月24日)でこう要約している。

“…2005年9月、合意は … 1994年合意(米朝枠組み合意)の基本事項を再確認した。合意文章には、朝鮮半島の非核化、アメリカ合州国による不可侵の誓い、1953年7月以来有効なアメリカ-北朝鮮-中国休戦を置き換える恒久的和平協定を漸進的に作り出す措置が含まれている。不幸にして、2005年以来、実質的進展は皆無だ。

“去る7月、アメリカ人、アイジャロン・ゴメス釈放に立ち会うため、訪問が、北朝鮮幹部との実質的協議をするに十分な期間であるという条件で、平壌を再訪するよう招待された。2005年9月に六大国が採択した1994年の合意と条件に基づいて、非核化された朝鮮半島と、永久停戦を実現する彼らの希望を彼らは詳細に説明した。

“北朝鮮当局は、他の最近のアメリカ人訪問者たちにも同じメッセージを伝え、核専門家によるウラン濃縮の先進的施設訪問も認めた。ウラン濃縮は - 極めて緩慢なプロセスで - 1994年の合意では対象になっていなかったにせよ、同じ高官たちが、この遠心分離機も、アメリカ合州国との議論で‘議題’になろうと私に明言した。

“アメリカ合州国との直接対話時には、核開発計画を停止し、全てを国際原子力機関による査察対象にする協定を結び、1953年の‘一時’休戦に置き換わる恒久平和条約を締結する用意があるという首尾一貫したメッセージを平壌は送り続けてきた。この申し出に応じることを我々は検討すべきだ。北朝鮮にとっての不幸な代案は、彼らが最も恐れている、アメリカ合州国が支援する軍事攻撃と、政権転覆の取り組みから、自らを守るために必要だと考えるあらゆる行動をとることだ。”
(“アメリカに対する北朝鮮の首尾一貫したメッセージ”、ジミー・カーター大統領、ワシントン・ポスト)

大半の人々が問題は北朝鮮側にあると考えているが、そうではない。問題はアメリカ合州国にある。交渉して、戦争を終結させるのを嫌がっていること、北朝鮮に基本的な安全を保障するのを嫌がっていること、ワシントン自身の頑固な無知のおかげで、現在、アメリカの都市を攻撃できるような長距離弾道ミサイルを開発している人々と話し合うことさえ嫌がっていることだ。・・・・』
「問題は、北朝鮮ではなく、ワシントンだ」Mike Whitney 2017年4月17日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-5755.html

上記の論文は、交渉による「北朝鮮危機」の解決方法を示唆しているし、それが可能であることも示唆している。

以前わたしは、北朝鮮危機解決はかかって米国政府の決断にある、と書いた。ジミー・カーターの指摘を待つまでもなく、米国政府にその意図がなかっただけである。

それが、何故出来ないか。軍産複合体の利益優先思考で、「歴史」を直視しないからだ。

朝鮮戦争での北朝鮮人民の惨状。それはベトナム戦争でのベトナム人民の惨状につながり、イラク戦争でのイラク国民の悲劇につながっている。「アラブの春」でのリビア国民とカダフィーの悲劇につながり、シリア内戦でのシリア国民の悲劇につながっている。そして、その悲劇が、難民のEU流入の拡大とテロの増加などにより、EU各国の内部分裂を誘発、世界の混乱の最大の要因になっている。

もし、米国が歴史を直視するならば、彼らが戦争をした国の民衆から深い恨みを買い心の底から憎まれている事実に慄然とするはずである。テロリズムは、人間の心の奥深く沈潜している「晴らせぬ恨み」に根差している事を知らなければならない。本当の意味での「テロとの戦い」は、「歴史改竄」ではなく、「歴史直視」の姿勢からしか生まれないと知るべきである。

“歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。” 

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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知的退化 (竹内春一)
2017-04-26 20:06:14
狩猟民族は森のなかで生活した。森には樹木がいっぱい茂り、木の葉がそよいだり、動物が隠れたり、敵が潜んでいる。生存するためには、四方八方に気を配り、4方の敵味方を認識し、対処しなければならない。
ところが農耕民族は四方八方に敵がいるのではなくて、正面にご主人様がいて、彼を忖度して居れば、平和な毎日が続く。

政治、言語にも、狩猟と農耕の違いが現れる。
安倍晋三的政治には、ご主人であるトランプしか見えない。世界のどの首脳にも先駆けてトランプ参りしたのもそのためである。
北朝鮮問題で以前、6カ国協議で平和的な問題解決が行われた事がある。しかし、安倍晋三が十数人の拉致被害を理由に、問題解決に反対したことがあり、解決は実現しなかった。実現しておれば、毎日テレビで騒がれているソウルの炎上、東京へのミサイル攻撃もないことになる。後で聞いた話では、cia の一人が日本人のジャーナリストに、安倍晋三とはどういう人物かと聞いたことがある。十数人の拉致被害者の命を救うために数百万の人の命を犠牲にするような政治家なのか、ということである。

平和と戦争がせめぎ合っているときに、日本人は残念ながら、一つのことを見て、その他のことは一考だにしない傾向がある。

その傾向は、言語でもそうである。外国の映画とかドラマを見るとき、字幕ばかりを見ていると、、話されている英語が全くわからないものである。しかし、訓練すれば字幕を見ながら、英語も理解できるようになる。

狩猟民族のように4方に注意するように、目と耳を同時に使うわけである。
愚かな農耕民族の代表である安倍晋三が日本人に大いなる災害をもたらさないように祈るのみである。

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