ロボットを売りたいのなら、機能の明確化と消費者の触れる場が重要 #robopf

2016-12-12 10:00:38 | イベントレビュー
ライター: アスカ



2016年12月11日に東京・秋葉原で開催された「ロボットパイオニアフォーラム009 2016WINTER」。

12時よりスタートした“コンシューマー向けロボットビジネスの動向を占う”というテーマのパネルディスカッションでは、ロボットを開発・販売する登壇者から「ロボットを消費者に体験してもらえる機会をもっと増やすべき」といった声が多く聞かれました。

内容の前に、まずパネルディスカッションに登壇された各社の皆さんがどんなロボットを開発・販売しているのかをご紹介してきましょう。

タカラトミー株式会社からは新規事業部ニュートイ企画部部長の木村貴幸さん。同社では30年前からロボット商品を開発していて、「オムニボット」を2014年から再始動。ドコモと「OHaNAS(オハナス)」も開発しています。
シャープ株式会社からはIoT通信事業本部コミュニケーションロボット事業部チームリーダーの景井美穂さんが登壇。ロボット型のスマートフォン「RoBoHoN(ロボホン)」を開発しています。
ヴイストン株式会社からは経営企画室チーフの鷹野裕さん。人型のコミュニケーションロボット「Sota(ソータ)」を個人・法人に販売し、開発者がロボットコンテンツを作りやすい環境を提供しています。
モデレーターにはロボットスタート株式会社執行役員ロボスタ編集長の望月亮輔さんです。



(写真左からタカラトミー木村貴幸さん、シャープ景井美穂さん、ヴイストン鷹野裕さん)



なかなか思い通りに普及が進まないロボット


ロボットはテレビやネットでも話題にされることが多かった2016年ももう12月。3社のロボット販売は想定通りに進んだのでしょうか。

オムニボットシリーズを販売するタカラトミーの木村さんは「今年でいうと想定どおりではなかったかなと。2014年と2015年と調子が良かったが、2016年は去年と横ばいくらい。倍倍でいくつもりでいたので、もう少し広がってもいいかなと思いました」と、やや想定外だったもよう。



それはシャープのRoBoHoNも同じで、「消費者に買ってもらうまで時間がかかる商品だと思う」と景井さんは言います。店頭できちんとロボットの説明ができる販売員が不足していることにも触れ、「ロボットは実際にいろいろなことができるのに、何ができるのかを(店頭で販売員が説明して)お客様に知っていただくのが大変」と、ロボットならではの悩みを明らかにしていました。




もっとロボットに触れてほしい


景井さんはロボットの売り方の難しさについて、「ネットやテレビで取り上げてもらったことでお客様の認知は高まったが、実際にはデモを見てもらわないと理解してもらえない。スマホを販売していたときとは違う」と言います。高価格帯であることも要因のひとつですが、動きや可愛らしさを目で見て、手で触れて、何ができるのか理解するまではなかなか購入に踏み切れないわけです。

これには開発者向けの需要が多い人型コミュニケーションロボットSotaを販売するヴイストンの鷹野さんも踏み込んでいて、「ロボットは経験ベースで魅力が伝わる。世間の期待は大きいもののロボット側から(消費者に)歩み寄ることは現状難しく、消費者がロボットにもっと近寄ってきてほしい。ロボットが使われやすい世の中になっていくことを望んでいる」と、本音を語ってくれました。今購入している人は好奇心が旺盛で、かなりITリテラシーが高い人であると言えそうです。



木村さんも「ロボットに直接触ってもらうと良さがわかるし、生活にあったら便利だなということがわかってもらえる」と言っていました。



「何でもできる」が売りづらい要因にも


一般消費者だけでなく法人向けの開拓について景井さんは「コンテンツを持っている企業がロボットを使ってどうサービスを展開できるか。先のCEATEC JAPANではJTBが旅行に連れて入って現地で観光案内するといったサービスを展示していた」とのこと。現地ガイドの役割をRoBoHoNがはたしてくれると、普通のスマホやタブレットで自分で調べるよりもなんだか親しみやすさがありそうです。



また、何でもできるロボットとは逆に、単純化して売り出すことでターゲットを絞れることにも話がおよびました。鷹野さんは「ロボットに特定のアプリケーションを乗せて、このロボットはこれができますと単純化も必要」と、例えばプレゼンができるロボットとして訴求し、プロジェクターとセットで販売するなど切り口を変えていく例も。

終盤に、木村さんは「(お掃除ロボットの)ルンバが登場したとき、ロボットじゃなくてもいいじゃん!と言われていたが、触れる売り場や口コミのおかげで利用者が広がった」と言及。ルンバは掃除に特化したロボットであり、家電量販店などで気軽に見て体験できる場が多いことから、国内で200万台を販売。機能に特長のあるロボットは消費者に理解してもらいやすいと言えます。



ひとくちにロボットは便利と言っても、どう便利なのかを消費者に伝えることがカギとなりそうですね。


まとめ


パネルディスカッションは“コンシューマー向けロボットビジネスの動向を占う”というテーマでしたが、非常に面白かったです。3社の担当者からは、お客さんにもっと触ってもらえる場を増やしたい、ロボットで何ができるのかをもっと明確にした方がいい、コンテンツとの結びつきが重要、といった声が多かった印象を受けました。会場にいたロボットエンジニアをはじめとするたくさんの参加者はどう感じたでしょうか。今後の3社の動向にもぜひ注目です。



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