藍の旋律

☆作品は最愛のあなたに捧げます☆

来夢来人

2014-01-03 15:02:10 | 
水のない河に水を注ぐ
そして流れるためにあなたが息を吹くと
河の水は流れて
あなたの辿る指先の方角に
辿り着こうとしている
そうして、あなたは水になり
河というひとつの夢を形象にして
すべての瞳に水の流れを映すとき
あなたはやってくる夢になる
瞳の数だけあなたは夢になり
まばたきの数だけあなたは瀬音になり
流れる調べになり
見つめたものを映す鏡になり
止む無く流れて
時間を持たない夢に流れることで
水面は時間を刻んでいる
あなたはやってくる夢になりながら
愛を久遠にするために
時間を創造していた
だから水のない河に水を注ぐ輪廻を繰り返す
それは見たことのない輝きを求めて
えがいたことのない輝きになって
水面に映る輝きと
果てしなく繰り返し愛し合う
あなたという魂の源は
形になって形をなくし
夢になって泡沫を繋ぎ合わせて
更なる超越を果たそうと
完成されても新たな未完成を探求して
やはり、夢は終焉のない完成を
連れてやってくる
生まれてくるものはいつもプロセスで
水は何度も完成を体験しながら
プロセスの旅を無数に試みる
それは未完成を愛しているあなただから
かならず辿り着く
輝き溢れた泉の始まりにふたたび出逢う
そうして究極の愛になり結ばれる
すべての泉のひと雫に煌く虹を映して
あなたは流れる水のように創造する
来る夢、来る人を





(2013.11月作成)







無限角

2014-01-02 21:51:22 | 
遥かな高次から舞い降りてくる
美しい夢は星々の明滅のように
清らかな無から創造されたもの
煌めく雫の刹那に零れ落ちては
光の木霊を奏でて無意識を伝う
そうして、少しずつ、少しずつ
宇宙の無限との一体化のために
顕在した意識の中でふくらんで
夢は美なるものだけを実現する
それ以外の偽りは夢とは異なる
儚い幻でしかなく瞬きに溶けて
泡沫という跡形だけを残し去る
夢とは輝き、幻とは明滅の幻影
なぜなら夢とは時を必要とせず
幻とは時に制限された噴霧の角
実現には計り知れない夢を束ね
超意識を選び無限角を創造する

果てしない無限でさえも
それを包む無限に護られて
美しい夢は透きとおる心に宿り
夢は見るものなのか 
夢に見られるものなのか 
孤独で背負わなければならないものなのか 
孤独で背負うから夢なのか 
夢の創造者のなかで与えられた
孤独を超えて遥かなあなたに気づく時
幻から目覚めて夢になる
誰しもが遥かなあなたのなかで生きている
夢と幻の明暗の狭間を知ることもなく
知らされることもなく
それでも遥かな無限を愛したくて信じたくて
あなたに辿り着こうとする
夢の在り処はいつも源を求めているのだろう

創造された夢のひと粒の全ては
生まれてきた愛の原点を記憶している
その愛と愛し合いたくて
真実を実現しようとする
あの星々の明滅は夢の呼吸
有形で夢の証を伝えようとする
愛の無限角





           (2013.11月作成)






ひとひらの銀河

2014-01-01 22:09:11 | 
雪の舞い散る夜空の 
白い蛍のように踊る雪明かり
その小さな結晶は闇夜を点しては消えてゆく 
ひとひらの銀河になる
賑わう街のネオンに砕け散り
君の瞳を濡らしている
白い吐息に指をあたため合うほど
落ちては溶ける 雪の粒
君の声に耳を澄ましていると
溶けてゆく雪の一瞬が
もっとも美しい瞬間だったと目が覚める
華のような結晶の形は
雪として生まれた時から
捨てるためのものだったことを雪は知り 
イミテーションの輝きよりも美しい一瞬の 
ひとひらの銀河を地上に鏤めて 
一夜でひろがる銀世界
こんなに神秘的な君の涙の魔法よりも
この地球ではイミテーションが美しいと求められ 
競い合うように イミテーションばかりが造られて
この雪の織り成す ひとひらの銀河を見失う
君の声ではない言葉ばかりが人に歌われて
君の声を聴く木霊の唄は人には聴き流されていた
それでも君は彼方から音も無く涙を流す
木枯らしが君の涙を雪にして
いくつもの結晶が雫になって
僕の手のひらから零れ落ちては消えてゆく
数え切れない ひとひらの銀河
闇の空を見上げると 絶え間なく
誰にも唄われなくても 輝く言葉を話している
あたたかさに溶けてゆく
何のためらいもなく形を崩す雪の選択は
あたたかいと感じたことの感性に 
忠実な現象であり それは君の深い愛の顕れ 
かけがえのない ひとひらの銀河の瞬間を
つなぎ合せて 僕は君を抱きしめていた
華やぐイルミネイションが
蛍のような雪明かりを飲み込んでしまう
この地球の片隅で
君の声を聴く木霊の唄を僕は口ずさむ
この地球の誰もが歌わなくても
ひとひらの銀河を僕に贈ってくれた宇宙だけが
耳を澄ましてくれているから
舞い散る雪のなか 手のひらに消えてゆく
きみの涙 銀世界の静寂に沈黙を囁く
ひとひらの銀河 宇宙に滲む永遠に