昭和天皇は敗戦後に「人間天皇宣言」をして「現人神から人間天皇」に生まれ変わることができた。しかし、彼は前半生が障害になって生涯人間らしい振る舞いや話しぶりができなかった。そんな昭和天皇が自らの意志で唯一政治的行動を取ったことがある。それは、それまで続けていた靖国神社参拝を、Ａ級戦犯の合祀を機に取り止めたことだ。Ａ級戦犯、それはまぎれもなくかつて自分を政治的に利用した元凶その者たちだ。その後彼は生涯靖国神社に参拝しなかった。これが政治的行動でなくて何だろう。私は彼の政治的行動を称賛する。「これであなたがご自身の前半生をどう感じておられるかがわかり、人間天皇になられたことをはっきりと感じることができました。」と彼に告げたい。