風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2012-8北海道・青森ドライブ周遊記5

2012-08-25 | 東北
[青森→三厩→竜飛→十三湖→鰺ヶ沢→十二湖→深浦]

今朝も早起きしました。今日はもうネットが使えなくなるかもしれないので、メールをひとしきりチェック。
少し早めにホテルをチェックアウトし、駅前を散策している途中でまみちゃんの車に拾ってもらいました。
いつも、まみちゃんのかわいらしい車に乗せてもらっているので、猫バスのように大きな車が目の前に停まってびっくり。
旦那様のテルさんの車でした。ファーストクラスのようなサルーン!
今日から一泊二日で、まみちゃんファミリーと一緒にドライブ旅行に出かけます。お世話になりまーす。
二人のガールズ、ヒーちゃん、コーちゃんにもご挨拶しました。二人とももじもじして、かわゆーい。

 

朝から暑いくらいに天気のいい日。車は滑り出すように快調に港の前を通っていきます。
青森の道も、まっすぐで北海道みたい。
今回は、私の希望に合わせて旅のプランを練ってもらいました。
とってもありがたいわ。無茶な行程になっていないかしら。
津軽半島へと向かいます。途中、まみちゃんの家を教えてもらったりしながら(つまり私を迎えに、逆方向になるのに駅まで来てくれました)、海沿いに北上していきます。
10年前にまみちゃんにドライブしてもらったのと同じルート。
海を右に見ながらの海岸線コースは、とても爽やか。

○ Oh!だいば

 

「Oh!だいばというところがあるんだよ」と聞いて、「なにそのネーミング~!」と笑っていたら、本当にありました。
道の駅の名称でした。青森にも台場という場所があるんですね。
ここにも、津軽藩が外国船対策として築いた土塁があるそうです。
お台場があったりベイブリッジがあったり、やっぱりここはワンダーランド。
ちっとも知りませんでした。もっと大々的にアピールしてもいいのに。
住所は、青森県東津軽郡外ヶ浜町平舘太郎右エ門沢1。
カッコよすぎます。

○ 義経寺

実際に車でたどってみると、なかなか距離があり、津軽半島の大きさを実感します。
気になる場所をあれこれ挙げてみた中に「義経寺」と「キリストの墓」というトンデモ系・伝説系があり、今回はその義経寺(ぎけいじ)に寄ってくれました。

場所はちょうど三厩(みんまや)の厩石のあるところ。
源義経は平泉で死んだわけではなく、実は北に向かって進み、この地で陸路を絶たれたために海に祈りを捧げると、海から三頭の竜馬が現れて、彼を蝦夷の地へと運んだという義経北行伝説に、三厩という地名は由来しているそうです。

 

きつい石段を、みんなでハーハーいいながら上って、山の上のお寺まで参拝します。
外で修行中のお坊さんはいましたが、ほかに参拝者のいない静かなお寺。
そして、眼下には海が一望でき、見晴らし満点。

 

太宰治の『津軽』中にもこのお寺の描写があり、彼もここまで上がってきたんだなあと思いながら、海を眺めました。

仁王門の仁王は木造で迫力満点。
まみちゃんは、花型ニップルがとっても気になったようで、写メに撮っていました。
確かに、彫士のこだわりを感じるわ。

 

お寺から望む厩石。子供の頃、この岩窟前に何度か連れてきてもらいましたが、歴史と伝説の区別がつかない頃だったため、話がごっちゃになり、読めない地名の難しさと相まって混乱していました。
今回ようやくすんなりと理解することができました。
あれ、でも三頭っていったら、義経と弁慶と、もう一人しか海を渡れなかったの?
その辺は深く考えちゃだめ・・・?

ご朱印をいただこうと思い、社務所を訪ねました。
くるくる走りまわっていたガールズが私についてきたら、お寺の女将さんは、彼女たちにお菓子をくれました。
ありがとうございまーす。ほうら、新しいママについてらっしゃい。

○ 竜飛岬

 

そして辿りついたのが、竜飛岬。
ここも来たかった場所です。
何度も訪れてはいますが、10年前にまみちゃんに連れて来てもらった以来だし、辰年の今年は、龍のパワーをまっすぐもらえる気がして。
日本有数の強風地帯でいつも風が強く、本当に龍が悠々と風に乗っていそうな場所。
ウィンドパークには、11基の白い風車も周っています。
3000軒分の電力をまかなう、国内最大級の規模なんだとか。
スカートがめくれそうなほどの強風にあおられて、キャーキャーはしゃぐかと思いましたが、今回はそこまでではありませんでした。

 

「ここは本州の袋小路だ。読者も銘記せよ。諸君が北に向かって歩いてゐる時、その路をどこまでもさかのぼりさかのぼり行けば、
必ずこの外ヶ濱街道に至り、路がいよいよ狭くなり、さらにさかのぼれば、すぽりとこの鶏小屋に似た不思議な世界に落ち込み、
そこに於いて諸君の路は全く盡きるのである。」

太宰治の『津軽』の一節。
大間崎や宗谷岬は行き止まりではありませんが、竜飛崎はまさに道の果てです。あとは風が舞うのみ。
なんと、夢と悲しみを味わわせる場所なんでしょう。


 

すてきな橋ができているのを見つけたので、通ってみました。
欄干が竜になっており、カンボジアのアンコールワットで通ったナーガ(蛇)の欄干橋を思い出します。
吉田松陰の碑があり、(彼は長州からここまできたの?)と驚きました。
ここにゆかりがあるのは、「津軽海峡冬景色」と太宰の『津軽』だけかと思いましたが。
彼は、津軽海峡を往来するロシア船と日本の防備状況を視察するため、遠い津軽まで出向いたようです。

 

下をのぞくと、ここは万座かと思うほどに青く透き通った美しい海。絶景に息をのみます。
浅瀬は珊瑚礁のような青青とした色で、うっとりします。
見とれて、うっかり飛び込まないように気をつけないと。
「火曜サスペンス劇場で、この地が舞台で、ある時間がくると風向きと潮流が変わることをふまえた殺人事件をやってたよ」とテルさんが話してくれました。
「ヒー、死体が浮かんでくるの?」「こわい~」と、一緒におびえるまみちゃんと私。
「ドラマだよ、ドラマ」と言いながら、私たちの同じリアクションに、彼は笑っていました。

階段国道も通りました。ここを通るのも何度目かですが、来たからには歩かないとね。
そして道マニアに自慢するのですー、ふふ。

 

青函トンネル記念館も見てみる?と聞かれましたが、今回は外からだけにします。
外にも実際に使用されたのシールドマシンやトンネル・ボーリング・マシンが、朽ち果てたような状態で展示されていました。
線路は3本。通常の電車サイズのほかに、やがて開通する新幹線用の幅のものが据えられています。
テルさんの説明を、すでに鉄道好きにレクチャーされていた私はふんふんと聞きましたが、まみちゃんはピンとこなかったようで、「こんなに小さな電車が通ったの?」と、普通列車と新幹線の差でしかない細い隙間を見て、驚いていました。
「そっちじゃないよ!」とすかさず突っ込むテルさん。「そんな電車、細すぎて人も乗れないよ!」と一緒に突っ込む私。
「そういえば電車って、なんで線路からずれないんだっけ?」とさらに気になる様子のまみちゃん。
レクチャー前の私と同じ反応です。うーん、血は争えないわ。

 

それから再び車で坂を下りていきました。このカーブは半端なく、前に来た時には酔ってしまいました。
今回もきついかなと思いましたが、テルさんは運転のプロなので、滑るようなドライブテクニックで気持ちが悪くならずにすみました。

○ 十三湖

津軽半島北西部は、電車も通っておらず、車しか交通手段はありません。
ガイドブックにほとんど載っていないので、観光客もほとんどおらず、その静けさがお気に入り。
ずっとミステリアスなままでいてほしいと思うけれど、もっと観光アピールしたらいいのにとも思います。

 

それから十三湖へ向かいました。和歌山で昼食にします。
頼んだのは、特大シジミラーメン!きゃあ、いとしのシジミちゃーん!

 

10年前にここで食べた時のおいしさが忘れられずにいたので、飛び跳ねんばかりに大喜び。
普段はほとんど残すスープですが、ここでは喉が渇くのを覚悟で、ほぼ飲みきりました。
十三湖のシジミを、私はこれからも無条件で愛し続けます!(プロポーズみたい)

○ シャコちゃん

亀ヶ岡遺跡の辺りで、シャコちゃんの白い像も見ました。
「写真に撮る?」と言ってもらいましたが、10年前に撮影済み。
縄文時代のシャコちゃんこと遮光器土偶は、日本で最古参のマスコットキャラかもしれませんね。

○ わさお

それから、鰺ヶ沢のわさおに会いに行きました。
ガールズも「わさおー、わさおー♪」と大歓声。

 

わさおはいましたが、とにかく暑さにへばっているようで、反対側の扇風機の方向ばかり見ており、こちらにはいっさい愛想を振りまいてくれませんでした。
まあ、こんなに暑かったら、ワサワサした毛のわさおは大変でしょう。
でも刈ってしまうと、もうわさおじゃなくなっちゃいますからね。

 

「そういえば、わさおって何犬なんだろ?」「秋田犬だよ」「うそーっ!?」
短髪シャッキリの秋田犬とヌーボーとしたわさおとのギャップに、びっくりしました。

 

車の下で、ネコもぐったり。青森だって暑いんです。

○ 千畳敷

それから千畳敷へ行きました。
ここに来るのは初めて。こんなに広い、不思議な岩の光景があったのね。
1792年(寛政4年)の地震で隆起したそうです。ロシア使節のラクスマンが日本を訪れた年でした。
よっぽどすごい地震だったんでしょうね。
宮崎の鬼の洗濯岩を思い出しました。
津軽藩の弘前のお殿様がおもしろがって、ここに千畳の畳を敷かせて大宴会を開いたのが、地名の由来だそうです。
なんて豪放磊落な殿なんでしょう。
藩政時代には殿様専用の避暑地だったそうですが、日影がない石だらけの場所のため、暑くて避暑どころではありません。
暑さに参って、ほとんど機能停止していながらも、弾丸のように飛び出していくガールズが岩場でけがをしないよう、がんばってそばについていました。

 

それからさらに車は日本海を南へと下っていきます。
単線と平行しており、それが五能線だと気づきました。
「海沿いになった鰺ヶ沢辺りからずっと一緒に走ってたよ」
国道101号線ということですね。いろいろ舞い上がっていて、気付かなかったわ。
今日も岩木山はもやで見えませんでした。

○ 青池

車は深浦を通りすぎ、白神山地に到着しました。
十二湖に着いたのです。
十三湖の次には十二湖。
一戸、二戸、八戸のように、てっきりそういう名前の湖があり、数字で区別されているのかと思いましたが、これは12こあるような湖という湖沼群の総称でした。
ちなみに十三湖も、もとは「十三湊(とさみなと)」で、特に13という数字が関係するわけではありません。
でもそう思っちゃいますよね。

 

訪れる人は、私たちしかおらず、静けさと自然と絶景貸し切り状態でした。
歩いて鶏頭場(けとば)の池をすぎ、青池へ。
神秘的な青色が広がっています。
ただ夕方近くなっており、日が射さなくなった時間のため、日光に照らされてキラキラはしていませんでした。
それでも、見れば見るほど引き込まれそうな、不思議な青い色。しばし見とれます。
青池がなぜ青インクを流し込んだような美しい青色なのか、現代科学でも解明できない謎なんだそうな。
すてきだわー。そのまま秘密を保って、神秘的に輝き続けていてほしいものです。

 

帰る途中、ブナやミズナラでうっそうとした鶏頭場の池に向かって、ガールズが「ヤッホー!」と何度も叫んでいたら、ヘビが出てきたので、みんな怖がりました。
ガールズはパパのもとにかけより、コバンザメのようにぴったりとくっついて離れません。もてもてのテルさん。
まみちゃんと私がヘビにカメラを向けていたら、「なんで写真に撮ってるのー?」と納得いかない様子。
だってヘビ好きなんですもーん。なんて言ったら、ガールズが口を聞いてくれなくなりそうなので、黙っていました。
でもパパもヘビは苦手なんだそうです。ガールズは、よっぽどびっくりしたのか、なかなかパパから離れようとしませんでしたが、そのうちリスが出てきたら、「わあ、かわいい」とすぐに元気になりました。

○ みちのく温泉

今日の観光はこれですべて終了。宿へと向かいます。
宿泊先は、深浦のみちのく温泉
敷地内に大きな水車があって、驚きました。日本一の大きさだそうです。
先日の四国旅行では、安並水車群を見そびれてしまいましたが、これでじゅうぶんお釣りがきそう。

 

水車は高さ11m、直径22mの大きさ。樹齢300年の青森ヒバで作られているそうです。
ヒバ大好きな私は、「いいなあ、のぼってみたーい」とつぶやきました。
「上に上れるらしいよ」とテリーさんが言ったのを、嘘かと思って「えっ?」と聞き直します。
「ハツカネズミのように、くるくる走りながら上るのかと思った」と言ったら、「んなわけないじゃん!」と大笑いされました。
いや、でも、だって~(^o^;)

子供の頃から「見かけは全く違うけれど、性格が似ているからやっぱりイトコだね」と言われてきたまみちゃんと私。
テルさんにも何度も笑われてしまいました。私たちの会話の、聞くもビックリのボケ具合がそっくりだそうです。
うーん、否定できないわ。
確かに、小さい時からしっくり感覚が合う彼女とは、姉妹もしくは双子のような気がしてなりません。
ただテルさん、あなたと私もイトコになったっていうこと、忘れないでねー、うふふ。

 

宿のすぐそばを、リゾートしらかみが走っていきました。
夕陽の美しさに、言葉を失くしてただ見とれます。
以前、市浦で見た日本海に沈む夕日の美しさが忘れられずにいますが、ここ深浦も日本海の入り日の美しさで知られているとのこと。
津軽半島西海岸、岩崎・深浦・鰺ヶ沢辺りの西浜ロマン街道(日本海シーサイドライン)の夕日は、特に美しいと言われるそうです。
10年前も今も、美しいまま。なぜこんなに入り日が印象的なんでしょう。空気が澄んでいるから?

 

夕食は豪華でした。生きたあわびが鍋にかけられています。
「これは動画を撮る方じゃない?」と言われましたが、ちょっとかわいそうだったので、写真だけにして、おどり食いならぬおどり焼きをいただきました。
身が分厚くて、とっても食べでがありましたー。

 

茶碗蒸しには栗の甘露煮が入っていました。
青森だけと知ったのは、つい最近のこと。母の栗入り茶碗蒸しで育った私は、銀杏が入っていると、がっかりします。
(そうそう、これでなくちゃ~♪)と、満足しました。

 

食べきれないくらいたくさんの御馳走。まさに、鯛や平目の舞い踊りでした。
おいしくって、私も踊っちゃう!(親戚の恥になっちゃう!)

 

それから温泉へ。源泉掛け流しの天然温泉です。
遊離二酸化炭素含有量日本一の温泉なんだとか。そういわれてもサッパリですが、いいお湯ってことですね。
内湯は入れないほどに熱く、露天は少しぬるくなっていました。
さらに少し歩いていった線路沿いにも、女性露天風呂はありましたが、そこまで裸で歩いて行く勇気が必要。
かなり見晴らしもいい場所なので、(あれじゃ落ち着けないね)と断念しました。

夜はみんなで、枕をならべて寝るものかと思いきや、テルさんだけ一人部屋です。
「ほんとうなら私が個室に入るべきなのに。そもそも一緒の部屋で全然構わないのに」と大恐縮しましたが、「いや、ドライバーなのでちゃんと寝たいから」と言ってもらいました。
確かに、そう言っている彼の背後では、ガールズがキャッキャッとはしゃぎながら布団にジャンピングダイブしており、せっかく引いた布団がもはやぐちゃぐちゃ。
これではパパ、すぐに寝られないわね。
「娘こたちの世話をよろしくね」「ハーイ!」

夜にTVをつけたら、大曲の花火大会の中継が映し出されました。
美しい花火に見とれます。それにしても、噂に名高い大曲の花火大会を見るのは初めてだわ~と思ったら、ここ深浦は、青森よりも秋田に近いため、秋田TVの方が電波が強いからだということがわかりました。
なるほど、ここはもうほとんど秋田なのねー。
その後は、24HTVを見ました。

私が事前に送ったプレゼントを、今回全部持ってきてくれたということに感激。
大きな車だから、なんでも積めちゃうのね。
みんなでワイワイ、楽しみます。
うまい棒カッターとビールの泡作りをやってみました。

 

ガールズが、姉妹共同作業で仲良くがんばってくれます。
うまい棒カッターは、うまい棒がWの形になって出てくるはずが、そうでもありませんでした。
あれ?でも短く切れてるから、まあいっかー。

 

ビールではなく氷結を注いで、泡づくりをしてみましたが、どうも泡の出がいまいちでした。
買った時に動画を見たら、おもしろいほどシュワ~ッと泡が出るようになっていましたが。
おうちでトライしてみてねー。

 

初めこそ大人しかったものの、すぐに私に慣れ、ひっきりなしに構ってくるガールズのお相手をしていたら、あっという間に時は過ぎました。
布団の上で楽しくはしゃぐガールズがそのうちこてんと眠りに落ちてから、まみちゃんとおしゃべりをして、私は日記を書き、夕べ同様、1時半に就寝。
海と山に囲まれた、静かな夜です。


最新の画像もっと見る

post a comment