“A TWILIGHT DE JA VU”= 夕暮幻燈
(おや、前にもこんなことがありましたね
あのときも確か
空は水色と朱色の二重構造で
空の鯨達の腹を 全くうっとりするような桃色に
染めていましたっけ)
(いえいえ そんなことはございません
恐らくそれは
夜でもなく昼でもない そんな微かな時間の
まるで橙色に滲んだ町が
あなたのスクリインに投影した幻像に
ちがいありません)
(なるほど きっとそうかもしれませんね)
(ええ きっとそうです)
19860715
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この[三十六月夜物語]というのは、浪人~大学時代につけていたメモのタイトル。ある日見た夢の中で自分が読んでいた本のタイトルで、目が覚めたときその本の中身は全然覚えていなかったけど、タイトルだけはくっきり残っていてなかなかかっこよかったのでそのまま使ったというもの。
今読むと、当時入れ込んでいた(今でももちろん好きだけど)作家が手に取るようにわかるというなんとも気恥ずかしいものだが、一方ではものすごく純粋に文学好きだったよな、と思わなくもない。
メモのほとんどは断片的なもので自分以外の人にはなんだかわからないものだけど、いくつかはこんなふうにまとまっているものもある。
15~20年近く前のメモだったりするけれど、若かりし頃(笑)の僕がせっかく書いたものなので、ときどきアップしていこうと思う(ネタが尽きたとき対策?)。