老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

死にいたる病(9)

2017-06-18 20:45:24 | 自民党政治

「14」21世紀の歴史的大変動の予測

歴史的大変動には、(1)「経済的変動」と(2)「国家的変動」があります。

まず、(1)の「経済的変動」から考えて見ましょう。

世界史的変動は常に経済的変動が主導し、その後に政治的『国家的』変動が付随して起きています。経済的変動に見合う「政治システム」の構築が求められるからです。この順番は変わりません。

昔、五木寛之が小説「艶歌」の中で「歌は世に連れ、世は歌に連れというが、世は歌に連れは絶対にない。歌は世に連れるだけだ」と書いています。これと同じで、政治主導で世界史が変わる事はありません。経済が変わるに連れて、政治『国家』が変わるのです。この事は、どんなに強調しても強調され過ぎはないのです。政治だけで、世の中全てが変わるなどと考えるのは、幻想なのです。政治家連中が、政治主導で世の中を変えると嘯きますが、せいぜい「国民の言論統制」とか「自由の制限」とか、その程度の変化でしかありません。世界史的変動などとは無関係なのです。

現在、日本は「金利ゼロ」の時代が続いています。わたしが大学生だった時代、1億円の貯金があれば、年の金利が3~4%程度あったので、年間300万~400万円程度の金利がつきました。将来を真剣に考えていた友人などは、年金と合わせると、これで老後は安泰。取りあえず、1億円の貯金を目標にする、と言っていました。これが正常な資本主義社会のありようだという認識が必要です。

ところが、現在はどうでしょう。1億円の貯金が出来たとしても、金利が0%に近いので、金利生活など夢のまた夢です。

では、この「金利ゼロ」今は「マイナス金利」ですか。これは一体全体何を意味しているのでしょう。

そもそも、資本主義社会とか、自由主義社会とか民主主義社会というものは、簡単に言うと、一人一人が自由に無限に自らの欲求を追い求めても良い、という制度です。この無限の欲求に応えるキャパシティが限界に達し始めた、と言う事です。

もう、30年以上前になりますか、当時、日本は「飽食の時代」と言われていました。銀座の飲み屋街の道路に出されたゴミ袋を漁る電線一杯に止まったカラスの群れが「飽食の時代」の象徴といわれました。

その当時、わたしは、もし中国が近代化され、中国人が日本人と同じように美味しいものを胎一杯食べたいと思い出したら、世界は食糧危機に見舞われるかも知れない、と言っていました。

実は、「自由主義社会」とか「資本主義社会」のように、無限に欲求を追及するシステムが永続するためには、人口も増加しない、資源も無限、売れる人間も無限、環境も変化なしなどの実現不可能な条件が必要になります。

人口は増加する。資源も枯渇し始める。地球環境は悪化の一途。貧富の格差が激しくなり、商品の購買者が限定される。それでいて、人々の欲望だけは、無限大に膨れ上がる。こんな制度が続くはずがないのです。要するに、「資本主義の終焉」が現実のものになっているのです。

21世紀は、資本主義的無限の「欲望充足制度」は不可能になる、という前提で物事を考えなければなりません。資本主義が終焉を迎えようとする現在、利潤の極大化が不可能になりました。そのため、利潤率の近似値である「長期金利」がゼロになるのです。銀行のゼロ金利はその反映です。

この変化を無視してコケたのが、東芝であり、オリンパスであり、三菱自動車なのです。要するに、永久的な「経済成長路線」は成立しないのが、21世紀なのです。

21世紀の経済変動予測と密接に関連しているのが、安倍内閣の経済政策=アベノミクスです。この政策の目玉は、「永続的経済成長」が可能である、という前提で作られています。「三本の矢」などと息巻いていましたが、無秩序な金融緩和(黒田日銀)だけが突出し、ほとんど「出口なし」の情況に陥っています。

しかも、アベノミクスは純粋な経済政策ではありません。政治的思惑に捻じ曲げられており、経済政策と呼ぶには、かなり怪しげな装いを持っています。加計学園問題に象徴される「国家戦略特区」のように、結局安倍首相の周囲の人間に特典を与える「国富纂脱制度」に堕しています。

同志社大学教授浜矩子女史などは、当初から「ドアホミクス」と呼び、厳しい批判を浴びせていました。今になって、彼女たちの批判が正当だった事が証明されています。

たとえば、賃上げ問題ですが、過去の日本では、労組と経営側の交渉で、決められていました。ところが、昨今の賃上げは、首相が経営側に賃上げを要請し、労働組合主導から政治「官邸」主導へと変化しています。この背後には、労働組合特に連合の右傾化があります。

かって、労働組合の指導者は、労働者の生活を守るために、自らを犠牲にして戦いました。そして、大田薫氏のように、多くの労働者の尊敬を集めた人材を輩出していました。しかし、現在の組合指導者たちにそのような気概は失せています。連合のように巨大化した組織は、組織防衛と自己の将来保障などが混在し、労働組合運動の原点を忘れがちになっています。戦わない労働組合など組合ではありません。戦わない組織に、本当の意味での時代の問題点は見えないのです。連合のような戦わない労働組織に21世紀の労働者像など描けるはずがないのです。

西条八十ではないですが、「歌を忘れたカナリヤ」なのです。彼らは、労働者から、「うしろのお山にすてましょうか」と軽蔑される存在になりさがっています。

さらに、経営者側(特に、三菱など軍事関係企業や経団連加入の大企業)は、安倍首相の外遊に同行し、政府主導のビジネスに狂奔しています。安倍首相の外遊は、国家ぐるみの商取引なのです。このような国家がらみの経営に傾斜しすぎたため、東芝のように倒産の危機に直面しています。

戦前でも政治と密接に結びついた「政商」と呼ばれた企業が多数ありました。安倍政権になり、今や「政商」が復活しているようです。企業というのは、本来、自らの力で厳しい経済競争に立ち向かわなければ、経営の原点を見失います。ここにきて、戦後日本を牽引してきた企業の衰退が目立ちます。ここにも多くの「歌を忘れたカナリア」たちがいるのです。

また、政府主導で、日銀や年金基金(GPIF)などを通じ、株価の下支えを行っています。これでは、自由競争の価格決定に国が介入すると言う資本主義の原点に違反している「官営価格」です。明確に言うと、「市場が全てを決定する」資本主義の原則にも反しています。

普通なら、企業・市場関係者・投資家たちは、この政府介入による「株価操作」に強く抗議しなければおかしいのです。それも出来ないと言う事は、彼らはもはや資本主義社会そのものを信じていない、と言う事になります。

その結果、一部上場企業の多くの企業の半数以上の株を保有しているのは、国という有様です。これでは、実質上の「国営企業」です。安倍政権が大嫌いな「社会主義国家」を彷彿とさせるありさまです。

元朝日新聞社経済記者の山田厚史氏に言わせると、これは「国家社会主義」だと言う事になります。
【ニュース屋台村】http://www.newsyataimura.com/?tag=%E5%B1%B1%E7%94%B0%E5%8E%9A%E5%8F%B2%E3%81%AE%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AF%E4%B8%B8%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84

国民の大半は、今や死語となっている「国家社会主義」などという言葉は知らないと思います。多少、解説をしておきます。

実は、「国家社会主義」という言葉は、安倍政権の本質をよく表しているのです。

たとえば、戦後日本人が信じて疑わなかった「平和主義」という言葉を換骨奪胎して、「積極的平和主義」なる造語で、軍備増強・武器輸出認可・安保法改悪して海外派兵を可能にする、など、日本国憲法精神の破壊を行いました。

安倍首相が読売新聞と組んで「憲法改悪」の内容と日程を提示しました。この時、憲法九条の条文を変えないで、自衛隊を書き加えると言いました。どこをどう書けば、自衛隊が書けるのか、普通の人間には理解できません。

安倍政権の常套手段は、このやり口なのです。「平和主義」などと言う言葉には正面から反対しにくいので、「積極的」なる言葉を潜り込ませ、「平和を守る事に積極的」と誤解させ、「積極的」に軍備増強・海外の平和維持活動やテロ撲滅に取り組むという意味を付与し、逆の狙いを実現したのです。

「国家社会主義」も同じような意味合いがあります。

・・本来、国家社会主義は、社会主義思想の一つであり、国家権力の補助で、資本主義の労働者に対する弊害を排除しようとする立場を指します。夜警国家の命名や、カール・マルクスの経済学批判の出版にも協力した、19世紀ドイツ系ユダヤ人左翼思想家のフェルディナント・ラッサールらによって体系化されました。「国家社会主義」は、重要産業の国有化と統制経済を柱としており、改革を手段とします。・・
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1337303418?__ysp=5Zu95a6256S%2B5Lya5Li7576p

国家社会主義は、上記の意味で使われていましたが、ナチス(国家社会主義労働者党)の登場により、かなり変質してしまいました。

山田氏が言う「国家社会主義」とは、下の意味で(ナチス的)あろうと推察しています。

・・ナチスの思想は、党(ナチス党)が国家を支配する「党独裁の改良主義」である。ナチズムの創始者ヒトラーは自身が唱える国家社会主義を「ドイツ的資本主義」とも併称しているので、純粋な国家社会主義とは区別する社会主義ならぬ改良主義と思われる(ドイツでは社会という記号への執着がある)日本語訳では「国家社会主義」が最も一般的であるが、内容的には「民族社会主義」が妥当である。National Socialismの場合、ヘンリー・ハインドマンといったマルクス主義者がナチス以前に用いた党名であり、アラブのバアス党なども、ナチスの民族社会主義とは必ずしも一致しない。・・
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1337303418?__ysp=5Zu95a6256S%2B5Lya5Li7576p

今回の加計学園問題でも、安倍首相は、「岩盤規制」に穴を開けると力んでいましたが、ナチスも同じように「党独裁の改良主義」だったのです。ナチスは、この当時、ドイツで非常に力を持っていた左翼政党のイデオロギーである「社会主義」を換骨奪胎して、ドイツ民衆の支持を得たのです。「言葉による支持の確立と言葉による意味の改変」こそが、ナチスの支持拡大の要諦だったのです。

安倍政権のお手本がナチスドイツなのですから、安倍首相の経済政策が、「国家社会主義」的色彩を帯びるのは当然なのです。また、「言葉の言い換えによる意味の換骨奪胎」こそが、ファッショ政権の本質と言う事も酷似しています。本人が社会主義理論を理解しているかどうかは疑問が残りますが、誰かに知恵をつけられている事は確かでしょう。

この種の詭弁的論理が有効なのは、政治の世界であって、経済の世界では効力はありません。まして、これだけグローバル化した世界です。こんな詭弁で、日本が置かれている経済的状況を打開できるはずがありません。今や、「アベノミクス」は、青息吐息。メディアで「アベノミクス」を語る評論家もいなくなりました。皆、生き延びるのに懸命なので、機を見るに敏としかいいようがありません。まあ、メディアに露出している連中は、この変わり身が生き残る肝なのでしょう。

日銀の黒田総裁の任期が来るのですが、後任がなかなか見つからないようです。それはそうでしょう。黒田総裁の後を引き受ければ、それこそ「貧乏籤」を引くどころの騒ぎではなくなります。

異次元の金融緩和をやり続けた結果、国債購入額は五百兆円以上、株価に投入した資金も増え続け、引くに引けなくなっています。(止めれば、株価暴落の怖れ)米国のようにゼロ金利を脱却する「出口戦略」も簡単に描けません。(米国が脱却できたのは、日本と欧州の中央銀行がFRBの代わりに金融緩和したからです。日本に代わって、金融緩和する国家はありません。これも、安倍政権の壮大な日本売り政策だったのです。)

黒田日銀の異次元の金融緩和政策から脱却する「出口戦略」など、簡単に描けるはずがありません。おまけに、日銀委員のほとんどがリフレ派です。そんな中でどれだけの実績が上げられるか。誰にも自信はないはずです。さらに、黒田日銀総裁の4年間は、何とかまだやりくりは出来たかも知れませんが、もはや打つ手はほとんどない状況です。冗談ではなく、完全な「閉塞状況」だと言ってよいと思います。この後、日本を襲うのは何か。想像するだけでも恐ろしいのです。そんな責任は、誰も負いたくありません。

だから、本来なら大変な名誉職であり、経済に関係している人なら誰でもなりたい「日銀総裁」ポストの成り手がないと囁かれています。一説には、黒田総裁の留任だなどと囁かれていますが、それでは日本崩壊が早まるだけでしょう。

この原因は、一言で言えば、安倍政権は常に「裏口入学」政権だと言う事に求められます。日銀も「禁じ手」を連発した「裏口入学」政策を連発しています。悪い事に、この「裏口入学」はすでに全世界の多くの人にばれているのです。

日銀は、「永続的経済成長神話」理論で、買いに買いまくった国債をどうするか、買いに買いまくった株をどうするか、マイナス金利で経営状況が急激に悪化した地方銀行をどうするのか、それこそ「出口戦略」が問われているのです。黒田総裁は、莫大な退職金を手にして、後は野となれ山となれ、と言うわけでしょうが、後を引き継ぐものは大変です。これこそ、如何にも日本的光景です。

これで日本経済の行く末はどうなるのでしょうか。「資本主義の終焉」が囁かれている現在、如何にしてそのショックを軽減し、国民生活を守る経済理論と政策遂行が求められているにも関わらずです。彼らに、新しい世紀のグランドデザインなど描けるわけがないのです。

ここでも壊すのは簡単。立て直すのはどれだけ大変か。古くて新しい問題が山積みです。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
『政治』 ジャンルのランキング
コメント (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『安倍政権 「議論なき政治... | トップ | 閉塞した社会と、嘲笑う「彼ら」 »
最近の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2017-06-21 17:46:56
日銀が買った株って、ETFだけだし、金額的には国債買い入れに比べて、すごく小さいだろ。  それから、長期金利は企業の利益率を表してはいないよ。  まあ、リスクフリーレート(国債利回り)で言えば、インフレ率の予想と短期金利の合計といったところかな。 

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

自民党政治」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL