敗戦前後の「父の日記」を読む

昭和19年当時の世相、生活状況、父の考え方を読む。

塩、醤油の配給

2011-09-04 23:38:56 | 日記 戦後編
昭和二十一年六月五日 曇 二、三直出勤

 昨夕一旦雨が止んで太陽がさっと輝いて来たが今日は又曇、今にも雨が来そうな暗い空模様だ。
今日、間引いた小松菜の種は十丁目の停留所近くに出る種屋から買ったのだが矢張沢山他のものが混じって居る。 小松菜が八割、あとは京菜、白菜、山東菜、芥子菜等が生えている。 戦争で種不足の結果斯様なものを売るようになったのだ。 一例ではあるが斯様に商人の悪徳が一般化して来ている。 日本の再建も悪徳をなくしてからでなければ駄目だ。 それには政治ももっと強力にならねばならぬ。 勤人は勤人として、商人は商人として各々の職業に依って生活が立ち その職業に専念し精進するようにしてやらねばならぬ。

 昨日醤油の配給があり 今日塩の配給があった。 
昨夜雑炊するのに腕豆と鯖の缶詰、大根葉等を入れ醤油を使用したら非常に美味しかった。
さて塩の配給だが九人分 二円三十四銭で約五百匁ある。先日五百匁を闇で買ったら 八十二円五十銭だった。 もっと配給が高くてもよいから闇を買わないで済むよう菜仕組みにして貰いたいものだ。