2020@TOKYO

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■スロー・ステップ運動とエンヤトット宣言!

2009-08-15 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
(昨日からのつづき)

  エアロビクス体操などでは、強烈な2ビートの音楽がジムの中いっぱいに流れていたりしますが、昨日の、40分ノンストップ・スロー・ステップのBGMは、フォークの神様・岡林信康さんの音楽でした。

  「チューリップのアップリケ」「山谷ブルース」など、ご存知の方は多いと思いますが、やはり、これらの曲のイメージとトレーニングは結びつきません。

  岡林さんは、何と言ってもエンヤトット・ミュージックです。

  1960年代後半から70年代初頭にかけて、フォークの神様と崇められた岡林さんは、71年から約5年間、岐阜~京都の山村に引きこもります。この隠遁生活の中で演歌と出会い、美空ひばりさんに楽曲を提供(月の夜汽車)するなど、初期の岡林さんを知る者には想像もつかない新たな展開が始まります。

  やがて、様々な変遷を経て、81年頃から日本古来の民謡のリズムをベースにした独自のエンヤトット・スタイルを創りだし、最近ついに完成の域に到達したわけです。

  昨日、私が40分ノンストップ・ステップ運動に使用したのは、最近、日本クラウンから復刻された「風詩=かぜうた」というアルバムです。「岡林信康 風詩 1998年作品 歌手生活30周年記念アルバム」と銘打たれた帯のキャッチは以下のコピーです。

  『日本の風土が生んだ“エンヤトット”のリズムと和楽器編成の音色が、独自の歌の世界を作り上げた。エンヤトット宣言の集大成アルバム!』

  エンヤトット宣言というものが、いつ、どこでなされたのか、詳しくは知りませんが、その集大成アルバムというのですから、たいへんなものです。余談ながら、宣言は英語でmanifesto(マニフェスト)、しかし、そもそもは、マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」のことを指します。「万国のプロレタリアート団結せよ」で終わる有名な書物ですが、高校生の頃、共産党宣言が出版された年を覚えるために、「ブルジョワはイヤシイ奴(1848年)だとマルクス言った」と暗唱したものです。

  最近の選挙では、どの政党もマニフェストなどと言っていますが、マニフェスト=共産党宣言のことは知っているのでしょうか?

  そんなことはどうでもよいとして、エンヤトット宣言の集大成というアルバムをガンガン大音量で聞きながらスロー・ステップを繰り返すうちに、日本民族のDNAにしっかりと刻み込まれていたエンヤトットのリズム感覚がよみがえるのを感じました。さらに、森羅万象に宿る八百万(やおよろず)の神々を讃えながらステップを踏むうちに、無限のエネルギーが身体中に漲るのを知覚しました。古代日本の人間たちが全てのエネルギーをぶつけた祭儀には、エンヤトットのリズムが流れていたのではないか?

  六本木の薄暗いクラブで、覚せい剤を吸引しながら踊っている諸君!今すぐにクスリは捨てて、太陽が燦燦と輝く大地に立て!そして、エンヤトットの強烈なリズムに身を任せたまえ!諸君の身体と血の中に流れている人間本来のエネルギーが躍動しはじめ、身体の奥底から真の覚醒を得られるだろう。

  「万国のエンヤトット人、団結せよ!」

  

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
リズム (つくしの)
2009-08-15 14:17:08
エンヤトットとは農耕民族がもつ
4拍子のリズムのことですか?
御歌囃子 (白龍)
2009-08-15 15:00:43
基本的に「エンヤトット・ミュージック」とは、岡林信康さん独自の創作です。小学二年生のころ、故郷・滋賀県の江州音頭(ごうしゅうおんど)の盆踊りで味わった陶酔感が事の始まり。きっかけは、キング・クリムゾンのロバート・フィリップから、「俺たちの物まねはやめて、日本のロックを聞かせろ!」と言われたこと。『ワシらのロックンロールを作ったる』という気概でのぞむものの、試行錯誤がつづくなかで、韓国の打楽器グループ・サムルノリと運命的な出会いを果たし、さらに、サンバのアーティストが加わるなどして、徐々に現在のエンヤトットが出来上がっていく。試しに一度聞いてみなはれ!

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