交通機能が一時マヒした東日本大震災直後の東京圏にあって，コンビニの明かりは頼もしく映った。全国に４万４０００店，公共料金の収納代行，ＡＴＭ設置，宅配便の取扱と，物販だけでない多様な機能を備え，いまや社会のインフラの柱ともなったコンビニ。チェーンごとの業績格差が広がる中，「寄らば大樹」で，業界再編きが加速するであろう。
◆ダントツのスピード－セブン-イレブンの対応
小売業では今回の震災で水も漏らさぬ企業力を見せつけたのは，セブンイレブン。東北の１２の弁当工場すべて，１４の配送センターすべてが被災したが，関東と新潟・北陸等の工場から即座に商品を供給。
近隣のセブンイレブンの店に弁当・おにぎりが並んでいるのを見て，他チェーンの加盟店が「セブンに変えるぞ」と本部を怒鳴ったという話，別のチェーンのトップが商品部を「ぼんくら」と怒鳴らたという話が業界で語られるほど，スピードの差は歴然だった。
セブンイレブンは各配送センターに常時,非常時用の車両を置いている。また全店に非常用バッテリーを設置しており，計画停電中も慌てず営業を継続できた。まさに日頃の備えが生きたわけだ。
《Source 「激流 2011/6 14~15ページ》
◆セブン-イレブンは2011年３月，鹿児島へ初進出
セブンは3月，鹿児島県へ初進出し，3年間で200店舗と一気に集中出店する。同社は，「未進出県もまだ8県あり，成長余地がある」とする。
セブンは、宮崎県内にある弁当工場や配送センターを活用するため，まずは宮崎に近接する鹿児県霧島市などから，じわじわと同県内に広げる計画でいる。今後3年内で一気に県内200店の出店を計画している。
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激流 2011年 06月号 [雑誌] |
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⇒「セブンイレブンが高齢社会を見据えたモデルチェンジ」については，『 「身の丈」を強みとする経営』の，ｐ８０～８３で詳しく解説しています。
⇒関連ＨＰ 「マーケティング＆マニュアルゼミ」
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『 「身の丈」を強みとする経営』（日本経済新聞出版社刊）。本書は，性急な業容拡大は弊害が多いとして，堅実な発展を目指して，自らの分を知り，ライバルの動きに惑わされることなく，マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を貫く経営姿勢を「身の丈経営」とし，縮小の時代の小売業経営のあり方を考察しています。
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「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」 |
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