To Read, or Not To Read, That Is The Question

読むべきか、読まざるべきか、それが問題ダッ。

フレデリック・フォーサイス 『アフガンの男』

2014-08-27 | 海外作家 ハ
長い間、当ブログをほったらかしにしてしまいました。すみません。
関東では昨日あたりから涼しくなりましたね。
秋の夜長、読書が進みます。楽しみ。

この作品は、記憶がたしかならば、作者のフォーサイスが断筆宣言をした
あと、2001年9月に同時多発テロが起こって、引退撤回をして書いたもの。

東西の冷戦が終わって、西側自由陣営には明確な”敵”と呼べる存在が
いなくなったわけですが、新しいタイプの”戦争”が出てきたわけで、
これにはフォーサイス、いてもたってもいられなかったのでしょう。

2006年、パキスタンで、前年に起きたロンドン自爆テロの犯行グループ
を見つけ、その潜入先に突入、しかしその際に幹部とされる男は死亡。
彼の持っていたパソコンを解析すると、そこには、アルカイダのある
”作戦”が残っていました。

しかし、イギリスとアメリカの諜報部はアラビア語の解釈に手こずり、
コーランの専門家を呼びます。

パソコンにあった「アル-イスラ」とは、専門家によれば、ムハンマドの
”啓示”を指していて、学者の間でも、これは神聖な奇跡なのか、あるいは
夢(空想)だったのか議論が続いているところ。

それが、何らかのテロの作戦だとしたら、何を意味するのか。

ロンドン大学のコーラン研究の第一人者、テリー・マーティンは、この問題は
現地に行ってアルカイダに潜入でもしないと分からないだろう、と言いますが、
原理主義者の中に入ってバレないような”人材”などそう簡単に見つかりません。

テリーは車の中でボソッと「自分の兄だったら・・・」とつぶやきます。

それをCIAは聞き逃さず、テリーの兄を照会、マイクは元英国軍特別空挺部
の大佐。現在は除隊して、イギリスの田舎で廃屋を買い取り、修理にいそしんで
いるところ。

そんなマイクのもとに米英の諜報部が訪れます。弟のテリーの外見は白人なのに、
マイクの肌は褐色。というのも兄弟の祖母はインド人で、その血がマイクだけに
濃く遺伝したのです。

かくして、マイクはアフガン人になりすまし、「アル-イスラ作戦」の内容を
知るために潜入することに・・・

「原理主義」とは何なのか、ソ連のアフガン侵攻からタリバン、アルカイダは
どう関係してきたのか。作中で「多くの人はイスラムのことを知ろうともしない」
という言葉があり、まあ知ったからといってテロを許すとかそういうわけでは
ありませんが、決め付けで否定したくはないので、そういった意味で、この本を
読んで良かったな、と。

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