老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

北朝鮮の核開発と冷戦時代の米中露の核開発競争の脅威の比較

2017-08-02 10:08:22 | 安全・外交
最近北朝鮮が米国に届くミサイルを開発したとの報道に日米韓政府やメディアは大騒ぎしているが、冷戦時代の中ソの核ミサイルは米日韓NATO主要国の各都市を密かにターゲットにしていることは既定の事実(その逆も真)とされていた。

冷戦中これらの情報は極秘にされていたから、あまりメディアも取り上げず大騒ぎしなかったが、冷戦時代の状況と今の北朝鮮のミサイル開発状況とを比較した場合どちらが大きな脅威だろうか、誰の目にも冷戦時代の米中ソのミサイル開発競争の方が遙かに脅威であろう。

今このような比較をするメディアがあれば、国民ももう少し北朝鮮問題を冷静に見れるのではないかと思うが、冷戦時代遠くなりにけりなのか、それとも冷戦時代を熟知している記者が第一線を退いたためであろうか。

そして冷戦終結後、米中ソのミサイルターゲットは相互に解かれたのであろうか。完全な核廃絶がなされない以上、冷戦後の今も解かれていないと見るのが妥当であろう。核を保有している限り、極秘裏に仮想敵国がターゲットにされていないことには核保有の意味もないからである。

実際は北朝鮮のミサイル開発より既に核ミサイルを保持している国の脅威の方が、先般国連で実現した「核禁止条約」採択の大前提のはずである。しかも核保有国は核禁止条約には消極的であり、唯一の被爆国である日本は、韓国と共に米国の核の傘にあるとの理由で条約に同調していない。それゆえ北朝鮮の核開発に反対しても説得力がない。ということは冷戦後の今も冷戦中の核保有国の脅威の方が北朝鮮問題より不気味な休火山と言える。

そもそも今の北朝鮮の状況を許したのは、ブッシュ、オバマ政権の北朝鮮外交の失敗と言える。特に6者協議を中断したことは大きい。この間隙を突いて北朝鮮は急速にミサイルと核開発に突き進んだ。その目的は米国と朝鮮戦争の終結をして平和条約を締結し、国際社会に復帰することが狙いとも言われる。メディアは巷間戦争目的とのとらえ方をしているようだが、どちらが正しいか、米朝協議か6者会議を再開してみなければ分からない。しかし何故か米国が協議に消極的に見える。

その背景には過去にブッシュ大統領が北朝鮮をならずもの国家と位置づけたように、世界の自由主義国家の雄として、独裁国家の存在は許し難いとのプライドがあろう。しかしその裏には現状の朝鮮戦争の休戦協定を維持して、定期的な米韓軍事演習を継続し、米国軍需産業の発展を維持し続けたい軍産共同体の存在が見え隠れする。オバマ大統領も大規模な戦争はしなかったが、軍産共同体の存在は無視できず、北朝鮮との関係改善には消極的で、今の米朝関係の結果を招いたことは否定できない。

そして今は米朝の軍事挑発とプロパガンダ合戦の真っ最中である。しかしこの延長戦上に何があるのであろうか。例えば北朝鮮が米本土に届く核ミサイルを所持したとしても、何倍もの反撃を覚悟して先制攻撃できるであろうか、その様な見え透いた愚行の可能性はゼロに近い。

一方米国が北朝鮮を先制攻撃して何のメリットがあるであろうか。金世襲政権を倒した見返りは朝鮮半島の核による焦土化、在韓米軍と家族の犠牲、日本への北朝鮮のミサイル攻撃等であることを想像すれば、日米韓の被害の方が大きい。米韓朝は当事者であり当然の被害であるが、日本の被害は全くのとばっちりである。

こう見てくるとどちらの先制攻撃も得るものは少なく負の遺産が大きい。8月1日の雑誌「選択」の新聞広告の見出しには、「北朝鮮は核保有国・米議会に承認構想」と出ているが、この見出しは冷戦後も中露が米国、日本を核ミサイルのターゲットにしていないとの保障がない以上、北朝鮮の核保有の脅威は限定的との見方に通じるもので現実的である。それゆえ米中露朝の核開発問題は6カ国協議の中で相互的に管理した方がベターと言える。しかし米国の軍産共同体は大統領に圧力をかけ、このような6カ国協議はしたくないであろう。

最後に、日本政府と一部メディアは北朝鮮の核ミサイルの脅威を必要以上に煽り、内政の不祥事から国民の目をそらすと同時に、対中ロへの日米の軍備増強を吹聴して、米国の軍産業共同体に与しているように見えてならない。これでは永年の日本外交の懸案事項である、ロシアからの北方領土返還と北朝鮮の拉致問題解決は遠ざかるだけで、安倍内閣は外交の本質を見失っていると言われてもやむを得まい。

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