『「新9条」相次ぐ提案 憲法論議に第三の視点
戦争放棄などをうたう憲法9条を、新たな姿にしようという提案が相次いでいる。米軍基地や自衛隊のあり方を見直して条文に反映し、平和主義の理念をより進めようとする考え方だ。憲法や安全保障を取り巻く状況の変化が影響しているようだ。・・・』
11/10朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S12058545.html
最近、今井一さん、想田和弘さん、伊勢崎賢治さんなどが「新9条」の提案をして若干の波紋が広がりましたが、ここにきて「9条は変えない方が望ましい」としてきた加藤典洋さんも改正案を提起したと朝日新聞が報じています。
この「新9条」の提案に対する「9条護憲派」からの反応は、概ね否定的なようです。その典型は、今日(11/11)の東京新聞「本音のコラム」の斎藤美奈子さんの「敵に送る塩?」の文にも見られます。曰く、
『ま、議論だけなら、いくらでもおやりになればいい。だけど私が官邸の関係者なら「しめしめ」と思いますね。・・・「だな。改憲OKの気分がまず必要だからな」』
『「みなさまロマンチストだなあ」の思いも禁じえない。現行の条文でも「地球の裏側まで自衛隊を派遣できる」と解釈する人たちだ。条文を変えたら、おとなしく従うってか。』
『このタイミングで、あの政権下で、改憲論を出す。彼らはウハウハである。「あとは新九条論者と護憲論者の対立を煽るだけですよ、総理」「だな・・・」』
要約すれば、①自民党による改憲への道筋作りとなる。 ②「9条」に具体的な歯止めを入れても、自民党政府の暴走の歯止めにはならない。 ③自民党憲法草案NOの人たちを二分し、自民党憲法案賛成が最大多数に成る結果を生む。
以上の3点が主たる問題のようです。
一方、「新9条」提案者の1人、伊勢崎さんは、10日のツイッターで、
『国家が主語の「武力の行使」が、自衛隊員が主語の「武器の使用」に背負わせてきた歴史的矛盾。「戦後70年間一発も撃っていない」のは自衛隊員。でも、この言い回しで、9条下でも「特措法」で集団的自衛権の行使(=戦争)をしてきた事実がスルーされる。』
『戦後70年間自衛隊は一発も撃ってこなかったけど、これはホント現場の自衛隊員の自制のたまもので、国際法から見ると9条下の日本は今までずっと戦争してきた。そして、これからも。』
と呟き、現に戦争・紛争の現場に送られている自衛隊員の存在(命、人権)にキチンと向き合うことなく「9条護憲」を言うことの欺瞞を指摘しています。
私自身にとって「憲法9条」は自分のアイデンティティと重なる重い存在であり、長年にわたり「9条ありき」の国の在り方を模索してきたこともあって、そう簡単に「新9条」の提案に乗り換えることはできません。
しかしその一方で、国民=主権者が国の在り方を選択する機会としての「国民投票」自体は、民主主義の重要なツールのひとつだと考えています。そのことと、伊勢崎さんらの「自衛隊がおかれている現実と現憲法の矛盾」という指摘の重要性から、「新9条」については、否定要因のバリアを張ることなく、まずは提案者に真剣に寄り添って耳を傾け、自分の考えを深めていきたいと思います。
同時に、憲法の「平和の理念」を手放すわけにはいかないと思う幅広い人たちが集い、「新9条」の提案をひとつの叩き台として、この国の在り方を考え、議論を深め、叡智を結集する、未来に繋がる継続的な場が構築されることを願っています。
「護憲+BBS」「憲法を考える」より
笹井明子
戦争放棄などをうたう憲法9条を、新たな姿にしようという提案が相次いでいる。米軍基地や自衛隊のあり方を見直して条文に反映し、平和主義の理念をより進めようとする考え方だ。憲法や安全保障を取り巻く状況の変化が影響しているようだ。・・・』
11/10朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S12058545.html
最近、今井一さん、想田和弘さん、伊勢崎賢治さんなどが「新9条」の提案をして若干の波紋が広がりましたが、ここにきて「9条は変えない方が望ましい」としてきた加藤典洋さんも改正案を提起したと朝日新聞が報じています。
この「新9条」の提案に対する「9条護憲派」からの反応は、概ね否定的なようです。その典型は、今日(11/11)の東京新聞「本音のコラム」の斎藤美奈子さんの「敵に送る塩?」の文にも見られます。曰く、
『ま、議論だけなら、いくらでもおやりになればいい。だけど私が官邸の関係者なら「しめしめ」と思いますね。・・・「だな。改憲OKの気分がまず必要だからな」』
『「みなさまロマンチストだなあ」の思いも禁じえない。現行の条文でも「地球の裏側まで自衛隊を派遣できる」と解釈する人たちだ。条文を変えたら、おとなしく従うってか。』
『このタイミングで、あの政権下で、改憲論を出す。彼らはウハウハである。「あとは新九条論者と護憲論者の対立を煽るだけですよ、総理」「だな・・・」』
要約すれば、①自民党による改憲への道筋作りとなる。 ②「9条」に具体的な歯止めを入れても、自民党政府の暴走の歯止めにはならない。 ③自民党憲法草案NOの人たちを二分し、自民党憲法案賛成が最大多数に成る結果を生む。
以上の3点が主たる問題のようです。
一方、「新9条」提案者の1人、伊勢崎さんは、10日のツイッターで、
『国家が主語の「武力の行使」が、自衛隊員が主語の「武器の使用」に背負わせてきた歴史的矛盾。「戦後70年間一発も撃っていない」のは自衛隊員。でも、この言い回しで、9条下でも「特措法」で集団的自衛権の行使(=戦争)をしてきた事実がスルーされる。』
『戦後70年間自衛隊は一発も撃ってこなかったけど、これはホント現場の自衛隊員の自制のたまもので、国際法から見ると9条下の日本は今までずっと戦争してきた。そして、これからも。』
と呟き、現に戦争・紛争の現場に送られている自衛隊員の存在(命、人権)にキチンと向き合うことなく「9条護憲」を言うことの欺瞞を指摘しています。
私自身にとって「憲法9条」は自分のアイデンティティと重なる重い存在であり、長年にわたり「9条ありき」の国の在り方を模索してきたこともあって、そう簡単に「新9条」の提案に乗り換えることはできません。
しかしその一方で、国民=主権者が国の在り方を選択する機会としての「国民投票」自体は、民主主義の重要なツールのひとつだと考えています。そのことと、伊勢崎さんらの「自衛隊がおかれている現実と現憲法の矛盾」という指摘の重要性から、「新9条」については、否定要因のバリアを張ることなく、まずは提案者に真剣に寄り添って耳を傾け、自分の考えを深めていきたいと思います。
同時に、憲法の「平和の理念」を手放すわけにはいかないと思う幅広い人たちが集い、「新9条」の提案をひとつの叩き台として、この国の在り方を考え、議論を深め、叡智を結集する、未来に繋がる継続的な場が構築されることを願っています。
「護憲+BBS」「憲法を考える」より
笹井明子
その記憶が、安保法制で再びよみがえる。米国初の仕掛けには、何か裏があるのではなかろうか。
今度は2度目ですから、日本人もやすやすと引っかからないでしょう。しかし一体何が狙いなのか。
狙いは日中戦争だと思います。戦争で稼いだ金融資産をすっからかんにするでしょう。
今、日本のマスコミを見ると、どこでも中国経済がつぶれるという記事が氾濫している。しかし、中国株価は下がったとはいえ、2年前の1.7倍でる。日本の株価水準よりいい。
田中宇氏の記事を読むと、米国の覇権は日本に対してだけ未だに有効である。世界中が米国の言うことを聞かなくなりつつある。
自衛隊が南沙諸島に派兵されて、日中戦争でも始まれば、米国には二つの利点がある。中国の台頭を潰すこと。日本の金融資産を枯渇させること。結果、米国の覇権が続くという深慮遠謀である。
憲法9条、戦争の放棄は、そんな日本人一人一人にくまなくその政治精神に良い支柱を確立して、70年間他国の人の血を流すことなく、経済を発展させ、ノーベル賞にも続々と輝き、スポーツ、音楽、クラシックバレーなどでも若い人たちが堂々と世界の舞台で活躍している…
「憲法9条」は、国の支柱の文として、どかんと据えておくのが賢いのではと。そして、それに外れる現実が政治に現れたときは、その支柱を念頭に入れ、皆で知恵を出して問題を解決してゆく…。
笹井明子様、こんにちは。
先日は「こんな情景が見てみたい」でレスを下さってありがとうございました。
家の中、家族の中だけでほとんど人生を過ごしてきている私に比べ、笹井様はいろんな人と交わりを持ち、現場で行動をしながら政治を見つめ、考えている方だと思います。私の知らない現実、笹井様の文章からいただくこと多いです。リアルグループ「護憲+」、これからも、いろいろな方のそれぞれの考えで賑わいますように、こころから楽しみにしています。
「憲法9条」についてのご意見、明日あたり「表」でご紹介したいのですが、よろしいでしょうか?