真理を求めて20年

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ハリケーンマシュー

2016-10-15 00:37:20 | 日記
ハリケーンで3mの高潮も、沈みゆく米南東沿岸部
被害は深刻化する一方、フロリダ州は海面上昇対策の不十分さを露呈
10月7日、大型ハリケーン「マシュー」が米国フロリダ州からノースカロライナ州にわたる沿岸部を襲い、高潮による大きな被害をもたらした。この10年間で最大級とされるハリケーンの到来は、海面上昇に対する警鐘となるのではないかと、気象学者のアンドレア・ダットン氏はみている。
米フロリダ大学で地質学を教えているダットン氏は、被害を受けやすい沿岸地域へ注意を促す。
「この辺りの都市が開発された頃、海面はとても安定していました。私たちの生活は、すべて海岸線が安定しているという前提の上に成り立っています。しかし、そうした常識は通用しなくなります。海岸線との関係を再定義し、さまざまなことを見直さなければならない時代に入っているのです」
しかし、東海岸の地域では、海岸より海面が上がってきているにもかかわらず、州や連邦政府の議員がいまだに気候変動の有無について議論しているところもある。
フロリダ州のマイアミビーチやフォートローダーデールでは、満潮時には必ず冠水する場所がある。だが、リック・スコット州知事は気候変動の話題を避けることで知られており、上院議員の再選に立候補したマルコ・ルビオ氏も気象科学を受け入れていない。ノースカロライナ州では、アウターバンクスの名で知られる砂州が危機的状況であると研究者が指摘しているが、議員はその海面上昇の影響を調査する活動を禁止する措置をとった。
環境変化に適応するためには大規模なプロジェクトが求められるが、そうした予算を組める都市や郡はほとんどなく、実施される対策のほとんどは地域レベルのものとなっている。
「やはりハリケーンで大打撃を受けたルイジアナ州は、海岸線に関するさまざまな対策や各種の分析を行っていますが、フロリダ州では皆無です。これはショックとしか言いようがありません」
200万人が高地に避難
全米気候評価報告は、米国東海岸の海面は30センチから120センチほど上昇し、強い嵐が頻繁に発生するようにもなると予測している。今回、200万人以上を高地に避難させるほどのモンスター・ストームに成長したハリケーン「マシュー」がいい例だ。
ハイチで数百人、フロリダ州で4人の死者を出し、カリブ海地域に大きな爪痕を残したマシューは、その後、風力を弱めながらもゆっくりとサウスカロライナ州を横切り、沿岸部に大雨と高潮による被害をもたらした。
フロリダ州北部の観光都市セントオーガスティンでは、3メートル弱という記録的な高潮が観測された。ジョージア州のティビーアイランドでは、満潮と高潮が重なり、海抜の低い砂州が水没した。
総延長2000キロを超える海岸線が連なり、海岸沿いに1800万人以上が住むフロリダ州は、世界的にも海面上昇による被害が特に深刻な場所の1つだ。しかも、海岸沿いの土地開発は絶え間なく続いており、その被害は深刻になる一方だ。
2005年にハリケーン「ウィルマ」に襲われてから、しばらくの間フロリダ州にハリケーンが近づくことはなかった。その間、莫大な金額が海岸地域の開発につぎこまれ、130万人が移り住んだ。ハリケーンによる高潮の被害についてほとんど何も知らないまま、危険な砂州に住んでいる人も多い。
サウスフロリダは、24年前にハリケーン「アンドリュー」に襲われた。再建にかかった費用は、1992年当時の額で250億ドルにのぼる。この辺りの海面の上昇は、2100年までに2メートル弱と、全米平均よりも高いと予測されているが、さらに時期が早まる可能性もあるとして研究が進められている。
ダットン氏はその答えを探すため、地球の前回の温暖な時代(間氷期)の海面について研究している。当時、海面が最も高くなったのは、約12万5000年前、最終氷期が来る前のことだ。極地の温度は現在より数度高かっただけだが、海面は今より6~9メートルほど高かった。
「一夜にしてそれほどの海面上昇が起こることはありません。しかし、2100年に1メートルほど上昇するとしても、それで止まることはないでしょう。人口が集中する海岸部を開発するのではなく、避難場所を開発する方がいいのかもしれません」と、ダットン氏は語る。
対策が急務
現在のところ、避難について話したがる人はほとんどいないと、サウスマイアミの市長で科学者でもあるフィル・ストッダード氏は語る。人間は、悪い状況下に長いこと居座ったあげく、慌てて行動するものだという。
ゆっくりと進む海面上昇によってサウスフロリダの地形が変わるよりはるか前に、ハリケーンの直撃によって大脱出が起きるのではないかと、ストッダード氏は予想している。
こうした見方をしているのはストッダード氏だけではない。2年前、マイアミの市民団体の代表者たちがオランダの建築家やエンジニア、水の専門家のチームを招き、将来、海面が上昇したときの対策について助言を受けた。専門家たちは、必要な設備を整えるほか、新しい公園に湖を兼ねた貯水池を作るといった、さまざまな提案をした。
このようなプロジェクトによって、マイアミは上昇する海面と共存し、水没を回避しながら長く生き延びれるかもしれない。中世からずっと洪水と戦ってきたオランダも、ハリケーンがもたらす差し迫った脅威を認識しており、計画の立案や設備の建設を急ぐよう提案している。
ハリケーンで大打撃を受けたニューオリンズの復興を手伝ったオランダの治水専門家ピエル・ディルケ氏は、こう語る。「奇妙なことに、被害を防ぐために投資をしようという人はほとんどいません。洪水が起きれば誰もがそうします。しかし、それでは手遅れなのです」




ハリケーン「マシュー」で被害に遭った祖母 孫が意外な方法で安否を確認
災害時に停電などの被害が発生した場合、遠方にいる家族と連絡が取れないということが往々にしてある。そんな時に、何ともユニークなアイデアで遠く離れた祖母の安否を確認した孫がいた。米メディア『ABC News』が伝えている。
風速60メートルに達し、中心気圧は939hPaを記録したハリケーン「マシュー」は、ハイチで1000人を超える死者を出し、フロリダ州でも4人が死亡するという大きな被害を生み出した。
米フロリダ州周辺では各地に避難命令が出されており、100万人以上が停電の影響を受けた。ディズニーワールドも閉鎖されるという異例の非常事態となった。
同州パーム・コーストに1人で暮らすクレア・オルセンさん(87)も自宅が停電したため、サウスダコタ州に住む息子やネブラスカ州にいる孫家族と連絡が途絶えてしまった。
7日に話したきりで連絡がつかない祖母の安否を心配した孫のエリックさんは、祖母が住むエリアの消防署や警察へ電話をかけるも誰も出ない状態だったという。そして9日のこと、まだ連絡が取れずにいたエリックさんはあるアイデアを思い付いた。
それは、クレアさん宅にピザのデリバリーを依頼することだった。エリックさんは「デリバリーが無事にできるということは祖母は安全に違いない」と思ったそうだ。
「Papa John's(パパ・ジョンズ)」というピザのデリバリー店にクレアさんの住所を教え、ピザが無事に配達できれば自分の携帯電話に連絡して欲しいこと、そして祖母に電話を代わってもらいたいことを告げた。
そしてデリバリースタッフは、無事にクレアさんにピザを届けて電話をエリックさんに繋いだ。エリックさんは「祖母の声を聞いた時は、本当に安心しました」とのちに『ABC News』に語っている。
またクレアさんもインタビューを受け、今回の出来事をこのように話した。
「停電で電話が繋がらない状態だから、ピザなんて頼むわけないのにデリバリーが来て。詐欺かと思って『頼んでないわよ』って言ったら『お孫さんからですよ』って言われて驚いちゃったわ。」
2日ぶりに電話で孫と話したクレアさんは、「おばあちゃん、心配したよ。無事でよかった! お腹空いたでしょう?」というエリックさんの声を聞いて、遠く離れた孫の優しい心遣いに感激したという。
エリックさんは「警察も消防署もできなかったことを、パパ・ジョンズは30分でできたんだ。みんなどうして警察に連絡しなかったのかって聞くんだけど、もちろんしたさ。ピザのデリバリーは最後の選択だったんだ」と話している。
クレアさんによると届いたのはペペローニピザだったそうだが、エリックさんの愛と思いやりがたくさんトッピングされたピザはおそらく格別の味だったに違いない。
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