老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

2/16「9条世界会議協賛企画公開シンポジウム」参加報告

2008-02-18 16:19:14 | 憲法
2月10日のブログで紹介の、表題シンポジウムに参加してきました。

このシンポジウムは、来る5月4日から6日まで、幕張メッセ他で開催される「9条世界会議」の成功に向けた、ひとつのステップの位置づけで開催されたようです。「世界へ 世界から」を象徴するように、日本在住の3人の外国人パネリストの話しが中心でしたが、どれも中々興味深いものでした。印象に残った部分をご紹介します。

●ジャン・ユンカーマンさん

4年前、映画「日本国憲法」の準備を始めた時は、日本に対し絶望的な気分になっていた。それは日本の世論がイラクへの自衛隊派遣を許したことと、改憲論に対する護憲派の議論が余りにも貧しかったことに起因する。当時の護憲論は「憲法は宝」「憲法は絶対護る」といったスローガンばかりで、なぜ護りたいかという内容をはっきり言えなかった。

しかし、4年たった今、改憲派の議論に新しさがないのに対し、護憲派は、「イラク戦争を見ろ。憲法を変えてアメリカと共に戦争することに何の利益があるのか?」「世界の中で一番危ない地域は東北アジアである。この地域で日本がどういう役割をとるかが問われている。日本が再軍備すると、アジア地域がだめになる。」という具体的で鋭い議論に変わってきている。

「理想主義の護憲派」と「現実的な改憲派」という一般論(偏見)が、未だにマスコミなどで喧伝されているが、事実を直視すれば、護憲こそが問題解決の現実的なアプローチであることが理解されるはずである。

●朴慶南さん

日中戦争で兵隊として中国に行った父親を持つご家族と会ったり、長崎の加害の歴史を刻んだ資料館へ行ったり、従軍慰安婦だった朝鮮人女性の講演を聴くにつけ、「加害の歴史から9条は生まれた」「誓いとしての9条堅持は、被害を受けたアジアの人たちにどれだけ安心になっているか」を感じる。

●アーサー・ビナードさん

来日した1990年に、第一次イラク戦争(湾岸戦争)が始まった。その時自分は、「アメリカの石油のためのマッチ・ポンプだな」とピンと来たが、「日本の反応は?」と見ると「憲法」の話がやたらと出てくる。アメリカでは様々に憲法違反が平然と行われていて誰もそれを問わず、今や憲法は「古典文学」(「誰もが褒めて誰も読まない」マーク・トウェイン)となっているのにと、驚いた記憶がある。

しかし、時の経過と共に、「普通の国」といったインチキなキャッチコピーが横行し、今や日本の憲法もアメリカと同じような状況になろうとしている。

一方、実は古典には「古典だからいじれない」という強みがある。アメリカの自由の女神の台座に刻まれたエマ・ラザルスのソネット(*)は、アメリカの権力者にとって面白くない詩だが、完璧な内容で一字一句変えることができない。この詩のように、日本の権力者にとって読んで欲しくないのが「憲法9条」とも言える。日本の権力者は、日本国憲法が一字一句変えることのできない古典となって、しっかりした運動の足場になることを恐れている。

私たちは、そんな「日本国憲法」を日常の中で出し、伝え、まず日本の生活者の歯止めとして生かす。自分の住んでいる地域に戻って考え、運動をあきらめずにやり続けることから、対外的ないいなり内閣、いいなり外交を乗り越えていけるだろう。

http://www.juen.ac.jp/shakai/beinichi/kiroku/nyc/nyc4.html

====

「9条世界会議」は、以下の4つの分科会を柱としたイベントを企画しているようです。

分科会1 「軍隊も武器もない世界をめざして」
分科会2 「核時代と9条~ヒロシマ・ナガサキから21世紀へ」
分科会3 「9条とアジア」
分科会4 「平和の文化を築く」

呼びかけ人の中には、品川正治さん他、私たちにとって馴染みのある方が多数名前を連ねていらっしゃいます。この会議が、内輪の満足に終わることなく、日本国憲法の理念を国境を越えて広く共有するステップになればと願っています。

詳細は、以下のサイトをご参照ください。
http://whynot9.jp/

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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2 コメント

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21世紀に益々輝く日本国憲法 (hamham)
2008-02-18 18:38:11
大変内容があり、重みのある記事を読ませていただきまして有難うございました。

ほんとうに平和と民主主義の理念は現実の中に存在するからこそ理念だと思いました。

日本国憲法の存在意義を具体的に誰にでもが分かっていただけるように話す努力の重要さも今更ながら分かりました。


コメント有難うございます (笹井明子)
2008-02-19 10:10:57
hamhamさん

コメント有難うございます。安倍氏退陣後、護憲・改憲論議は沈静化しているように見えますが、自民党政治は変わらず実態先行で改憲の既成事実化を謀っています。私たちも折に触れ、憲法の存在意義について確認しておく必要がありますね。

hamhamさんのブログ名のように、政府やマスメディアの情報操作を乗り越えるためにも、夫々が直接見聞きした情報の交換はとても大切だと思います。今後ともよろしくお願いします。

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