ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

定年数学教師の「宮澤賢治論」二冊

2013年04月28日 | 文学

  

  宮沢賢治の里から、大変ユニークな宮澤賢治論二冊が出た。 

                  

 著者鈴木守氏は、四・五年前まで岩手県の高等学校の数学教師をされていた方である。

鈴木氏は「羅須地人協会時代の宮沢賢治の真の姿を知りたい」との熱意から、「思考実験」をかさねられて「新校本宮沢賢治全集」や現在までの入手可能な参考文献を精査しての論である。両冊とも賢治の地元でなければ、なかなか解明しにくい問題点にきりこんでいるのが見事である。賢治フアン以外の諸氏にも一読をお勧めしたい。

     羅須地人協会の真実ー賢治昭和二年の上京ー   (160頁) 定価 1000円

     賢治と一緒に暮らした男ー千葉恭を尋ねてー     (90頁)  定価  500円 

 発行所 友藍書房   

注文は  〒 025-0068

     岩手県花巻市下幅21-11

     鈴木守         ℡0198-24-9813

鈴木氏のブログ こちらもご覧下さい→ http://blog.goo.ne.jp/suzukishuhoku

 


校本 良寛歌集

2007年06月07日 | 文学

 

    校本 良寛歌集  横山 英

 

  静岡県良寛会関係者によって

  同上 写真のような書が出版された。

 

 あとがき に

 ・・・「文学における作品が、その一字一句を大切にするならば、

作品は常に正しく伝えられなければいけない。」と。

 

 良寛研究者にとっても、また愚生のような良寛フアンにとっても

このような本は待望の書であったことはまちがいない。

 

 


種山ケ原の夜

2007年05月24日 | 文学
 宮澤賢治研究会の例会で、
研究会の会長である外山氏が
劇「種山ケ原の夜」と花巻方言の現在 ー付・「永訣の朝」ー
と題して、ご講演のようだ。

 ホームペイジの案内によると
「今現在残されたテキストを元に、
この方言劇を再現しようと思った時に、
それがほとんど不可能なことに気づかされるのである。」と。
「また同時に方言の知識なしに、
これらを読みこなすことも至難の技である。」と云うことだ。

 そして「今回、文字で表した方言を実際の音声に復元出来ないと
思われる例を紹介する」ということです。
おおいに期待できるので是非多くの参加者に
呼びかけたい。

 さて 「種山ケ原の夜」の最初に出てくる会話に
天気と虹についての会話が出てくる。

 胆沢町史の民俗編2に、俗信 天文気象が記されている
東の虹は晴
朝虹は雨
朝虹にはミノつけよ
朝虹に船越すな、朝虹なれば橋を渡るな
朝虹に川越えするな
夕虹は鎌を研げ、夕虹は天気

朝焼けは雨
朝焼けと姑のケタケタ笑いは油断するな
朝霧は風か雨
朝霜は晴れ
川霜が出ると雨になる
朝露の多い時は晴れる
 等々

この民俗編には、方言が一章設けられている。

 昭和のはじめ頃までの、南部藩と伊達藩の
方言が、賢治さんはこの作品のなかで
どう使いわけていたのか、そのへんまで
お話されて欲しいものだ。
 興味は尽きない題材である。