CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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トウシロによるプログレ鑑賞、その3 直感による購入って? ストローブスの巻

2016年12月20日 | PROG ROCK
お店に買い物に行ったり、ネット通販のホームページをサーフしたりしていると、ふと目に留まる商品が有る。

別にその商品を買うために、出かけたりあるいはネットにアクセスしているわけではないのだが妙に気になる。

なんだかその商品が私に“俺を買ってくれ~”とアピールしている様にも思える時がたま~にではあるが誰しも同じような経験があるのでは…

私の場合、その昔、とあるレコード・ショップにて、特に何かを買う当ても無く冷やかしでレコード棚を漁っていた時、何故かしら無名のバンドのレコードが私に語りかける。

“そこのお兄さん、このレコード買って行きなって。お兄さんの感性にぴったりだって。 きっと気に入るよ。”

“だけど、このバンドの名前はどっかで聞いたことが有るけど、どんな音を出すのか良く知らないし、LPは月に一枚しか買えないから、失敗は出来ないからね~。”

“そんな事言わないで、まあだまされたと思って買ってよ。将来にも繋がるような、ロックの新しい世界が広がるかもよ。”

と言うような会話はもちろんないわけで、単に心の中での妄想に過ぎないのであるが、直感で買いを決定。

買ったレコードは1974年発売のストローブスのHERO & HEROINEだった。

プログレ・ロック系のタイトル曲のHERO & HEROINEやROUND AND ROUNDも素晴らしいが、このアルバムの肝は一曲目の組曲、AUTUMN。ジョン・ホーケンが弾く美しいピアノの旋律が泣かせる。

ストロ-ブスは1967年に3人組でイギリス・トラッド系フォーク・バンドとしてデビュー。

その後メンバー・チェンジを繰り返し、フォーク・ロックからプログレ系フォーク・ロックへとサウンドが変わって行った。

彼らの名前は、70年代初頭の第二期の5人組ライン・アップでリック・ウェイクマンがキーボード奏者と加入していたことからバンド名のみ記憶に有った。その後リックのストローブスでの活動が高い評価を受けてイエスに引き抜かれた。

このアルバムが発売された頃には、リックのリプレース・メンバーとして加入したブルー・ウィーバー(元エーメーン・コーナー出身で後にビージーズのバンドに加わる)も既にストローブスから脱退。

新しいキーボード奏者としてジョン・ホーケン(元ルネッサンスのメンバー)、ドラムスのロッド・クームス(ジェリー・ラファティーが在籍したスティーラーズ・ウィール出身)とベースのチャス・クロンクらが新しく加入。

新生ストローブスが誕生。そのサウンドは、以前フォーク・ロックよりもロック色を強調したものとなった。

家に持ち帰り早速そのアルバムを聴いてみると、なんと私にドンピシャのサウンドであった。

そしてそこから彼らのアルバムを集め出す泥沼の旅が始まる事となったのであるが、何しろ日本では、マイナーなバンドであったので、旧譜のアルバムはすべて廃盤。

何とか2作は輸入盤を確保、後に出た3作の新譜はその都度購入。

1972年のGRAVE NEW WORLD、基本的にトラッド・フォーク・ロックにプログレの味付け


1973年BURSTING AT THE SEAMS、思いがけなく2曲のヒット・シングルを出した事から、バンドの方向性で意見が分かれその後バンドは分裂


1975年GHOST、基本的には前作HERO & HEROINEと同じ路線だが、ややオーバー・プロデュース気味? タイトルが幽霊でしかもジャケットにもその写真が使用されている恐怖のアルバム。


1975年NOMADNESS、ジョン・ホーケンがバンドを去り、キーボードはリックを含む数名がゲストで参加。組曲は無くなったが、各楽曲それぞれ良くできている。


1976年DEEP CUTS、それまでの所属レーベルA&M UKを離れ、バンド・リーダーのデイブ・カズンズがロジャーグローバーと懇意にしていた事から、ディープ・パープルの OYSTERレーベルに移籍。個人的には、それまでのアルバムと比べると、少しレベルが落ちた様に思える。多分このアルバムのプロデューサーがルパート・ホルムズだった事から、プログレ色が少し薄まり、当時流行のAOR路線に向ったことが、その原因だと思うのだが。ジャケットのデザインもインパクトなし。

その後仕事が忙しくなり、趣味のレコード収集も中断、ストローブスは忘却の彼方へと去って行った。

20数年後の1997年、仕事でイギリスに行く機会があり、たまたま立ち寄った郊外の巨大ショッピング・モールに出店していた今は無きHMVのショップで、彼らの2枚組みCDベスト盤、HALCYON DAYSを偶然見つけ即購入。

アメリカでも同名タイトルでCDが出たが、イギリス盤と選曲が少し異なる。アメリカ人の音楽嗜好性がこれよりよ~く判る。

マイナーなバンドにもかかわらず、20年数年の歳月を経て、再び出会ったということで、1974年の直感での購入は必然だったのかもしれない。

助手:ええ話聞かせてもろた。おーきに、おーきに。(なぜか急に西条凡児風の関西弁になる)

博士:何を寝惚けておるのじゃ! 直感の購入なんて嘘っぱち!

いつも通り後先考えずに、なけなしのお金でつい購入してしまい後悔するいつものパターン。

たまたま、そのレコードの内容が本人に合っていたので、結果オーライだっただけじゃよ。

イギリスのバンドだけが成し得る、格調高い詞にメロディアスなプログレの組み合わせ。このバンドに嵌る人は嵌る。

このバンドでまあ何が一番凄いかと言うと、彼らは未だ現役で音楽活動を行なっていることだろう。それにリックの息子のオリバーは一時バンド・メンバーだったし、さらにオリバーの弟のアダムは現在のバンド・メンバーでキーボードを担当している。

これからストローブスも人気が出るのではと思われた矢先に、リックはイエスに引き抜かれたわけだが、2世代続いてこのマイナーなバンドに参加してきたのは、ストローブスの創設者でありバンド・リーダーのデイブ・カズンズを長年に渡った今でも尊敬し続けているのだろうと思う。

いや~ ええ話聞かせてもろた。おーきに、おーきに。(西条凡児もどき、再度登場)


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2 コメント

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ELPのPが生きてるうちに… (ぷろべんざ)
2016-12-20 19:45:29
一連のプログレ話を読ませていただき、ふと、「生存者がいるうちにプログレ紅白歌合戦でもやってもらえんかなぁ」なんて思ったのですが、そう言えば、女性のプログレバンドってあまり聞いたことないですよね。はたしてテクニック上の問題なのか、それともプログレという音楽が、男だけがこじらせる観念の病気みたいなものなのか…。
狂気や絶望ばかりがテーマの長~い曲を延々流して、パァッと新年を迎えましょう。
(ノ゚∀゚)ノ
Unknown (博士)
2016-12-20 22:06:26
オォー、鋭いご指摘。

確かに、女性だけのプログレ・バンドって聞いたこと無いですね。

ロックだったら、チェ チェ チェ チェ チェ チェ チェ チェリー・ボムのランナウェイズなんていましたけどね。

女性奏者でも、クラッシックやジャズの世界では、有名な方が沢山いるし、村治佳織さんあたりだったら、スティーブ・ハウのパート出来るんじゃないかと。

女性だけのプログレ・バンドが存在しないのは、演奏の技術的な問題でなく、多分女性は“プログレ演奏したい病”に感染しない免疫を持っているのではないかと。

それから、歌合戦は長尺の曲を持ち寄ると、何時終わるか判らないので、各バンド、シングル・エディット仕様でお願いしたいと思います。

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