風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2012-11 迎賓館赤坂離宮 前庭公開

2012-11-03 | 東京
文化の日に、はじめて迎賓館を見学しました。
11月1日から3日間、前庭が一般公開されたのです。

前日に行った母から、「すごい見学者の数で、入るまでに1時間半も並んだ」と聞いて、(休日はさらに混んでるかも)と戦々恐々としていました。
秋の日の光を受けて明るく輝く石畳を歩いていくと、豪華な門が見えてきます。
見学者は大勢いましたが、閉門間近に行ったためか、さほど待たずに入れました。



丁寧に剪定された松の木々の間から、噴水が見えるのが、和洋折衷。
正直、なにかちぐはぐに感じますが、外国人にとってはこの組み合わせが斬新なんでしょう。



石砂利を踏みながら建物のそばに行くと、あまりにも完璧な西洋建築を前に、なんだかヨーロッパにいるような錯覚を起こします。
豪華でありながら瀟洒で、まさに舞踏会に訪れたお姫さまの気分。



午後は逆光になってしまいましたが、存分に写真を撮りました。
車寄せ前の所々に人垣ができていました。解説員が説明をしてくれていたので、私も聞き入ります。



この建物は、旧東宮御所として一時期天皇の住まいだったこともあるほか、国会図書館だった時もあるんだとか。
え~、図書館の時に訪れたかったわー。
調べてみたら、1948–61年の間だったとのことで、まだ生まれていませんでした。



「国家元首しか泊まれない国営ホテルです」という解説員の表現に、なるほどと思いました。
「さらに国会閣議で決められた人だけで、予定にない国家元首も泊まれません」
突然、オバマ大統領が「泊めて~」と来ても、ダメなわけですね。



さらに、四ツ谷の正門から入れる人は国賓だそうです。解説員は公開日のこの日も入れず、裏門から入ったとのことでした。



ジョサイア・コンドルの一番弟子、片山東熊の設計による、日本唯一のネオバロック様式の洋風建築物。
1909年(明治42年)に完成しました。
堂々たる国宝ですが、国宝というと、だいたい和風の芸術品という印象が強いため、新鮮さを感じます。



下から見上げると、金のがちょうが四方から天球を守っているようで、迫力がありました。
(金のがちょうといったらグリム童話・・・?)と思ったら、あれは鳳凰なんだそうです。
えっ、霊鳥なの・・・?(国宝に失礼)



がちょう、いえ鳳凰にばかり目が行っていましたが、「中央の屋根飾りをご覧ください」と解説員。
「上に載っているのは、非常に珍しい、兜なんですよ」
本当に、兜と鎧が載っていて、驚きました。



「ちゃんと、阿吽の形を取っているんですよ」
目を凝らしてみると…左の武士は「あ」、右の武士は「うん」…本当です。

   


ということは、彼らは狛犬がわりなんでしょうか?(えっ)

謎でしたが、なんだか武士の亡霊のようでもあり、迫力がありすぎて、少しこわくさえ感じました。
富国強兵時代のモチーフだそうですが、まさか西洋風の建物の上に、和のオブジェが載っているなんて。



車寄せの玄関ドアのゴージャスな模様の中央には、桐のご紋がありました。
正門の瀟洒な大門も、みるからにヨーロピアンな造りですが、一番上には菊のご紋が埋め込まれていました。
まさに和洋折衷の粋。
洋にちょっぴり和アイテムを織り込んだ、という方が正しいですが。



西洋風でありながら、さりげなく日本意匠と融合させているところに、西洋では見られないオリジナリティを感じます。
夏には内覧会も行われていますが、かなりの倍率だとか。
今回は前庭だけでしたが、すばらしい建築と広い庭園を見られて満足度が高かったので、いつか内覧会にも参加してみたいです。


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