老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

それを言っちゃ― おしめーよ

2017-02-12 11:30:17 | アメリカ
御存じ。フ―テンの寅さんの台詞である。

TVの「訪米狂騒曲」を見ていると、トランプ大統領・安倍首相・メディア連中にこの台詞をぶつけてやりたいという衝動にかられた。

安倍坊ちゃん総理は、馬鹿の一つ覚えのように『日米同盟の深化』が確認されたといって御満悦。トランプはトランプでパシリ一号の日本が進呈した51兆円とも言われる経済協力のお土産に大満足。日本メディアは、安倍官邸と同じで、米国隷従が確認できたと一安心して大喜び。

『日米同盟の深化』とは、自衛隊の米国の下請け化の完成と同義だ。『日米同盟の深化』と言えば言うほど、パシリの度合いが深まる。日本の首相が、米国の「パシリ」になる事を喜んでどうするという話だ。

おまけに、51兆円になんなんとする米国の雇用促進策をお土産にするというのだから、お前さんは一体どこの国の首相なのか、と言う話である。

欧州の指導者の一人が、「トランプ流とは、批判する者には、倍返し。従う者には、倍の要求をする。付き合い方を考えなければ」と言っていたが、トランプの脅しにビビった安倍首相には、いずれ更なる要求があると覚悟しなければならない。

まあ、批判精神のかけらもない日本メディアである。今回の51兆円のお土産にも屁理屈をつけて、安倍よいしょをするのが目に見えている。

特に、新幹線技術の輸出は、お土産でなくても売りつけたくて仕方がなかったのだから、大喜びで安倍の手柄のように喧伝するのは目に見えている。要するに、売りつけ方を輸出から、インフラ整備のお手伝いと雇用促進という名目に変えたのだけなのだろう。

しかし、そうまでしてお墨付きをもらったのが、尖閣列島が安全保障条約第5条の適用範囲というのだからあいた口がふさがらない。

これは、オバマ政権時もそうだったはずだ。共同宣言にも明記されていたが、アメリカは尖閣列島における日本の『施政権』を認めたのであって、『領有権』は認めていない。つまり、オバマ政権の時と何の変化もない。『施政権』と『領有権』は、全く別物だ。その事を抜きにして大喜びをする神経が分からない。

おまけに、アメリカは、安倍首相との会談前にちゃっかり中国に親書を送り、習近平と電話会談をしている。安倍首相と会談をするけれど、これまでの米国の方針に何の変化はないという事を伝えたのであろう。これぞ、キッシンジャー流「バランス外交」。安倍などとは、器が違う。

これを冷静に見れば一目瞭然。日本はオバマ時代と同じ事を保障してもらうために、51兆円の貢物をする。中国はトランプの大騒ぎをじっと沈黙して見ているだけで、オバマ時代と同じ事を約束させている。まさに『沈黙は金』を地で言っている。どちらの外交力が上かは、誰にでも分かる。

そんな外交を得々として自慢気に語る安倍首相や、無批判に持ち上げてよいしょするメディア。自らの馬鹿さ加減を露呈するようなもので、寅さんではないが、「それを言っちゃーおしめーよ」と言う話である。

トランプ大統領にも言いたい事が山ほどある。

『米国ファースト』? 何をいまさら。米国は建国以来、『米国ファースト』でなかった時があるのか。

それこそ、第1次大戦まで、米国は世界で何があっても米国だけが良ければそれで良い、という孤立主義(モンロー主義)の国だった。

第一次世界大戦・第二次世界大戦を経て、米国は覇権国として世界に君臨してきた。第二次大戦後、世界で起きた大きな戦争の大半は、米国が戦っている。戦後の米国は、世界第一の『戦争国家』なのである。

ただ、米国は、その事実を『自由』とか『民主主義』という理念で覆い隠してきた。米国は常に『自由と民主主義』の旗手であり『正義』の国であり、それに敵対する国や組織は、『自由と民主主義』に反する『不正義=悪』の国家であるという大義名分を掲げてきた。

この理念を別にして米国の戦争を眺めると、いわゆる『軍産複合体』の繁栄のための戦争という側面が見えてくる。

アイゼンハワー大統領が辞任する前に『軍産複合体』の脅威を指摘しているし、ケネデイ大統領の暗殺にも軍産複合体の影が囁かれている。イラク戦争の時、『戦争の民営化』が叫ばれ、ハリバートンなどの民間の軍需会社の儲けの莫大さが指摘されたのも記憶に新しい。わたしも何度か指摘したが、このように、米国の戦争は、『公共事業』なのである。

米国の言う『自由』と『民主主義』は、常に自国の企業(多国籍企業)の利益の自由のためであるという側面は拭いきれない。『世界一の嫌われ者国家=米国』という現実は、この美しい言葉『自由・民主主義』とは、うらはらに、ハイエナのように自己の利益のみに狂奔する米国資本という二律背反する米国のありように大きな要因がある。

こう見てくると、トランプ大統領の言う『米国ファースト』は、何も目新しい話ではない。戦前も戦後も一貫して米国は、『米国ファースト』だったし、これからもそうであろう、というのは、世界の常識だ。

では何故世界の人々は、トランプの『米国ファースト』に怒っているのか。

それは、戦後、米国が世界中でやってきた戦争を見れば一目瞭然だ。近いところで言えば、『自由』の名の下に、アフガニスタンを破壊し、イラクを壊し、リビアなどの国を壊してきた。そして、その後始末(もっともお金と時間と手数がかかる)は全部他国に任せる。イラク(石油)が最も良い例だが、儲けはほとんど米国が持って行く。

アフガニスタンなど、アフガン戦争前から、ほとんど破綻国家だった。世界の安全の脅威などその国力からしてあるわけがない。そこに徹底的な空爆を加え、とことん破壊する。一体全体、何の目的があるのか。

理由は一つ。あまり余った武器・砲弾などを消費し、新しい武器弾薬を生産して儲ける事以外にない。武器・弾薬などは、消費しなければ、新しいものに変えられない。だから、どうしても消費(使う)しなければならない。これが、資本の要請である。

つまり、儲けのためには、アフガニスタン住民の生活や命など歯牙にもかけない、資本の冷徹な論理が貫徹しているのである。

世界の人々は、そうしたアメリカのありようをよく知っている。それでもアメリカは建前だとしても、『自由』と『民主主義』のために闘う、という理念を大切にしている、と言う事をかすかに信じていた。

それを証明していたのが、世界一移民を受け入れる国家アメリカ、という事実だった。『アメリカンドリーム』を体現している国家アメリカだった。これがなくなれば、もはやアメリカではない。ただの戦争国家アメリカ・殺戮国家アメリカである。

トランプ大統領の『アメリカ・ファースト』のスローガンは、世界中の人々から見れば、「それを言っちゃ おしめーよ」と言う話である。それなら、今までの『自由』と『民主主義』を掲げた戦争は何だったのか、と言う話である。

『7ケ国の国民の入獄禁止』の話も同じだ。アメリカが戦争してまで、他国を破壊してまで、念仏のように唱えた理念は何だったのか、という話になる。

わたしは、トランプ大統領の誕生をヒラリー・クリントン大統領の誕生より評価している。

理由は簡単明瞭。

①ヒラリー・クリントンでは、『自由と民主主義』の為の戦争が食い止められない。つまり、従来のアメリカの論理を変えられない。⇒新自由主義的論理とネオコン的発想を変えられない。

②トランプ大統領の『アメリカ・ファースト』論は、上記のように世界の人々の顰蹙を買わざるを得ない。と言う事は、アメリカの言う事は信じられないという事になる。結果、アメリカの覇権力が落ちる。⇒世界の多極化の進行が早まる⇒多極化の方が、世界の平和構築がしやすい。

これからの世界は、大陸型国家(中国・ロシア・EU)と海洋国家(米国・英国・日本も)のせめぎ合いになる可能性が高い。そして、海洋型国家の衰退は、避けられない。この過程で大きな戦争が起きる可能性が高い。

トランプ大統領誕生前までは、ウクライナ紛争をきっかけにして、ロシアとアメリカの戦争は、きわめて蓋然性が高かった。ヒラリーが大統領だったら、この可能性はさらに高まったはずである。

わたしは、トランプ大統領の政策にはさほど興味がない。それより、彼の政策がもたらす世界の人々の心の力学(米国幻想の破壊)の方にはるかに興味がある。

今年は、日本でも安倍晋三一派の心の力学と国民の心の力学との乖離が本格的な問題に浮上するに違いないと考えている。

「護憲+コラム」より
流水

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