『卒業式まで死にません 女子高生南条あやの日記』 南条 あや
(新潮社 2000年・新潮文庫 2004年 / ISBN 4-10-142021-1)
13歳からリストカット、鬱など心の病を患っていた、
当時女子高校生の「南条あや(ペンネーム)」のHP上での日記です。
もともとは「町田あかねのおクスリ研究所」というHPの一部だった
「現役女子高生あやちゃんのお部屋」の日記が人気となり、
「南条あやの保護室」というHPを立ち上げ、独立して日記を更新します。
心の奥底には、とても深くて痛くて辛いものが潜んでいるのに、
イタいくらいに明るくポップな感覚の文体で、日々を綴っていきます。
「ここは暗くて怖い」「この世界は、おかしくて残酷で、そして哀しい…」
しかも、精神科通院・入院、服薬状況等々、内容は猛烈にリアル。
度重なるリストカット・自殺願望(未遂)と闘いながら、
「高校は卒業します」と誓い、なんとか無事に高校は卒業しました。
しかし、その半月後…
南条あやは、既に他界しています(1980-1999)。享年18歳。
下北沢のカラオケボックスでの「向精神薬中毒による推定自殺」。
生前の、リストカットや極端に頻繁な献血の影響で、
致死6時間と思われる量でも、服用後推定3時間ほどで逝去(合掌)。
書籍化されたのは、HP上での内容全部ではありませんが、
ヘラヘラしながらも痛々しく思う感覚は、充分に伝わります。
孤独で苦しい若い方に、一度は目を通していただきたい一冊です。